Max Roach+4/Max Roach
(Emarcy MG36098)
(Emarcy MG36098)
50年代を代表するドラマーと言えばやっぱりブレイキーとマックス・ローチでですよね。一連のブラウニーを加えたエマーシー盤の素晴らしさはローチ/ブラウンの双頭コンボがこの時代を代表するコンボであったことを如実に示す記録です。ブラウニーを亡くしたローチのグループには2人の強力なフロントライン(ドーハム,ロリンズ)を加えてマイルスバンド,ジャズメッセンジャーズの向こうを張って一時代を作ったと言えるのではないでしょうか。
メンバーはローチに加え「+4」にKenny Dorham(tp), Sonny Rollins(ts), Ray Bryant(p), George Morrow(b)の5重奏団です。サイドA、1曲目の急速調の"Ezz-Thetic"から納得のプレイが聞かれます。豪放磊落,ビッグトーンでスムーズなアドリブを展開するロリンズ,やや詰まりかかったような独特の美しい音色のドーハム,スウィンギーなレイとあらためてこのアルバムのメンバーの良さを感じてしまいます。続くローチとのチェース,そしてマシンガンを思わせるローチのドラミングが圧倒的です。3曲目の"Just One Of Those Things"のテーマの後に無伴奏で出てくるロリンズが最高です。このころのふっきれてアドリブに没頭するロリンズ!いいです。自分が一番すきなのはB-2の"Body And Soul"です。レイのイントロに導かれてテーマを吹くロリンズ。ザラッとしたホーキンスを思わせるトーンが実に良い!次のドーハムの音色,そしてレイの訥々としたピアノを経て,ドーハムの奏でるテーマに行きロリンズがカデンツァ気味に締めくくっていく演奏です。この曲のベストバージョンとも思える演奏です。
所有盤は赤ラベルのマーキュリーの再発輸入盤ですが、結構分厚い音でとれていてドーハムの美しさ,ロリンズのざらついた音色を充分に楽しめますね。でもエマーシーのオリジは凄いんだろうな!一度聞いてみたい!!!