青空、ひとりきり

鉄路と旅と温泉と。日々の情景の中を走る地方私鉄を追い掛けています。

葉月/丹生川・善行

2020年12月20日 17時00分00秒 | カレンダー

(藤原山麓、真夏の朝を@三岐鉄道三岐線・丹生川~三里間)

緊急事態宣言明け初の県外移動は、夏休みを利用した三岐鉄道訪問。関西本線のDD51と合わせて訪問した事は何度かあったけど、単独で三岐をガッツリとやるのは7~8年ぶりくらいだったと思う。真夜中の新東名を走り抜けて丹生川の田園地帯に三脚を立てたのは朝6時前。始発電車をやり過ごして、夏の強い朝日を浴びてやって来たセメント1便3710レ。この日はお盆明けの月曜日と言う条件にもかかわらず、フライアッシュを除くセメント便は全便運行。ペットボトルを何本消費したか分からないほどの酷暑でしたが、満足の一日となりました。

7月の登山線全線開通を記念して、通常時は登山線の平坦線を担当している小田急1000系のレーティッシュカラーが全線を走りました。基本的にイベント的な車両の運行や、特殊塗装に関しては極めて保守的な小田急が珍しくブチ上げた仕掛けということもあり、沿線はその姿を追う撮影者でどこも盛況。そうなると、わざわざ定番で狙うのは何だか面白くないので、アタマを捻って江ノ島線沿線へ。湘南藤沢の街をバックに、みその台の坂道を見慣れぬ装いの赤い電車が登って行く。遠くにチラリと見える青い海と一緒に、灼熱のレーティッシュカラーを収めました。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

文月/宮ノ下・出山

2020年12月18日 17時00分00秒 | カレンダー

(文月・祝再開、登山電車@箱根登山鉄道・宮ノ下駅)

7月上旬の全線試運転開始を経て、下旬に正式に運行再開となった箱根登山鉄道。昨年10月の台風から約10ヶ月の運休を経ての運行再開となりました。感謝を伝える前面ラッピングを施され、宮ノ下の駅に滑り込む1000型。平成23年の東日本大震災以降、箱根は度重なる火山活動の活発化によって噴火警戒レベルが長期に亘って下がらなかったり、台風19号による大雨被害から立ち直ったかと思いきやコロナが襲来したり、なんやかんやと逆風続きで、まともな状態で観光客を迎える態勢になった事がほぼありません。それでも、なまじっかの観光地と違うのが国際観光地である箱根のブランド力。これくらいのもので挫けてしまうようなものではないと信じたいですが。

梅雨空から落ちて来る雨を集め、しっとりと濡れる函嶺の森。瑞々しく水分を吸い込んだ山霧むせぶ函嶺の森を縫うように走る登山電車。換気対策で雨でも窓を開けていたモハ1から、そっと手を伸ばして山の翠を爽やかに切り取ってみました。久し振りに車窓から眺めた箱根の風景、サンナナを最後にツリカケの音は消えてしまいましたが、急カーブを登って行くフランジの音に癒されます。GWから2ヶ月くらい集中して登山電車を追い掛けていましたけど、鉄道業界が逆風だらけの惨憺たる状況に陥る中、登山電車の再開だけは今年の明るいニュースだったかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

水無月/大平台・塔ノ沢

2020年12月16日 17時00分00秒 | カレンダー

(水無月・函嶺に鉄音戻る@箱根登山鉄道・大平台)

6月。緊急事態宣言の解除方針が聞こえて来る頃合いに、ぼちぼちと撮り鉄を再開。箱根の方から、去年の10月の台風で被災した箱根登山鉄道が試運転を開始したというウワサが聞こえて来たので、県内ならいいか・・・って事でクルマで小田原厚木道路を下る事が増えた。この頃のETCの明細を見ると、見事に小田厚の平塚・小田原料金所の明細しか載ってないのに笑ってしまうのでありますが、こと神奈川県民の撮り鉄のはしくれとして、今年は登山電車には随分救われた感じがする。「県境を越えた移動の自粛」なんてしゃらくさい話が大手を振って世間の論調を支配する中で、「県境は越えてないからね!」という大義名分をブチ立てられる箱根の電車は有り難い存在でした。運休中に金太郎塗りから一般塗装に戻された108号。ピカピカのボディに、「試」の文字が躍る。

