「我慢が大事。」
私が幼少の頃、父からよくこう言われたものです。
幼少の頃の私の理解は「我慢できる人が立派な人」「あの野口英世もキュリー夫人もエジソンも皆我慢が出来たから人々に役立つ立派な仕事が出来た。」でした。
30年以上塾教師を続けてきて、多くの教え子(子ども達)と接してきて思うのは、
「我慢することを父母から教えられていない子ども達は本当に可哀想だ。」ということです。
「我慢する習慣がないから、自分が嫌なこと、気の進まないことからは言い訳をしてすぐ逃げる。勉強もしたくないからしない。ピアノや書道など芸術分野でも地道に努力するということが我慢ができないのですぐにやめる。スポーツでも地味な基礎練習が我慢できないから続かない。ゲームのようにすぐに結果が出ることしかやりたがらない。」-そんな子どもになってしまいます。
だから、成人して就職しても、なにか言い訳をつくって、我慢せずにすぐにやめてしまいます。
我慢ができない人はどこに行っても挫折します。実社会から相手にされず通用しないので、逃避して「引きこもり」になることもあります。
「子どもだからわがままで当たり前、子どもだから我慢しなくていい。」「ママが嫌なことから全部守ってあげるから。あなたは我慢しなくていいのよ。」と、過保護&過干渉の母親が言い続けた結果、「自分のことしか頭になく、我慢ができず、地道な努力を知らないキレやすい社会不適合者」ができあがります。
こういう人が増えてきて、今の日本は本当にいいのでしょうか?
いいわけがありません。
子どもの躾は幼少期ほど親は涙を飲んで厳しくするものです。それが将来子どもが自立&自律する糧になるからです。可愛い我が子だからこそ、溺愛するのではなく、子どもの将来を考えて「我慢が大事」を教えるべきです。そして、なにごとにも努力を惜しまず、地道に取り組む行動習慣をつけてあげるべきです。そうすれば、子どもは子ども自身の努力と才能で人生の荒波を乗り切っていくことができます。
ちなみに、言うまでもありませんが、「我慢が大事」とはいじめや虐待や犯罪行為に対して我慢をしなさいと言っているのではありません。被害を受けた自分が我慢をすることによって結果的に「相手の悪」を助長してしまうからです。悪や犯罪行為に対しては我慢をする必要はありません、しかるべき方法で堂々と立ち向かって良いし、そうするべきです。
結論
親となった以上、我が子を人間力ある社会人に育てあげ、社会に役立つ人とすることが親の責任であり、使命です。そのためには「我慢が大事。」の言葉がけから努力や根気・忍耐の大切さを我が子に教え伝えていきましょう。