地域住民に愛される「本谷昭和橋」は昭和2年に架橋。美しい3連めがね橋。
宮崎県日向市富高川上流、本谷地区に架かる秀麗な3連の石橋は、門川町の石工 小山宇太郎によって設計・施工され、多くの住民が作業に加わったそうです。(写真は守田陽子さん撮影)
橋長17.2m、幅員2.8m。現在も現役のめがね橋です。
小山宇太郎は、鹿児島県川内市で石橋づくりの修行したと言われています。
2重に積んだアーチを支える橋脚は細くなっています。橋面を低く保ち、また、偏平なアーチを避けるためにわざわざ3連にしたものと推測されます。要石の上はすぐ橋面となっており、土被りの部分が薄いことも特徴です。(土木遺産in九州のホームページより)
使われている石は、隣の門川町産、阿蘇溶結凝灰岩(門川石)が使われていると言われています。
この地区では、住民達がみんなで「春には菜の花、夏にはひまわり、秋にはコスモスを植えているよ。橋の写真撮るなら、花が綺麗な時期に連絡を入れるよ」とおっしゃっていただきました。地域の宝もののように、話してくださったことが今でも印象に残っています。
(感想)
90年以上も地域の人達に利用されている本谷昭和橋。架橋時にこの本谷地域の方も作業に参加されたことと思います。その子孫達がまた橋をともに生きていることに、地域で生きていくということを改めて考えさせられました。橋や神社が地域の絆のシンボルとして、今後もこの橋が末永く残っていくことを願いながら、橋を後にしました。