青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

卯月/日ノ出町・相武台

2020年12月12日 17時00分00秒 | カレンダー

(卯月・憂いの春の大岡川@京急本線・黄金町~日ノ出町)

緊急事態宣言が発せられ、いよいよもって世相が混沌としていた2020年の春。本当ならば花の時期は川に沿って花見の屋台が並び、昼から酒を酌み交わす人の姿や賑わいを見せるはずだった横浜は大岡川の桜並木。国内全体にイベントの自粛ムードが広がる中、こちらも恒例の桜祭りが中止となって、静かな春となりました。観桜の人も少ない川沿いの道に咲く桜。憂いの花弁たちを眺めながら、何の幸せを運んでいるのか、黄色い配給電車がゆっくりと走って行きました。

テレワークの推進や不要不急の外出の自粛、ステイホームが叫ばれた中、とりあえず各鉄道会社はダイヤ通りに運行を続けてはおりました。しかしながら、鉄道各社の乗車率は緊急事態宣言以降壊滅的な数値に落ち込み、「前年の90%」ではなく、「前年の90%減」というような耳を疑うニュースも頻繁に耳にするようになりました。かくいう私もその時期の撮り鉄活動は県内のごく限られた場所の僅かなカットに留まっていて、取り上げるようなものもなかったのですが・・・ここは桜の相武台を下るVSEのカットを。土曜の午後の下りロマンスカーともなれば、本当なら箱根に向かう観光客で満席に近いはずです。それが、前展に前面展望を撮影しているマニアが1名いる以外は展望席には誰もおらず、その他の車両も1両に付き1~2人乗っていればいい方というあまりの乗車率。写真を撮っていて、ロマンスカーの信じられない姿に胸が痛かった。そんな四月の桜の時期でした。

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