青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

文月/宮ノ下・出山

2020年12月18日 17時00分00秒 | カレンダー

(文月・祝再開、登山電車@箱根登山鉄道・宮ノ下駅)

7月上旬の全線試運転開始を経て、下旬に正式に運行再開となった箱根登山鉄道。昨年10月の台風から約10ヶ月の運休を経ての運行再開となりました。感謝を伝える前面ラッピングを施され、宮ノ下の駅に滑り込む1000型。平成23年の東日本大震災以降、箱根は度重なる火山活動の活発化によって噴火警戒レベルが長期に亘って下がらなかったり、台風19号による大雨被害から立ち直ったかと思いきやコロナが襲来したり、なんやかんやと逆風続きで、まともな状態で観光客を迎える態勢になった事がほぼありません。それでも、なまじっかの観光地と違うのが国際観光地である箱根のブランド力。これくらいのもので挫けてしまうようなものではないと信じたいですが。

梅雨空から落ちて来る雨を集め、しっとりと濡れる函嶺の森。瑞々しく水分を吸い込んだ山霧むせぶ函嶺の森を縫うように走る登山電車。換気対策で雨でも窓を開けていたモハ1から、そっと手を伸ばして山の翠を爽やかに切り取ってみました。久し振りに車窓から眺めた箱根の風景、サンナナを最後にツリカケの音は消えてしまいましたが、急カーブを登って行くフランジの音に癒されます。GWから2ヶ月くらい集中して登山電車を追い掛けていましたけど、鉄道業界が逆風だらけの惨憺たる状況に陥る中、登山電車の再開だけは今年の明るいニュースだったかもしれません。

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