Trombone For Two/Kai Winding And J.J. Johnson
(Columbia CL742, CBS Sony reissue)
(Columbia CL742, CBS Sony reissue)
同一楽器のバトルプレイはテナーサックスのバトルが何と言っても有名ですが,トロンボーンバトルに目を移すと,これ以上のモノはないと言えるのがJ.J.JohnsonとKai Windingのバトルでしょう。アレンジの効いた曲を,両者が掛け合うわけですが,テナーと違いボントロではカップミュートを付ける吹奏もアルわけで,演奏は更に多彩です。トランペットのような速いプレーズを吹くJJとやや太めのトーンで低音中心に迫るカイの基準で大体の区別はつくのですが、コロンビア時代の演奏はモノラルリリースが多く、タコ耳の67camperにとっては更に両者の聞き分けを 難しくしています。インパルスの録音が有名ですが,こちらはステレオでバトルの魅力を充分に伝えていますが,コロンビアの一連のバトルLPはモノラルながらニヤッとさせるような秀逸なカバーを持った物が多く,やっぱり音が伝えられないブログではカバー優先のアップロードを考え本日はこれにしました。
55年の録音で、J&K(tb), ジャズ・プロフェッツで知られるディック・カッツ,ベースにポール・チェンバース,ドラムにオシー・ジョンソンの五重奏団の演奏です。収録曲ではA-1の"Whiffenproof Song"で幕を開けます。ジャズでは取り上げられることは少ないですが,エール大学の学生歌に採用された佳曲です。この曲だけでJ&Kのコンセプトが理解できるような演奏です。続く"Give Me A Simple Life"は気の効いたボーカリストがたまに取り上げる曲ですがスィンギーなバトルは彼らならではですね。Aラスのタイトル曲"Trombone For Two"はカイのアレンジでワルツタイムからフォービートにうつる構成が売りですね。B面のトップはベイシー風の"It's Sand, Man"ではカッツのベイシーそっくりのピアノがいいですね。ゴードン・ジェンキンスの"Goodbye”はグッドマンの演奏を彷彿とさせるアレンジが効いています。
所有盤はCBSsonyの再発国内盤ですが、色合い,二人のフォトを両側に均等に配したカバーが秀逸です。比較的地味なアルバムかも知れませんが,J&Kのアレンジ,演奏のコンセプトが良く現れた好盤と思います。