67camper's Blog

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「I'm A Fool to Want You」について考える

2007-06-02 01:00:17 | jazz & vocal
Royal Flush/Donald Byrd
(Blue Note 4101)


 ファンキージャズを代表するトランぺッターと言えば,モーガン,バード,ハバードの3人が挙げられます。いずれもジャズメッセンジャーズのトランぺッターとして活躍した実績がありますよね。本日のアルバムは,このうちの一人、バードのカードゲームの”ロイヤルフラッシュ”をタイトルに冠したアルバムを取り上げたいと思います。バードのプレイヤー,コンポーザーとしての魅力を余すところなく発揮したアルバムと言えます。

 メンバーは盟友ペッパー・アダムスのバリトンにハンコック,ブッチ・ウォーレン,ビリー・ヒギンズのリズムセクションからなるクインテットです。従来のピアソン/ワトキンス/ハンフリーズからなるリズムセクションに比べるとかなり斬新さが増した感じの仕上がりです。バードのオリジナルブルースの"Hush"や"6 M's"のファンキーでグルービーなプレイは最も得意とするところですが、バードのオリジナルの"Jorgie's", "Shangli-la", ハンコックの"Requiem"の新主流派的なプレイもイカしています。さて本題の「I'm A Fool to Want You」です。トランぺッターのこの曲のバージョンとしてはモーガン/ケリー,アーゴのファーマー/トミフラが有名ですよね。ここでのバード/ハンコックの演奏も忘れてはなりません。思い切りスローでリリカルなプレイとブリリアントな音色はこのアルバムの最大の聴きモノですし,バラードですが、力強く、すがすがしささえ感じてしまいます。ヒギンズのブラッシュワークもいい味を出していると思います。3バージョンのtp/pの組み合わせは両者のブレンド感が絶妙でこれしかないという人選だと感心してしまいますね。

 所有盤はNew Yorkアドレスのモノラル盤です。フエゴと同じく職場の先輩が捨てようとしたところを戴いた代物です。拾い物のバード,宝物ですね。