One For Fun/Billy Taylor
(Atlantic 1329, jp reissue)
(Atlantic 1329, jp reissue)
Summertimeと言う曲,言わずと知れたオペラ”PORGY AND BESS”で最も知られたあの曲である。ジャズではエラとサッチモ,レイ・チャールズとクレオ・レーン、サミーデイビスとカーメン,インストではマイルス,コルトレーン,MJQなど幾多の名演がありますし,ロックファンにはジャニス・ジョプリンのバージョンも良く知られていますよね。地味かもしれないですが、本日アップのビリー・テイラーのバージョンは、とりたてて凄いプレイではないのですが,中庸,リラックス,スウィンギー,リリカルなどこんな言葉が全て当てはまってしまうようなテイラーのピアノスタイルを余すことなく示したトラックだと思います。なるほどこのアルバムのA-1の好ポジションを与えられていますものね。こんな演奏を発見したときに,ジャズ聞いててよかったなあなんて思い返すのがジャズファンの密かな楽しみかも知れません。
メンバーはEarl May(b), Kenny Dennis(ds)からなるトリオです。以前の"The New Billy Tayor Trio"のログでも述べましたが,旧知の左利きベーシスト,アール・メイのピチカートもききものです。サマータイムについては上で述べたが,A-2のタイトル曲、A-5の"Blue Moon"でこのメイの強靭で小気味良いピチカートが聞かれます。B面のMakin Whoopie, Poinciana,でのリラックスしたプレイも良いですね。
Greatestという訳ではないですが,数々のジャズアルバムのライナーノートも手がける知性派テイラーの好プレイが聞けるアルバムです。所有盤は国内再発盤ですが木立にたたずむテイラーを捉えたカットもいい感じです。