司法書士内藤卓のLEAGALBLOG

会社法及び商業登記に関する話題を中心に,消費者問題,司法書士,京都に関する話題等々を取り上げています。

休眠会社の整理

2013-07-06 00:04:43 | 会社法(改正商法等)
毎日新聞記事(2013年5月20日付け)
http://mainichi.jp/area/news/20130520ddf001040002000c2.html

 休眠会社の整理(平成17年改正前商法第406条ノ3)の手続が,昭和49年改正商法により創設されて以降,次のとおり,整理が行われた。

昭和49年12月3日
昭和54年12月1日
昭和59年12月2日
平成 元年12月3日
平成 9年 6月3日 ※最低資本金未達成会社のみなし解散
平成14年12月2日

 会社法における「休眠会社」の定義は,「株式会社であって,当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」(会社法第472条第1項)である。

 したがって,来年あたり,休眠会社の整理の手続が行われそうである。

 すなわち,平成26年10月1日に「会社法第472条第1項の届出の公告」がされ,同年12月2日付けで解散したものとみなされることになるのであろう。

 しかし,12年毎の整理でよいのであろうか。

 次回の手続にしても,平成14年10月1日の時点でぎりぎり5年を経過していなければ,除かれているわけであるから,おそらく最長では「17年」近く経っているものも含まれているであろう。

 次々回の手続が,さらに12年後の平成38年であれば,最長では「24年」近く経っているものも含まれる計算になる。

 予算と人員の問題もあるであろうが,商業登記が公示の制度であり,「商号,会社等に係る信用の維持を図り,かつ,取引の安全と円滑に資することを目的」(商業登記法第1条)としているのであるから,20年以上も登記をしていない株式会社が数多存在することは,看過できないと言わねばならないであろう。

 取締役の任期が最長10年となったことから,短い期間を置いて休眠会社の整理を行っても,対象となる会社は,昔に比べれば多くはないかもしれない。

 しかし,上記のとおり,商業登記が公示の制度である観点から,長期に渡って登記をしていない株式会社が存在することになる事態は,厳に避けるべきであり,せめて6年毎ぐらいで,「株式会社であって,当該株式会社に関する登記が最後にあった日から12年を経過したもの」の整理の手続を行うべきではないだろうか。

cf. 「株式会社の経営者の方へ--休眠会社整理のお知らせ」(平成14年)
http://www.moj.go.jp/MINJI/minji45.html
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