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2017.10.1 『夕張岳』(1,668m)  今度は金山から

 9月最終日の土曜は私が通常出勤で、

Hiromiが休日出勤し、その代休が2日(月)と決まっていたので、

私もそれに合わせて3月の時点で既にこの日休みを入れていた。

であるから、今回は日~月で山旅を楽しんだ。

 

 30日(土)の終業後、Hiromiを拾って金山へ向かった。

もう日が短くなり、午後6時前に家を出るのだが、その時点で真っ暗だ。

占冠を過ぎたところで適当な場所を見つけ車中泊。

喉がカラカラの私は、その時点でようやく待望のビールにありつけるわけだ。

 

 10月1日(日)の朝車をスタートさせて金山へ。

金山から『夕張岳』の登山口目指して車を走らせると、

登山口の2km手前でロープが張られ、通行止め。

しかもそこには単に「通行止め」ではなく、

「通行禁止」と、より強い強制力を持つ言葉が貼り付けられていた。

昨秋の台風襲来による林道決壊のためだ。

1週間前に大夕張から林道をMTBで走行して『夕張岳』に登ったので、

当然金山コースも林道決壊箇所があると予測し、

今回もMTBを積んで出かけた。

2kmくらいの林道歩きはたいしたことないのだが、

実際にMTBで走ってみると、「ああ、MTBを積んできてよかったあ!」と思える。

退屈な林道はMTBで走破するに限る。

 

 「通行禁止」のロープが張られた地点は林道の分岐地点でもあり、

広いスペースに車が10台は止められそうだ。

しかし、この金山コースには殆ど人が来ない。

長くきついコースだということをガイドブックで知っているからだろう。

そんな私もここから登るのは3度目。

Hiromiは初めてだ。

駐車地には先行者と思われる練馬ナンバーの車が一台止まっていた。

 

 6時35分、MTBで駐車地をスタート。

この林道は大夕張の鹿島林道よりはるかに走りやすかった。

Hiromiが一度もMTBから降りることなく快調に走って、

6時50分、登山口。

ここで尾根の突端に付けられた登山道に入る。

そしてそれは誠に素直に尾根筋に沿って付けられている。

いきなり傾斜のきつい登りとなり、

それが傾斜を落として休ませてくれることなく、グイグイ高度を稼ぐ。

尾根の頭から斜面のトラバースに入ったあたりで、

一旦視界が開けるのだが、「もうこんなに登ったの~?」という感想を抱かせる。

それでも容赦なく続く登り。

そして標高が1,000m前後となると、紅葉が美しい。

前を行くHiromiを紅葉背景で随分写真を撮った。

「前を行く?」、そう今Hiromiは私の前を歩く。

登るスピードが、とうとうHiromiに追い越されてしまった。

しかし下るスピードは私の方がはるかに速いので、

全行程で比較すると、まだ私の方が速い。

そんな強がりを言ってみてもねえ、とにかく追い越されたわぁ、弟子に!

致し方ない、加齢には勝てないわぁ~

そんな力の差を自認するHiromiは迷うことなく前を歩く。

 

 きついが美しい紅葉の中を登り続けて、

8時50分、『小夕張岳』。

この鋭角でそそり立つピークに立って初めて『夕張岳』を目にすることができる。

その距離はまたまだ遠い。

そして深いアップダウンが待ち構えている。

ちなみにこの『小夕張岳』の標高が面白い。

「1,234m」と、数字がきれいに並んでいる。

 

 『小夕張岳』を越えると、「まだ下るの?」と言いながらも尚下る。

ここが両山間の最低標高か? と思われる地点からはまたゆるぎない登りが続く。

『小夕張岳』までは下草の低いきれいな登山道だったが、

この辺りからはけっこう笹が被っていて足元が見にくい。

そして視界が開けると、北に『芦別岳』を中心とした夕張山地の山々が美しい。

特に『夕張マッターホルン』がすごい迫力だ。

そんな景色に見とれながら『夕張岳』の北側をトラバースして大夕張コースとの分岐に至る。

その合流点から素晴らしい山風景を背に、

『夕張岳』頂上へ最後の登りだ。

 

