黒猫 とのべい の冒険

身近な出来事や感じたことを登載してみました。

カジノロワイヤル ド ネコジャン

2014年10月23日 15時02分48秒 | ファンタジー
 
 ヒト国で、今、話題のカジノ新設、賭博解禁の件。
 ヒト国では、カジノという賭け事をする店に馴染みはない。賭け事好きは、甲斐性のないぐうたら男の異名とされるほど嫌われている。
 一方、近隣のネコジャン国の賭博場には、カジノロワイヤル(賭博場・王室)という由緒正しい看板を掲げる店がある。つまり、賭博と王室は同じくらいの権威とはかなさを持ち合わせているわけだ。もしもヒト国で、「賭博場・天王家」などという看板を掲げた店を作ったりしたら、世間からどれほどのひんしゅくを買うことになるか。
 そもそも、ヒト国では長きにわたって、賭博は刑法により取締りの対象になる違法行為とされてきた。例外なのは富くじのほか、競輪、競馬などの駆けっこものだけ。パチンコ、賭け麻雀は常識の範囲内なら目こぼしされるが、ふわふわのソファーにふんぞり返ってサイコロなどの得体の知れない道具を優雅に使うことや、どんどんエスカレートしてヒトの生き死にまで賭けの対象にすることなどは、不道徳きわまりない悪行なのだ。それらの多くを適法とするかつてない重大な刑法改正の必要理由というのが、ただの経済政策とは、何ともお粗末。
 肝心の自国の文化と賭博との折り合いについてしっかりとした議論を省略し、賭博場への自国民の入場制限だとか、依存症に陥った者のカウンセリングをどうするかとか、バクチありきの議論ばかり巷を覆い尽くしているのは狡猾な世論誘導と言わざるを得ない。
 なかでも賭博を合法化しておきながら、自国民への影響を考慮して入場制限するという案は、ヒト国が法治国家でないことを宣言するようなものだ。それとも賭博場に治外法権を付与しようというのか。いずれにしても、民主主義を掲げるヒト国では、原則的に、どのようなヒトも差別されることなく国民の権利を享受できなければならない。
 さらに、たとえ自国民が堕落を免れたとして、外国のネコやオオカミたちを不幸のどん底に落とすのはヒト道からはずれることにならないだろうか。それとも古への維新政府のように、ヒト鳴館を復活して、外国におもねるつもり?(2014.10.23)


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