青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

長電のソコヂカラ

2012年05月28日 06時02分05秒 | 日常

(画像:長電の中枢@須坂車庫)

さて、長きに亘りお送りして来た今回の長電行も今回で最終回。飽きたと言わずお付き合い願いたいと思いますが(笑)、小布施で返した団臨は終点須坂駅へ。「蔵の街須坂」とゆけむりの車内案内で語られる河東地区の中心都市であり、3面5線のホームと車庫を有する長電の中枢駅でもあります。まあ「蔵の街須坂」とか言われても自分は須坂観光をした事ないんでよく分かんないんだけど、市内の中心部がなんかゴチャゴチャして区画整理出来てない感じが昔っからの街なんだなあと言う感じはするね(笑)。ちなみに今回の団臨車内放送では「駅前にはジャスコしかありません」って案内されていた須坂w現イオン須坂店なのだが、地元民的には「ジャスコ須坂店」のままであるらしい。そんなもんだよね。

これから須坂駅南側の車庫で撮影会を行う段取りですが、須坂の駅の車庫は南北に結構なスケールで展開されており、まずは駅の北側の一角に全員集合。日差しはないものの蒸し暑さの残る中、須坂車庫での大撮影会がスタート。案内の現業さんから諸注意のアナウンスがありましたが、「折角ですから巡光側で撮ってくださいね」とのコメントも出るなどなかなかお好きな方らしい(笑)。小布施の駅でもクラカメ出して、「ちょっと撮らせて下さい」なんて言って鯨をパチパチ撮ってましたからね。バイトしてただけの感覚ですが、意外に鉄道業界って憧れの職業のように見えて仕事だから勤めているだけの人が殆ど(特に駅務だと)。んで、たまに本当に鉄道が好きで勤めている人がいる。そう言う人は、駅務はやるけどいずれは運転士の試験に進む人が多かったような気がしますね。ご多分にもれずこの方も運転士のようでしたけど。


まずは「羊羹電機」ことED5001から。
この羊羹電機、昭和2年製の古典電機ですが、岳南の古典EDが風前の灯の中「動く電機」としては日本有数の古さなんじゃないでしょうか。
箱型、私鉄らしいサイズのちょっと腰高のD級電機。台車の板バネが渋い。
子供の頃、小田急の足柄駅に停まってたED1031を彷彿とさせます。
あ、動くと申しましたがさすがに車籍(車のナンバーみたいなもん)は外れてまして、
扱いとしては須坂の車庫の中での入れ替え作業のみに従事できるとの事でしたが…




撮影会場であった南側の車庫に留置されていた8500に、旧型車が付けてた行先表示板を付けてみました(笑)。
中間車改造でペラペラ感の強いT6編成に、ペラペラっとした行先表示板。
いい意味で素っ気なくてマッチしているような。
国鉄73系とかのいわゆる省線電車風味、とでも申しましょうか。


そして車庫の中に鎮座ましますのは、惜しまれながらも3月末で引退なさった2000系D編成。
引退しても、その存在感はさすがなものがありまして、つくづく須坂の車庫に置いておくのはもったいないよなあw
あんだけ派手な引退興行やった手前、さすがに復活って事もないんでしょうけど…
もし復活するんだったら諸手を挙げて賛成するねw
本日はファンの方が作ったヘッドマークを付けて登場。
こんな楽しみもイベントならではですか。


車庫の中のもう一編成は、赤帯を取った「銀鯨」ことO6編成。
「O(オー)」と言うのは「One-Man」の「O」で、木島線や屋代線向けの運賃箱を付けたローカルワンマン編成の事。
今回の団臨に選ばれたO2編成と同様冷房が付いておりませんので、このOシリーズは今後の行く末が案じられる車両。
ともに屋代線の廃線を機に運用からは外れてるようですのでね。
本日の撮影では銀鯨たるそのフォルムを活かした幕仕様で楽しませてくれます。
菊名に日吉に中目黒、南北千住に竹ノ塚、草加春日部トブコまで♪(七五調)。
モノクロ撮りにしてみると、「昭和42年 南千住車庫にて」ってタグを付けても違和感ありませんw


後ろを振り返ると、さっきまで団臨で活躍していたO2編成が。9Aゆけむりとともに。


最後は車庫で3編成並べてのオールスター撮影。
2000系D編成に関しては、ヘッドマークの差し替えや行き先表示の変更アリ升。
次々とヘッドマークが差し替わるたびに、ドライブ音が響き渡る須坂車庫w
これってモデルさん呼んで撮影会するのに、何パターンもポーズを取らせるのと同じ感覚だよね(笑)。
電機とD編成に関しては「動画の方向けに!」と汽笛吹鳴までやって下さいました。


ひとしきり撮影も進み、「何かリクエストは?」と言う話も出たので、思わず「いつものヘッドマークがいい」と。
主催者側も、ラストのシメでこのヘッドマークを付ける段取りだったらしく、ちょっとフライングw
現業の方が、いそいそと「いつものアレ」をD編成に装着。
ちなみにヘッドマークってのはたいそう重いもんらしく、何度も何度も付け替えるのもくたびれる作業だと思う。
ご苦労さまでございます。


ヘッドマークステーに装着されたブルーの鹿ピョンマーク。
あーこれこれ。やっぱD編成にはこれです。
色々なご馳走もいいけど、やっぱ最後は普段のおかず。
あそBOYだって引退したあと、SL人吉として復活したじゃない。
だから、復活してもいいじゃない>D編成


長野では、結婚式でも忘年会でも卒業式でも運動会でも「万歳三唱」で締めるらしい。
と言う訳で、参加者全員で万歳三唱締め。長電の今後の発展と、皆々様のご多幸を祈って。
趣味で訪れるだけの地方のとある鉄道会社が、何だか身近になった瞬間でもありました(笑)。
主催者の皆様、現業の方々、主催と運営の段取り本当にごくろうさまでした。
この手のイベントは初めてでしたが、二日間堪能させていただきましたよ。

  

須坂から小布施へ戻り、デポした車を回収して帰路へ。途中、廃線となった屋代線の沿線に寄ってみたのだが、一見そのままのように見えてやはり踏切にはトラロープが張られ…うーん、廃線になっちゃったのね、って感じ。思えば2ヵ月前は屋代線の廃線と2000系の引退で大フィーバーしていた訳ですが、あれは一種の祭りだったんだなあと言う事を実感します。

マニアってのは移り気なものですから、祭りが終わればスッと潮が引くように消えて行きます。本当の思いは分からないけど、それだからこそ今日参加したようなイベントが企画されたのかなと思ったり、ね。屋代線はなくなっちゃったけど、D編成は引退したけど、それでもまだまだ長電にはこんだけ楽しめる底力が残ってるんだよって。そんなものをアピールしたかったのかな、なんて考えながら、大室温泉まきばの湯から廃線となった屋代線の線路を眺めるのでありました。

線路は続くよ、どこまでも。
ご清聴誠にありがとうございました(笑)。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする