「桜蔭・開成など難関中学に合格するためには、小学校入学直前期の今、そして、入学後の1年生時、どのように指導したらよいでしょうか?」―匿名希望さんからこのような質問を頂きました。
普通の先生に聞くと「ずいぶん気が早いですね。そうあせらずともこれからの6年間で十分間に合いますよ。」「小学校に入る前から中学受験準備ですかぁ~」とか言われてしまいます。逆に、小1から囲い込みをしているある中学受験専門塾に行くと「すぐに入塾して下さい。」と言われるでしょう。しかし、その塾に6年間通った生徒の1割すら桜蔭・開成に合格していないのです。何が正しくて何が間違いかが非常にわかりにくいですね。ちょうど富士山に登頂する登山道がいくつもあるように難関中学に合格する方法はたくさんあります。その中で我が子の性格・資質と我が家の家庭環境にあった方法を選ぶべきです。
たとえば、お子様の入学する小学校が公立なのか私立なのか、私立小でもさとえ小や洗足小のように他校受験を積極的に勧めてくれる学校なのか、まったく逆で「裏切り者」扱いされてしまう学校なのかによっても作戦は変わってきます。
そこで、今回はどのような学校に進学してもできる家庭内指導について、1つ提案します。<o:p></o:p>
それは「家庭内飛び級」です。<o:p></o:p>
お子さんが現在幼稚園年長さんなら小1の勉強を家庭でさせるのです。<o:p></o:p>
4月になって入学したら、家庭では小2範囲を勉強させるのです。<o:p></o:p>
ただし、これは学年が上がってからはいきなりやってはいけません。たとえば、九九をまだ憶えていない小2の生徒に、家庭内飛び級だと言って、小3の割り算をやらせたら・・・・出来るはずがありませんから。そういう場合は飛び級しても困らないように架け橋となる補習が必要です。
家庭内飛び級の効果<o:p></o:p>
1) 学校の授業がとても簡単に思えて、余裕で取り組める。だから、計算ミスや読み違いミスが大幅に減る。
2) 1学年先をやっているので、今学校でやっていることが先々どのようにつかわれ重要かがわかる。例えば割り算を勉強するといかに九九の暗唱が重要だったかが子供でもわかる。
3) 人は「間をおいた反復」を繰り返すことで記憶が定着し、習慣にまで高められるが、前年に家庭内でやったことを学校で繰り返してくれるので、反復回数が増え、いっそう学習効果が上がる。
4) 難関中学受験の学習範囲は小学校の教科書範囲(文部科学省の指導要領)をはるかに超えている。したがって、小6になってから小6教科書の内容をやっているようでは到底間に合わない。したがって、中学受験専門塾ではそれぞれが独自のカリキュラムを作っているがおしなべて言えば、小4時には小5範囲以上をやっている。<o:p></o:p>
つまり、家庭内飛び級は難関中学受験対策の「はじめの一歩」と言えます。<o:p></o:p>
家庭内飛び級の注意点<o:p></o:p>
1) お子様の性格によっては、学校の授業はすべてわかっているので授業をちゃんと聞かなくなったり、友人や先生を馬鹿にするといった危険性があります。そんな鼻持ちならない子供をつくるために家庭内飛び級をするのではありません。お子様の性格を悪くしてしまうようなご家庭では家庭内飛び級をやらないで下さい。
2) 1年前にやっているので、それで安心してしまい、「聞いたことがある。」「知っている」として、現在の学校の授業・復習がおろそかになり。結局、現在の学校のテストで100点がとれなくなる。その原因は「知っている。」と「出来る。」は違うがわかっておらず、計算練習など地道な努力を怠ってしまうことにあります。これでは何のために家庭内飛び級したかわかりません。本末転倒です。
3) 飛び級をどんどん進めることが目標になってしまい、「うちの子はまだ小1なのに分数・小数どころか連立方程式も解けるのよ。」と嬉しそうに語る母親-大きな勘違いです。これは難関中学受験で合格しないタイプです。
そんな余裕があるのなら、お子様が小1なら小2範囲の知識までしか使わない最高峰の思考力問題をやらせたり、理科・社会の勉強をすすめましょう。難関中学受験は4教科ですから。算・国だけ磨いても合格しません。
このつづきはまた後日