青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

見た目は大人、頭脳は子供! 独身貴族解散旅行・二日目②

2008年11月27日 21時49分00秒 | 日常

(松葉ガニ@道の駅ポート赤碕)

山陰の冬の味覚と言えばカニ。
松葉ガニです。
とは言え、地物の松葉ガニは中サイズでも一匹2,000円。
大型になると一匹4,000円はする高価なものでございます。
たぶん、テレ東の乱獲のせいだね(笑)。
ロシアの海なら腐るくらいいるらしいし。

せっかく山陰まで行ったのなら、旬の味覚に手を出してみたくなる。
道の駅の近くの店はカニブームに湧きに湧きまくっていたので、
そっから離れた赤碕町の街中の料理店へ。ま、ここも結構混んでいたのだけど。
店のおばちゃんはてんてこ舞い。
山陰の片田舎の街に、こんなに客が来るのもこの時期だけでしょう。
都会の連中がカニ狩りに来てるんだからねえ。
とりあえず4人中3人がカニ定食オーダー。

どんだけ待つのか気が気ではなかったが、心配をしていた自分の予想よりは早く出て来たカニ定食w
これで1,900円は、やっぱり安いかなと。
へんしうちょはワンランク上の3,000円のカニ定食だったのだが、さすがにカニのサイズがワンランク大きかった。
どうやら儲けを確信しているらしいw

つか、テーブルに並びまくるカニは壮観です。
とりあえず興奮のあまり、全員でこの歌を大合唱した事をお許し頂きたい(笑)。
浪速のモーツァルトマンセー。
思わずトイメンのグッピー氏とお互いの持ちガニを闘わせてみたりw
山小屋店主氏のみ刺身定食をオーダーしたのだが、
こちらも刺身にサバのような大きさのアジの塩焼き付きです。
とりあえず、食え食え。

吉牛やマックをファストフードとするならば、カニって究極のスローフードだね。
とにかく食うのに時間がかかる(笑)。
犯人は残虐たる先割れフォークを用い、ハサミで足を切断、身を引きずり出し、甲羅をパカッと外して味噌をすすりたるものなり。
よって死刑。
松葉ガニ王国で断罪されそうな罪深き食い方ですねw
付いて来たカニメシはカニのダシがしっかり利いてて、ご飯にカニ身をほぐしたのを乗せて食べるのが美味い(笑)。
正直最後の方は足の細い部分まで面倒を見る気力が…
ともかく、完食。カニさん成仏してたもれ。

   

カニを始末するのに予想外の時間を取られた後は、R9を倉吉方面へ戻る。
もう結構日は西に傾いているが、今日のミッションは続く。
ここは鳥取県は由良郡北栄町、日本海に面した静かな町です。
これは一応へんしうちょリクエスト、と言う事でいいのかな、「青山剛昌ふるさと館」へ。
って、青山剛昌って誰やねん。って言う人も多いかもしれませんね。

「犯人はお前だっ!」
って事で、ここは週刊少年サンデーで人気の「名探偵コナン」の作者である青山剛昌先生の記念館なんですね。
何でも、先生はこの町のご出身なんだそうで。
同じ鳥取県では境港市が「ゲゲゲの鬼太郎」の水木しげる先生を使って街おこしをしてますけど、
こっちは青山センセで二匹目のドジョウを狙ったと言う感じでしょうか(笑)。
こらこらそこ、「じっちゃんの名に賭けて」とか言っちゃダメですよ。
ぶっ飛ばされますよw

  

総額2億円弱の工費がかけられただけあって、なかなか立派なものです。
一応探偵漫画なんで、こんな感じトリックなんかもあったりして…
地元の大フィーチャーっぷりは凄まじく、地域振興券の図柄とかもコナンだったらしい。
ここまでやってもらって剛昌先生、「ふるさと納税してない」とか言われたら泣きたくなりますw
印税ウン億あるんだろうがw

ちなみに私も高校生の頃から10年近く毎週サンデー買ってたんで、印税のなにがしかには貢献しているのかなあと。
コナンは読まずに華麗にスルーしてましたけど(笑)。


    