 10時55分、『夕張岳』頂上。

登山口から4時間5分を要した。

以前に登ったときは3時間半。

ここでもまた「体力測定登山」の結果、やはり衰えていることを確信。

それにしてもそんな小さなことはどうでも良いと思わせてくれる絶景が広がる。

更に、そこには誰もおらず、我々二人だけ。

金山コースで先行していた男性は、スタートして1時間も経たないうちに追い越した。

その男性が遥か下の登山道を歩いているのが見えた。

ゆっくり昼食を摂り、12時下山を開始。

快調にどんどん下る。

そして『小夕張岳』への登り返しだ。

往路で想像していた通りのきつくて長い登り返し。

やっとの思いで登り返して、

13時、『小夕張岳』。

スポーツドリンクをゴクゴク飲む。

しかしこれでもうきついところはなく、

あとはまた紅葉を楽しみながら淡々と下るだけだ。

淡々と長い下りを終えて、

14時30分、登山口。

そこからまたMTBに乗り、勢いよく走り抜け、

14時40分、駐車地。

約8時間のきついが実に楽しい山旅を終えた。

 

 帰宅して送ってくれたHiromiのGPSデータによると、

この行程での累積獲得標高が「1,832m」だった。

きついはずだ。

自分の感覚では1,600mくらいかと思っていたが、1,800mを超えていたとは・・・

 

MTBを屋根に積み上げ、林道をゆっくり走って人里に戻るのだが、

ここに鉄柵が現れる。

本州の方はお分かりにならないだろうが、これは鹿を防ぐもの。

山からエゾシカが農地に下りてきて、作物を食い荒らす。

そんな食害を防ぐ目的で大規模に柵が施されている。

従って、通行を妨げるものではないので、扉を開閉して自由に往来できる。

 

 金山湖に移動して入浴し、翌日までその場にとどまる予定だったが、

天気予報をチェックすると翌朝は雨とのことだったので、

日高町まで移動して車中泊をすることにした。

 

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2017.9.23 『夕張岳』(1,668m) 大夕張から体力測定登山!

 今回の土日は土曜日だけの山行だったが、

土日とも夕方から夜にかけて「サイゼリヤ」でワインを楽しんでいたため、

ブログのアップが遅れてしまった。

 

 今回の山行は一人だったので、変わったところに登ってみようと、

金曜の終業後、『夕張岳』登山口に続く鹿島林道のゲート近くまで走って車中泊。

このところHiromiと二度にわたり、

ここで車中泊をして『夕張岳』を目指そうとしたが、

いずれも朝起きると雨に見舞われ、別の山に変更した。

今回は三度目の正直。

ただ、目指そうとしたのは『滝ノ沢岳』だ。

『夕張岳』への登路で、以前は「望岳台」から明瞭な踏み跡が『滝ノ沢岳』に向かって伸びていた。

しかし今回登ってみると、それは濃いブッシュの中に吸い込まれてしまっていた。

 

 鹿島林道ゲートの手前約1kmの駐車地を、

5時35分、MTBでスタート。

5時45分、林道ゲート。

林道に入るとまず倒木!

先日北海道を縦断した台風のせいだ。

 

それから倒木、倒木、倒木に遮られ、

MTBを押したり担いだりで、さっぱり進まない。

そんな中、面白い立て札に目が止まった。

携帯電話、スマートフォンの電波状況を伝えるものだが、

それによると「au」も「Softbank」もつながらず、

「docomo」だけが通話可能と書いてある。

こんな案内板を見たのは初めてだし、なんで「docomo」だけなんだあ・・・?

かつて山では「au」の電波状態が一番良いとされ、

山登りをする者はこぞって「au」に切り替えたものだ。

私も当然「au」だ。

時代が変わったのねえ・・・

 

 MTBによる林道走行はなかなかきついものがあった。

林道というのは車が走ると当然路面がいたむが、

全く車が走らなくなってもいたむもので、

ガタガタ、ゴツゴツに加え、台風到来時に豪雨で林道が川と化した部分が有り、

そこには砂状の土砂がたまり、その上に流された木の枝や枯葉が積もる。

ペダル踏みに耐えかねて、MTBを押して歩く場面も多々。

しかし、Toshiによれば片道8.3kmあるというこの林道を、歩くよりは速い。

今から数年前にも林道が閉鎖された1年間があり、

そのときは歩いて『夕張岳』頂上を往復した。

  7時15分、登山口。

林道を開放していた頃、この登山口の駐車場が満車になり、

最大60台ほどの車をカウントしたことがある。

駐車場に入りきれない車が、延々と林道脇に止められていた。

  久しぶりの「冷水コース」はこれまでと何も変わることなく迎えてくれた。

思えば5年ぶりくらいになるのかもしれない。

登って行くと、標高1,000m前後で辺りの広葉樹が紅葉に変わった。

今回それは期待していなかったので、ラッキーっ!

