絶対合格

熱血塾教師35年+教育コメンテーターのオールマイティー井澤が 「受験」、「子育て」の成功法を公開!

それって危機的状況です。(No.680)

2017年12月01日 11時08分40秒 | 受験・学校

  ここ数年、計算力が乏しい小学生が増えているそうです。3年生なのに6の段以降の九九をすぐに言えない。言っても間違える。だから、かけ算の筆算も答が合わない。当然わり算も×。こんな悲惨な状態なのに生徒本人は「順番に言えば九九は全部言える。」とすまし顔。「そ・う・じゃ・な・い・だ・ろ・う!」って、言いたい気分です。計算問題の答が合わなければ、九九を暗唱できても意味がないでしょう。

 原因は記憶力が悪いのではありません。事実その生徒は漢字や地図記号は憶えているそうです。原因は家庭で算数の勉強を週に1~2回しかやらないことと、そんな悲惨な状態なのに「そのうち憶えて、計算問題も出来るようになるでしょう!」として放っておいた御父母様にあります。

 小学校の算数の計算問題は初めて習ったときに100点がとれるまで毎日練習をするべきなのです。このブログでも以前触れましたが、小学校範囲の計算問題は80点ではダメです。ここで80点でOKにしてしまうと中学に行ってから計算力が乏しいことが原因でいくら勉強しても点がとれなくなります。

 だから、1000問計算問題をやって1問しか間違えないという正答率99.9%以上を目指すべきです。そのためには、毎日20~30分で計算練習をやります。計算問題集をページごとに時間を計り、正しく、早くやります。1ページ出来たらすぐに採点。間違えたらすぐにその問題を間違い直しノートにやり直す。やる単元は今学校・塾でやっている単元が優先です。毎日20~30分間の計算練習が身についたら、さらに今までやった単元で確実に100点がとれない単元をやります。

 たとえば、今学校でわり算の筆算をやっているなら、まずはその単元です。しかし、九九だけで出来る普通のわり算でミスが多い生徒は筆算でもミスが多いです。そこで、九九だけでできるわり算を復習します。その答が合わない原因がたとえば6×8=42などと九九を間違って言っていることにあるなら、当然6の段のかけ算の計算練習もやり直します。 

 実は、私立小学校では、ほとんどのお子様は「九九を憶えるのに苦労した記憶がない。気付いたら九九を憶えていて学校でやる前にかけ算が完全にできるようになっていた。」というかんじです。そういう環境にいるのに小3になっても九九を間違えるというのは危機的状況です。すぐに手をうつべきです。


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