ネコたちは、ギリギリになるまで老いた姿を見せることはない。彼らの様子に変化があったなら、それこそ瞬く間に終局に至ってしまう。彼らには、そこまで持ちこたえるための、とてつもなく強靱な生命力が備わっているとしか言いようがない。私など、二日酔いや風邪気味というだけで、朝起きられないのに。
ヒトは彼らと違い、年を経るにしたがって老いの色を濃くしていく。どんなに頑張っても若さを維持することはむずかしい。まして生き物である限り、若さを取り戻すことはIPS細胞の助けでもなければ不可能だ。とはいえ、本音は、ハードなメークをしてでも、十歳程度なら若返って、町を歩いたり知人たちから羨望のまなざしを向けられたりしたい。
なかには、限りなく若くなりたい方がいるかもしれないが、三十も四十歳も若くなったら、係累・縁者たちから気味悪がられるのは間違いない。そうなれば、はるか遠くの、誰一人、ネコ一匹もいない土地に移住するしかない。ここにいたくない方にはおすすめか。
私としては、日々、ウォーキング程度の軽微な体力作りに励んで、次の還暦を迎えるまで現在の若さを保ちたいと思っている。なんと強欲な。(2014.10.16)