活版印刷紀行

いまはほとんど姿を消した「活版印刷」ゆかりの地をゆっくり探訪したり、印刷がらみの話題を提供します。

渋沢史料館の「渋沢家の雛祭り」

2009-03-04 16:05:07 | 活版印刷のふるさと紀行
 3月3日だというのに、前夜から天気予報は「積雪5センチになる」とおどかしていた。なーに、大丈夫と出かけた先が東京都北区西ヶ原「渋沢史料館」、飛鳥山公園の一角、あの王子の「紙の博物館」のお隣です。

 お目当てはここで開催中の企画展「渋沢家の雛祭り」拝観です。
 展示されている雛人形の持ち主だったのが渋沢栄一のひ孫、渋沢敬三の長女、佐々木紀子さんと、次女、服部黎子さんのお二人。たまたま、私は紀子さんからご招待の栄に浴したという次第。

 お二人それぞれの「お印」を染め抜いた垂れ幕の下に端然と展示されている
雛人形、雛道具は名工の手になった1品であり、逸品で思わず息を飲む。
 大実業家、渋沢栄一を囲んでの渋沢家の雛祭りをほうふつさせられる雰囲気と
格調がこころよい展示でした。そういえばブースの構成もポスターやリーフレット
も館員の優しい心づかいが行き届いていました。


 同時に見学した「青淵文庫」(栄一の図書室だった)「晩香蘆」(客間だった)も大正期の、日本人建築技術者が腕を振るった秀作で照明器具、暖炉、天井など内装が見ごたえがありました。

 ところで渋沢栄一[1840~1931]は大実業家、関連の企業は400とも500ともいわれます。常設展示に「東京印刷株式会社」の社屋写真がありましたが、1896年にアメリカでコロタイプ写真製版を学んで帰国した星野 錫を社長に据えて栄一が創業して、一時期、日本の印刷産業のリーダーをつとめた会社です。彼は王子製紙をはじめ、いまの日経新聞など製紙・印刷・出版にも大きな経営サポートをしています。

なお、飛鳥山公園の桜はこれからです。「渋沢家の雛祭り」の会期は5月5日までですから、あなたも渋沢史料館をぜひ、おたずねください

 
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