司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

株式買取請求手続期間の短縮の可否

2008-01-06 18:33:00 | 会社法(改正商法等)
 平成20年1月3日付「オンライン申請によって設立登記をする場合の留意事項」で、「なお、同解説(Q17&Q36)では、「20日間の株式買取請求手続期間については総株主の同意により短縮可能と考えられる」と述べられているが、葉玉説(参事官室見解?)では、短縮不可と解されていたはずなので、留意する必要がある。」と書いた点について、

会社法であそぼ2006年7月23日付「会社法の不備」Q2&A2
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50917720.html

同2006年7月24日付「株式買取請求権のための通知・公告の省略」
http://blog.livedoor.jp/masami_hadama/archives/50919825.html

とあるとおりであり、短縮不可の方が分があるように思われる。実務的には、短縮可能である方がもちろんありがたいのであるが、このように見解が分かれるのは、法的安定性を欠き、甚だ厄介である。

 なお、土手解説では、期間を短縮した場合はすべて、総株主の同意があったことを証する書面の添付を要するように読める。しかし、会社法では株主総会決議と株式買取請求手続の先後関係に関する規律がないことから、仮に期間を短縮したとしても、通常のケースでは登記実務上添付を要求されることはない。要求されるとすれば、登記所の形式的審査からも20日前に通知していないことが明らかである場合に限られる。

 このQ&Aが想定している事例は、たとえば、取締役の関与なしに株主総会決議又は書面決議がなされたことが書面上明らかに表れている場合等であろう。そのような場合に、効力発生日が決議又は書面決議後20日以内の日で定められているのであれば、登記所の形式的審査からも20日前に通知していないことが明らかであるので、期間短縮の同意書が要求されるという結論になる。きわめてレア・ケースであるが。
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会社法に基づく反対株主の株式買取請求に関するQ&A

2008-01-06 17:37:06 | 会社法(改正商法等)
「会社法に基づく反対株主の株式買取請求に関するQ&A」by 株式会社日興コーディアルグループ
http://www.nikko.jp/ICSFiles/afieldfile/2007/12/28/QA071227.pdf

 株式会社日興コーディアルグループが、同社HPの「会社法に基づく反対株主の株式買取請求に関するQ&A」を更新。

cf. 「株式交換に係る株主様の税務上の一般的な取扱いのご説明」by 株式会社日興コーディアルグループ
http://www.nikko.jp/ICSFiles/afieldfile/2007/12/28/1228.pdf
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