町の真ん中を流れる由良川にかかる橋。
その名も「コナン大橋」。
橋の基礎にも、欄干にも、電燈の柱にもコナンがいます。
「たった一つの真実見抜く、見た目は子供、頭脳は大人!」
すっかり晴れ上がった由良の街に、鈍く輝くコナンのレリーフが語りかけます。
こちとら見た目は大人、頭脳は子供だ!まいったか。
ダメじゃんw

夕暮れの犬挟(いぬばさり)峠を抜けて、今宵のお宿は「湯原温泉・かじか荘」。
グッピー氏チョイス。
湯原温泉は、京阪神の人にとっては関東の箱根や草津のようなもんらしく、
三連休ともあって温泉街は非常ににぎやかであります。
そんな喧噪の中にあって、「かじか荘」は古き湯の街情緒を残す好ましい雰囲気。
玄関の引き戸に彫り抜かれた宿の名前がいい感じです。
寡黙で朴訥そうなご主人と、マシンガントーカーとしか言いようがない賑やかなお母ちゃんが切り盛りしています(笑)。

すっかり夜の帳が下りた湯原温泉。
マシンガンかあちゃんとウエルカムトークを弾ませつつ、夕飯を少し遅めにしてもらって夜の湯街をまずはぶらっと。
湯原温泉と言えば、旭川の河原沿いにある露天風呂「砂湯」が有名ですね。
この写真で言うと右側の東屋のあるあたりです。正面は湯原ダムの堰堤。
川面に映る宿の灯り、かすかに立ち上る湯煙。

この辺りの水辺に棲むと言うカジカガエルをモチーフにした湯原の温泉街。
川沿いの細い谷あいに、ウナギの寝床に続く温泉街。
射的屋さんなんかもあったりして、レトロな風情を意識している感じもする。
浴衣姿の湯客がそぞろ歩くさまは、何となく群馬県の四万温泉を思い出します。

温泉街の片隅にある薬師堂。
その傍らにある、「薬湯」と書かれた飲み湯とひしゃく。
掬って飲むとかすかな塩味とわずかな苦みが残りますが、くせのないお湯ですな。

少し冷えて来たので、宿に戻って宴会。
作州・伯耆の地酒を冷やで飲みつつ舌鼓。
宿の自慢だと言う地鶏の燻製が冷や酒に合いますねえ。
黒媛鯛(ティラピア)の薄造りも、川魚とは思えないさっぱりした食感です。
相変わらずおばちゃんは料理を持ってくるたびマシンガントーカーぶりを発揮し、
部屋中の人間に向けて乱射を続けるのでありますがw
まあ酔って来るとこっちも弾丸を上手くかわしつつ反撃に転じたりして(笑)。
元々我々、マダムいじりは得意とするところですからw

夜遅くなってくると露天風呂は爪楊枝の楊枝立てみたいなもんです~
もう上から見たら隙間ないくらいぎっちりぎっちりで!
あ、お風呂何時に行かれます?
早く行った方がよろしいかと思うですけどねえ~(この間10秒)

なんかおばちゃんがやたらに露天風呂にさっさと行く事を奨めるので、
そこまで言われたらしゃあないので食休みもそこそこに露天風呂に行って来る事にする。
露天風呂「砂湯」はかじか荘から徒歩2分。
さすがに夜は底冷えがするのだが、若いんだから寒いのくらい大丈夫でしょ~!と無責任な見送りの文句w
もうそんなに若くないんですがw

湯原ダムの堰堤を見上げる、旭川の河原を掘り抜いて丸く囲った露天風呂。
あ、写真は翌朝撮ったやつだけどね。
一番奥の「子宝の湯」に陣取り体を沈める。
お湯はややぬるめの適温で、長湯向きの非常にいい湯加減。
昨日泊まった津黒もそうだが、中国地方の温泉は長湯向きのまろやかな感じだね。
ぬるければ、底に敷かれた玉砂利を足で掘ると熱い湯が湧いて来る。

ほろ酔い加減で体が暖まると、キリリと冷えた山の空気が気持ちがいい。
出たり入ったりで一時間近くいただろうか。
こんな感じで旅に出て、仲間とくだらない話をしている時間が至福と言うのかな。
独身だろうとなかろうと、こう言う時間は必要なんだろうなあ。

 宿に戻ると、宴会はきれいに片づけられて布団がしつらえてあった。
おばちゃん、とっとと布団を敷きたかっただけ疑惑浮上(笑)。

続く。

コメント
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