6月から7月にかけて、何回登山の試運転に行ったかなあ。5月終わりくらいからシテンを始めてたと思ったけど、一応緊急事態宣言中だったし、県内でも知ってる人しか撮りに来てない感じで、静かなもんでしたよね。最初のうちの試運転は湯本から大平台の先までで、運用に入っているのは109+108の単車コンビと、ベルニナ1001+2201+1002の編成が多かった。日によっては大平台の手前で折り返すことも多かったので、そん時は塔ノ沢の駅で撮影する事になるんだけど・・・。紫陽花がチラホラと咲き始めた静かな深澤銭洗弁天。手水鉢の山の清水で顔を洗うのも清々しかった。紫陽花の時期にあんなに静かな塔ノ沢は、もう後にも先にもないかもしれません。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

皐月/相模大塚

2020年12月14日 17時00分00秒 | カレンダー

(皐月・何も出来なくて・・・春@相鉄航空線)

緊急事態宣言が出てと言うもの、仕事のスケジュールも時差勤務などで出勤退勤が深夜・早朝にシフトされたり、子供の学校は3月からずーっと休みで、毎日毎食の世話にヨメのストレスとイライラは最高潮と言う状態。GWとかも何してたんだっけ?そもそも何もしていなかったか。この時期のHDDのフォルダをひっくり返しても何も出て来ない。何というか、密を避ければ別に出掛けても良かったんだろうけど、未知のウイルスに世界中が混沌に陥る中でそう言う気にもなれず。と言うかピリピリしたヨメと家族を置いてお気楽に撮り鉄なんて出来ないでしょう(笑)。

ただ家の中でじっとして3食食べるだけでは体にも良くないってんで、この時期はやたらと家の周りをウロウロと歩き回る人間が多かったような気が。かくいう我が家も例外でなく、結構遠くまでアテもなく歩いたりもしていた。基地向けのジェット燃料輸送がなくなり、20年以上叢生したまま放置されていた厚木基地に繋がる相鉄航空線。最近になって相模大塚側から順次レールや地上設備の撤去が行われていて、その姿を偲べる時間もあと僅か。「絶対禁止」の文字に、何をするにも憚られた自粛期間の思いが詰まっているような気がした一枚です。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

卯月/日ノ出町・相武台

2020年12月12日 17時00分00秒 | カレンダー

(卯月・憂いの春の大岡川@京急本線・黄金町~日ノ出町)

緊急事態宣言が発せられ、いよいよもって世相が混沌としていた2020年の春。本当ならば花の時期は川に沿って花見の屋台が並び、昼から酒を酌み交わす人の姿や賑わいを見せるはずだった横浜は大岡川の桜並木。国内全体にイベントの自粛ムードが広がる中、こちらも恒例の桜祭りが中止となって、静かな春となりました。観桜の人も少ない川沿いの道に咲く桜。憂いの花弁たちを眺めながら、何の幸せを運んでいるのか、黄色い配給電車がゆっくりと走って行きました。

テレワークの推進や不要不急の外出の自粛、ステイホームが叫ばれた中、とりあえず各鉄道会社はダイヤ通りに運行を続けてはおりました。しかしながら、鉄道各社の乗車率は緊急事態宣言以降壊滅的な数値に落ち込み、「前年の90%」ではなく、「前年の90%減」というような耳を疑うニュースも頻繁に耳にするようになりました。かくいう私もその時期の撮り鉄活動は県内のごく限られた場所の僅かなカットに留まっていて、取り上げるようなものもなかったのですが・・・ここは桜の相武台を下るVSEのカットを。土曜の午後の下りロマンスカーともなれば、本当なら箱根に向かう観光客で満席に近いはずです。それが、前展に前面展望を撮影しているマニアが1名いる以外は展望席には誰もおらず、その他の車両も1両に付き1~2人乗っていればいい方というあまりの乗車率。写真を撮っていて、ロマンスカーの信じられない姿に胸が痛かった。そんな四月の桜の時期でした。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする