do-re-mi/Bobby Troup
(Liberty LRP3026)
ROUTE66はご存知のとおりシカゴからLAまでの地名を読み込んだ歌詞が印象に残る佳曲です。勿論,現在でもこのルートは存在していますよね。白地に黒で66を抜いたカーバッジやステッカーは誰も一度は見たことがあるのではないでしょうか?ゆっくりとVWでキャンプしながら走ってみたいルートですね。この曲のボーカルはナット・キング・コールのものが有名ですが,この曲を作ったのが本日スポットを当てるボビー・トループです。彼はマルチなタレントぶりで,アメリカでは非常に知られた存在です。ダンサー,ピアニスト、歌手、司会者,俳優といろんな肩書きがありますし、ジュリー・ロンドンの夫でもありますよね。このトループはマット・デニスと肩を並べるくらいの弾き語りの名手でもありますが、今日のアルバムはウエストコーストジャズメンの粋なバッキングにのった彼のボーカルを楽しめる一枚です。
バッキングはRed Norvo(vib), Buddy Collette(as, ts, cl, fl), Bobby Enevoldsen(tb, bcl, ts), Jimmy Rowles(p), Al Viola(g), Mike Rubin(b), Don Heath(ds)のセプテットです。トループのボーカルはソフトでイキ,都会的センスに溢れており渋い一枚に仕上がっております。サイドAのタイトル曲"Do-Re-Mi"ではノーボのバイブが活躍しますし,2曲目の"Baby, Baby All The Time”の優しく,哀しくそれでいてソウルフルなボーカルはA面の聴きモノです。トループの名を最初に知らしめた"Daddy"もA面ラストで聞かれます。そして話題の"Route66"はB-1に収録されています。作詞作曲者ならではの好唱はナット・キング・コールと甲乙つけ難い魅力がありますね。
所有盤は,リバティ,ターコイズのオリジナル・モノラル盤です。コーティングの効いたバーガンディのカバーが美しいですね。