所属する会で、災害ボランティア活動グループのリーダーをしている。5日に会内研修があり、7月より講師を探していたが、防災週間ということもあり、講師が見つからなかった。
そして急遽、私が講師をすることになり、準備を進めた。これまで受講した研修や振り返りの中で、何か役立てることはないかと考える中で、準備の大切さを痛感したことがあったので、紹介したい。
(大きな爪痕を残した台風の被害、於:宮崎市)
平成17年の台風。宮崎でも大きな被害がでた。私の故郷、延岡市でも五ヶ瀬川が氾濫して、床上・床下浸水で、家具や家電品、自動車が水につかったという方が多かった。
友人のS君もそのひとり。何か手伝えることはないか、支援するにあたり、新聞や地域の方にどんな支援が必要かを調べた。その中で地元の人は動けない。なぜなら、ご家庭や親族の復旧作業のことで精一杯であったり、台風影響が少なかったにせよ、気持ちの整理がついていないように感じた。被災された方が必要としているのは人手と、気持ちが沈んでおり、不安が大きいことがわかった。
人づてに友人S君は、個人経営の自動車工場が、水浸しとなり、車は難を逃れたが、事務所はほとんどつかえない状態と聞いた。台風が通り過ぎた3日後、「よかったら、何か手伝いにいくけれど。どれくらい時間手伝いできる。どんなことでもする。昼飯は持参する」とだけ伝えた。友人は、気にかけていてくれたことを喜んでくれた。あと、当日必要なものを調べた。タオル、バケツ、スコップなど、手に持てる範囲で持ち込んだ。
当日がやってきた。車が邪魔にならないよう、タクシーで現場へとかけつけた。朝から、もくもくと手伝う。手伝いながら、友人は、台風の様子や事前に預かっている車を移動したことなど。話を聞きながら短時間のうちに、大きな影響があり、自然災害の恐ろしさを知った。また、今後の悩みなども聞くことも話してくれた。
夕方5時、まだまだ片付いてはいなかったが、ひと区切りつけた。友人に、何か必要なことができたら、連絡してくれと伝え、その日の作業を終えた。その後、自宅の復旧など落ち着いた同級生たちが、その後の片付けなどを手伝ったと聞いた。
その時は、特に本を読んだりした訳ではなく、自然に感じるところで準備をしたが、今考えてみると、講座などで学んだような支援が10年前にできていたのだと思った。もちろん、不足していことはたくさんあるけれど。それらは、防災士講座などで補える学習をしたので、今後は更に手厚い手伝いができると思う。改めて、事前準備が大切なことをこの経験を通して改めて再認識した。