なかなか美しい紅葉を楽しみながら、

8時40分、「望岳台」。

ここで『滝ノ沢岳』への登行を諦め、『夕張岳』を目指すことにした。

そして「体力測定登山」に切り替えた。

帰宅して記録を調べると、この日が大夕張コース15回目の登行であった。

そういう慣れたルートを歩くと、今置かれた自分の体力を確認でき、

今後の山行を組み立てていく上で大いに参考になる。

ただ、「望岳台」から先は濃いガスと強風で何も見えない。

つまらない中を黙々と歩き、

10時ちょうど、『夕張岳』頂上。

そこには「夕張ヒュッテ」で前泊された「200名山」狙いの横浜の方がひとり、同時に到達されていた。

「100名山」、「200名山」なぞには全く関心のない私は、

『夕張岳』が「200名山」なるものに入っていることを初めて知った。

 

 何も見えない頂上には、登山口から2時間45分かかって到着。

この日帰宅して調べた過去の記録は登山口から頂上まで、

2時間7分、9分、11分・・・ などと続く。

2時間半を超えると体調が悪いとき、としていた。

しかし、63歳になった今の私の体力では2時間45分である。

衰えたことを素直に認めざるを得ない。

ただ、登れなくなったわけではなく、登るのに時間がかかるだけ。

今後は各山域での行程に、予定時間を多めに取らなくてはならない。

そう言った意味では誠に貴重な一座となった。

 

 下山も上部では何も見えず、何もお知らせできない中を淡々と下り、

再び「望岳台」まで戻るとガスが晴れ、

登るときには見えなかった『滝ノ沢岳』が美しい姿を現した。

その後また紅葉を楽しみながら下り、

12時35分、登山口。

ここからMTBなので気が楽だ。

そして往路で感じた上りよりも、林道ゲートを目指す下りは激しい。

ガタガタ、デコボコの林道路面を、とにかく下って下って、

もうブレーキゴムが擦り切れるんじゃないかと心配になるほど、

握るブレーキレバーに力が入る。

 

また、不思議なことに登りで苦労した倒木が一本も残っていない。

とうやらこの日の午前中、

所轄の「空知森林管理署」が全てを撤去してくれたようだ。

 

 13時15分、林道ゲート。

13時20分、駐車地。

繰り返すが、現段階での自らの体力を把握する上で、大変有意義な山行となった。

 

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2017.5.21 『北の峰』(1,084m)

  日曜の朝、富良野市4線川沿いの車中泊地で目覚めると、

前日に続いてまた素晴らしい青空だ。     

しかし、すぐにスイッチオンするNHKラジオの天気予報では、

曇りがちで気温が前日より低いとのこと。

それでも前日の暑さを思うと短パン山行以外考えられない。

増してこの日は富良野スキー場を登る。

前日は新富良野スキー場、この日は隣の富良野スキー場を登るのだ。

スキー場を登ることをよしとしない人は思うだろう、「なんてつまらない登山」と。

ところが我々は広いスキー場が大好きで、

あちこちのスキー場を登ってきた。

その中でも富良野スキー場は特に素晴らしい。

作業道の利用も含めて、大変変化に富んだ山歩きを楽しめる。

 

 日曜の朝6時35分、富良野スキー場の駐車地をスタートした。

広くて緑が美しい斜面を登って行く。

この斜面には広くワラビが自生するのだが、

今年は雪融けが遅かったようで殆ど生えていない。

増毛山地では小雪だったのだが、夕張山地北部や十勝連峰では雪が多かったようだ。

 

 最上部のゴンドラ駅までは、殆ど作業道を進む。

急斜面を登ってもいいのだが、石ころが多く、大変歩きにくい。

作業道からはところにより、素晴らしい立体感のある風景を楽しめる。

増して季節は新緑の頃、様々な緑が美しい。

ただ、ブヨではない吸血昆虫にHiromiが脚を3箇所刺され、プクッと腫れてしまった。

どうやらHiromiもまたToshiと同じようにアレルギー体質のようだ。

兄妹揃って大変ねえ~

私はと言えば、そういう虫に対する耐性が備わっているので、

刺されても噛まれても何も感じないし、刺された皮膚に変化が起きることもない。

長年の間にそういう耐性が備えられたのだと自負している。

  周囲の景色を楽しみながら登って、

8時5分、ゴンドラ終点駅。

ここまで登ると富良野盆地の眺めが素晴らしい。

見下ろす富良野市の向こうには十勝連峰が雄大な姿を見せるが、

前日同様空気に透明感がなく、もやがかかったようだ。

 

