青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

ウケるブログ

2005年02月17日 21時23分07秒 | 日常
本屋に行ったらこんな本が置いてあった。
無料で出来る、面倒なコンテンツ作成は不要、掲示板感覚で気軽に出来る事もあいまって、「一億総ブロガー」となった感も否めない昨今(何せこの私がやっているくらいだ)、ただのブログでは誰も読んでくれませんよ?と言うことなんだろうか…いいんだよ別にウケなくたって。

その隣には「今週、妻が浮気します」が山と積まれていた。
話に聞けばこれはブログを元にした原作を書籍化してるんだとか。内容は知らんが、「電車男を超えた」とかいう本屋の煽り文句が踊っている。
要するに「書籍化→印税→ウマー」と並ベて陳列する事で、「一発当てたいブロガーは『ウケるブログ』読め」って事なんだろう。見事なマッチポンプと言うか、釣り糸と釣り針が見えるというか。その気になった作家志望の脂の乗ったニートが軽々と一本釣りされる姿が目に見えるようです(笑)。
そもそも「ウケる」根拠って?そんなもんは単なる「普遍性の集合体」ってだけであって、ピンクこと幸楽の小話だってウケる香具師にはウケる。手には取ってみたが、何だかPHP文庫の中谷彰宏のハウツー本のようでもあり、まったく鼻持ちならない胡散臭さがプンプンとしていた(笑)。

このような本が書店の売り場の比較的目立つ位置に堂々と置かれると言う事実。
最近目立つ「女優になるためにグラビア」「役者になるためにお笑い」と言うような「とっかかり」のツールとして、「作家になるためにブロガー」という方程式が確立されつつあるのかもしれない。

表現と言うのは人に認められてナンボという部分は否定は出来なくて、それゆえ作家志望やら漫画家志望やら、歌手志望やら役者志望やらロッカーやらが世の中にその作品を見てもらう事すら出来ずに自分の夢に折り合いを付けて舞台を降りてしまうと言う事も多かったと思う。
しかし、「電車男」やら「今週~」のように、作品の出元が「誰でも、今すぐ、即座に」出来るWEB上(特にブログや2chのような)という事は珍しくなくなって来た昨今、誰でもその気になれば「書籍化→印税→ウマー」への扉は開かれているのかも。

文芸の方面は全く疎いのでどうなっているのか全く分からんのだが、いっぱしの作家としてメシを食ってる諸兄、毎週毎日アタマん中をフル回転してひねり出したファンタジーやら創作やらノンフィクションより、一般人の何気なく書いた雑文(あえて雑文と言う)がガンガンに売れてるこの世の中をどう思っているんだろうか。
コメント (1)
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