Blue City/Isao Suzuki Quartet+1
(Three Blind Mice tbm-2524)
(Three Blind Mice tbm-2524)
和製ジャズ,オリジナル盤重視の方々にはあまり興味が薄いジャンルかもしれませんが、多分,自分の和製ジャズ第1号がこのアルバムですし,ジャパニーズインディーズとも言うべきスリーブラインドマイスを知ったのもこのアルバムでした。自分にとっては何度聴いても感動を呼ぶ作品です。
このアルバムに付いては、何度も他のアルバムの中でコメントに使いましたし,オマスズの決定的名演”Play Fiddle Play"は皆さんそれぞれ思いがあるのではと推測いたします。メンバーはリーダー,鈴木勳(b, cello), 渡辺香津美(g), 菅野邦彦(p), 井野信義(b), 小原哲次郎(ds)の五重奏団です。オマスズはブレイキーのバンドでベースをつとめたようですが、この後帰国して吹き込まれたのがこのアルバムです。オマスズと言うとB-1の”Play Fiddle Play"で聴けるボウィングとオクターブでハミングするベースプレイで有名ですが,日本で初めてこのプレイが収録されたのがこのアルバムらしいのです。この奏法は古くはSlam StewartやMajor Holly Jr.の演奏に準じる物なのでしょうが、この曲の哀愁のあるテーマと相まり抜群の効果を上げていると思います。この曲の菅野のピアノ,そしてオマスズのハミングのバックでコードストロークを入れる渡辺のギターがすばらしい。香津美のギターの出だしはKenny Burrellさながらですね。A-1の菅野のピアノが活躍するBody And Soul, オマズズのオリジナルA-2の”45th Street"の魅力あるテーマ、歌心あふれるcelloも聴きモノです。
トシコやナベサダのようなビッグネームではないし,日本ジャズの歴史を変えるような作品ではないですが,個人的に和製ジャズの最高傑作として挙げたいアルバムです。こういったアルバムを制作してくれたThree Blind Miceにも拍手を送りたいですね。