http://www.mof.go.jp/seifuan20/zei001_a3.htm
事業承継税制の抜本見直しについては、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)の制定を踏まえ、平成21年度税制改正において、以下を骨子とする事業の後継者を対象とした「取引相場のない株式等に係る相続税の納税猶予制度」を創設する。
本制度は中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)施行日(※ 平成20年10月1日施行予定)以後の相続等に遡って適用する。
この新しい事業承継税制の制度化にあわせて、相続税の課税方式をいわゆる遺産取得課税方式に改めることを検討する。
その際、格差の固定化の防止、老後扶養の社会化への対処等相続税を巡る今日的課題を踏まえ、相続税の総合的見直しを検討する。
(1) 事業承継相続人が、非上場会社を経営していた被相続人から相続等によりその会社の株式等を取得しその会社を経営していく場合には、その事業承継相続人が納付すべき相続税額のうち、相続等により取得した議決権株式等(相続開始前から既に保有していた議決権株式等を含めて、その会社の発行済議決権株式の総数等の3分の2に達するまでの部分)に係る課税価格の80%に対応する相続税の納税を猶予する。
(注1)「事業承継相続人」とは、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)における経済産業大臣の認定を受けた一定の中小企業の発行済株式等について、同族関係者と合わせその過半数を保有し、かつ、その同族関係者の中で筆頭株主である後継者をいう。
(注2)会社を経営していた被相続人は、その会社の発行済株式等について、同族関係者と合わせその過半数を保有し、かつ、その同族関係者(事業承継相続人を除く。)の中で筆頭株主であったことを要する。
(2) 納税猶予の対象となる株式等のみを相続するとした場合の相続税額から、その株式等の金額の20%に相当する金額の株式等のみを相続するとした場合の相続税額を控除した額を猶予税額とする。
(3) その事業承継相続人が納税猶予の対象となった株式等を死亡の時まで保有し続けた場合等の一定の場合には、猶予税額を免除する。
(4) その事業承継相続人が、相続税の法定申告期限から5年の間に、代表者でなくなる等により、中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)に基づき経済産業大臣の認定が取り消された場合等には、猶予税額の全額を納付する。
(5) 上記(4)の期間経過後において、納税猶予の対象となった株式等を譲渡等した場合には、その時点で、納税猶予の対象となった株式の総数等に対する譲渡株式の総数等の割合に応じた猶予税額を納付する。
(6) 上記(4)又は(5)により、猶予税額の全額又は一部を納付する場合には、その納付税額について相続税の法定申告期限からの利子税も併せて納付する。
(7) この特例の適用を受けるためには、原則として、納税猶予の対象となった株式等のすべてを担保に供しなければならない。
(8) 個人資産の管理等を行う法人の利用等による租税回避行為を防止する措置を講ずる。
(9) 中小企業の経営の承継の円滑化に関する法律(仮称)の施行日以後に開始した相続等から適用を可能とする措置その他所要の措置を講ずる。
(10) 現行の特定同族会社株式等に係る相続税の課税価格の計算の特例は、所要の経過措置を講じた上で廃止する。