きょうから東京文京区の印刷博物館で「印刷都市東京と近代日本」が始まりました。オープニングで樺山館長がいみじくもおっしゃったのが、「東京」が世界に冠たる「印刷都市」であるのに、日ごろ、だれもそんなことは意識してない、むしろ海外からの人が驚く程ですと。
たしかにそうでした。博物館のある文京区もお隣の新宿区も、千代田区、台東区、中央区もまさに印刷関連の企業が蝟集して、町の産業をリードしていた時代が長くありました。江戸末期から明治から平成初年まで、印刷都市東京が近代日本の成長と歩みを共にして来ました。この特別展はそれを見事にビジュアライズしてくれております。
個人的にはいままで現物を見たくとも見られなかった明治初期の印刷物が「これ見てぇ」とショーケースにザクザク並んでいるのにはびっくり。さすが印刷博物館、所蔵品の見事さにもかぶとを脱がざるを得ませんでした。
会期はきょう10月20日から来年2013年1月14日まで(月・祝休館)とタップリあります。興味のおありの方はぜひ足を運んでください。あえて、ここでは展示内容には触れません。
それと、図録の出来がいいこともつけくわえます。いまや電子本の時代がはじまって、この先の東京の印刷がどのような道を辿るか読みきれないときだけに見落とせない「印刷文化史復習展」であり、「東京の印刷綜合回顧展。」でもあるように思いました。