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サバイバル時代の起業のススメ

2014年09月16日 05時05分46秒 | 合同会社アシタネプロジェクト

Kumamoto

9月12日(木)の朝、知人からフェイスブック経由で、講演会参加への依頼があった。頼まれたことは基本的に断らない私は、即座にOKと返事を返した。その講演会というのが、みやざきスタートアップセンター主催 熊本浩志氏(宮崎市出身)講演会「サバイバル時代の起業のススメ」

講演会では、起業家に求められるスピリット、国際情勢と日本の立ち位置と展望、価値を創り出したビジネスモデルの意味づけなどについてお話いただいた。心に残った講演内容をまとめてみたい。

(1)起業家スピリットについて
「消費が飽和したこの時代に、つぎつぎと新しい価値を提供し、人々を熱狂させる商品や事業を生み出すその背景には何があるのか?」とちらしに書かれたあったが、消費者が何を求めているのか、時代が何を求めているのか。そのニーズの3歩先を読み、1歩先を狙う。

ニーズを読む力は、ある意味では年齢や経験が逆に邪魔をすることになる。つまり、大手企業ではできないスピード感と利得権益に縛らない自由度が、次なる価値を生み出しやすくなるという。昔から、地域を変えるのは「よそ者、若者、バカ者」と呼ばれる所以であり、起業家の資質ではないだろうか。やったことが無いことをやる価値、できなことをやる価値が起業家スピリットだという。

日本では失敗すると、失敗者としての烙印が押されるが、海外ではその経験を活かして次に繋がるという経験値を買ってもらえる。失敗してやりなおした人が最後に勝つ。どれだけのムーブメントとしての「種」を持ち、どれだけ挑戦したかが新しい価値ではないと氏は語る。

(2)ユーザーファースト「UX(ユーザー・エクスペリエンス)」の時代を迎えて
体験価値がすべての起点になる・・の話の中では、i-phoneを例に上げ、無料で端末を提供することにより、端末というインフラを通して、さまざまな経験や価値を提供して利益を上げているビジネスモデルの話。

この他にも、原宿のポップコーンの長蛇の列ができるという不思議。ポップコーンという新しくないお菓子の新しい価値を与えること、AKB48に代表される新しいアイドルのつくり方。これまでは育てて売り出すという手法であったが、現在では、素人を磨き上げる(プロトタイプ=ベータ版、未完成品)の磨き上げていく過程(プロセスを公開)を売ることで、CD・DVDが売れていく手法が社会現象となっていることを説明。評価してもらえる仕掛けをつくることが大切とのこと。

(3)デザインは社会の価値づくり、産業のフレームをつくる手段である。
短いフレーズではあるが、今を言い当てていると感じた。

(4)共創ではなく協創という考え方。それは編み出すということ、解いて編む過程であること、完成しないから価値があり、変えることに価値がある。

(5)イノベーションの請け負うということ。
かつてソニーは、井深氏と盛田氏によって創業され、革新的な価値のある商品を提供してきた。創業時から他社の採用実績が無いものを引き受け、実験台としてさまざまな商品を提供してきた。現在ではどうだろう。失敗への怖れ、経営のスピード化により、実績のあるものしか引き受けなくなった。偉大なるモルモット企業かつてのソニーについて話を聞いた。

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(6)これから先の20年。
東京ではコンビニ店や居酒屋で働く日本人が少なくなった。これからもっと外国人の流入が増えてくるのではないか。ロボット化も進んでくる。日本に「技術」こだわることなく世界のトレンドを見ながら、自分達で新しい価値をつくっていくが大切。富士山よりエベレストという考え方。

(7)あらゆる現象やモノづくり、仕組みづくりにカルチャーがある。 これを抜きにしては、何事も語れない。発想の中に、日本や世界の歴史や背景、人間感がある。

考えて見ると、日本の歴史も過去への否定、古い価値を破壊し、新しい価値を生み出し発展してきた。また、さまざまな外国の影響や思想などを消化し、独自の文化を産み出してきた日本。極東の日本がさまざまな文化を消化し、新しい潮流を創り出す力が、これからの時代を産み出していくパワーになるのではと思う。先の読めない時代、身近なところで新しい価値を産み出していくことが大切であろうと思う。がんばろう日本!と熱い気持ちになった講演会であった。