Cannonball's Bossa Nova/Cannonball Adderley and the Bossa Rio Sextet
(Riverside RM455)
(Riverside RM455)
ジャズサックス界でのボサノバと言うと何と言ってもスタンゲッツの成功例があげられますが、ソフトなトーンのゲッツが本当にボッサのテイストにピッタリで非常に好ましい出来でした。また,ジョアン,アストラッド,ジョビンの参加もあり好セールスを生み出したのは皆様ご存知の通りです。さて,アルトサックスではというと、やっぱりこのキャノンボールとセルジオ・メンデスの共演に尽きると思います。朗々と鳴るアルトで美しいボサノバナンバーを奏でるキャノンボールとホレス・シルバーを追求していたというセルメンとの相性はこれまたすばらしいモノがありますね。
メンバーはキャノンボールとセルメンのBossa Rio Sextet【Sergio Mendes(p), Durval Ferreira(g), Octavio Bailly Jr.(b), Dom Um Romao(ds), Pedro Paulo(tp), Paulo Moura(as)】の共演です。Ferreiraの乾いたbossa guitarとRomaoのカツカツというリムショットにのって始まる,Ferreira作のA-1の"Clouds"でのキャノンボールのストレートアヘッドに鳴らしきるアルトサックスの音色にjazz fanならニンマリすること間違いなしです。A-3のジョビン作 の"Corcovado"のリリカルな吹奏も素晴らしいですね。サイドBではB-2セルメン作の"Groovy Samba"でのセルメン自身のピアノソロもノリにノったソロで聴きモノです。B-3,もう一つのジョビン作の" O Amor Em Paz"でもキャノンボールのふくよかな低音をイカしたアルトソロが絶品ですね。
Cannoball's Bossa Nova/Julian 'Cannonball' Adderley & Sergio Mendes
(Fontana SFON-7085 jp. reissue)
リバーサイドのブルーレーベル、シルバーロゴのモノラルオリジナル盤でキャノンボールの息継ぎが聞こえてきそうな素晴らしい録音です。上は,国内再発盤のカバーですが、やはり、リオの象徴・コルコバードの丘を捉えたショットが使われたオリジナルカバーが断然いいですね。