 Hiromiが疲れているようなのでゆっくり休み、頂上へ最後の登りだ。

そしてここからようやく登山道となる。

この登山道を登って行くと、背に富良野盆地と十勝連峰の雄大な風景を背負うこととなる。

それは「見事!」と言うしかない。

そんな絶景を背負いながら登り、

8時25分、『北の峰』頂上。

頂上に立つと同時に、目に飛び込んでくる新たな風景!

前方に『富良野西岳』の美しく迫力ある姿だ。

その姿に思わず見入ってしまう。

  頂上で記念撮影をしたあとは、新富良野スキー場に下る。

そして富良野スキー場と新富良野スキー場の連絡斜面を伝って、富良野スキー場に戻る。

こんなルートを組むことによって、また違った風景を楽しめる。

Hiromiが思わず、「面白いですねえ~」

「だべえ~っ!」

 富良野スキー場に戻り、一周した起点に立つ。

それからまた作業道をとんとこ下り、

10時ちょうど、駐車地。

振り返ればたった3時間25分の山旅だ。

しかしその内容と登りごたえは、とても3時間半弱のものではない。

二人して大満足。

豊かな気持ちで汗を流すべく、ハイランド富良野に向かった。

  私が初めて「富良野スキー場」でスキーを楽しんだのが、中学一年のときだった。

この日歩きながらそのことを考えると、あれから実に50年である。

その後中学三年で、ゲレンデスキーに縄をグルグル巻いてシールの代わりとし、この頂上に立ったことがある。

歩行機能もないビィンディングでだ。

今考えるとよくやったものだ。

そうして昔から親しんできた『北の峰』は、

今でも登るたびに感動を与えてくれる素晴らしい一座だ。

 

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2017.5.20 『布部岳』(1,338m)

 

  もうそろそろ残雪を利用しての山歩きシーズンが終わる。

誠に名残惜しい限りだ。

この週末の土曜日は、そんな残雪歩きを楽しむべく富良野に出かけた。

 

金曜の終業後、いつものようにHiromiを拾って富良野に向かった。

もう日が長くなり、車で走っていてもその日の長さを楽しめる。

そして7時過ぎに富良野の車中泊地に着いてもまだ薄暗い程度で、

辺りの様子を目で見て確認できる。

ありがたい。

 

土曜の朝5時30分、

4線川沿いの駐車地をスタート。

スタートして間もなく感じた、「暑い!」。

陽は燦々と降り注ぎ、風もない。

短パンで歩きたいコンディションの中、新富良野スキー場の斜面を登って行く。

暑さのせいもあるが、なんだか妙にきつい。

下半身がひどくだるい。

出張から帰ったばかりのHiromiも疲れているようで、身体が重そうだ。。

我々が好む広いスキー場を、にぶくも淡々と登って、

7時10分、リフト終点。

ゆっくり休み、残雪の尾根に取り付く。

この尾根には『富良野西岳』への夏道が刻まれている。

ここは極力夏道に沿って登る。

ところどころで笹がむき出しとなっているので、そんな部分は夏道を利用して抜けなければならない。

 

  8時ちょうど、『富良野西岳』、「1,237mP」のコル。

ここから『富良野西岳』の仰ぎ見る頂上を左手に見ながら南進するのだが、

コルの雪が融け、丈が2m以上もある笹が思い切り立ち上がっている。

「こりゃあまずい」と思いながら突破口を探すと、

わずかに雪が残り、突破できる部分があった。

正にピンポイント!

帰路にそのポイントを見落とすと、面倒なことになる。

その後も融雪が進み、笹やブッシュがむき出しになった箇所には遭遇するも、うまくかわして進めた。

樹林帯を抜けると、突然眼前に『芦別岳』をはじめとする、夕張山地の名峰群がその姿を現わす。

その光景は実に美しく、うっとりと目を奪われる。

主峰『芦別岳』に寄り添うようにたたずむ『ポントナシベツ岳』、

その手前には『お茶々岳』と『松籟山』、それらの西には『中岳』の鋭峰と『シューパロ岳』が望まれる。

また、あまり知られていない『小天狗』の双耳峰も極楽平の向こうに頭を持ち上げている。

個々の山名を知り得ないHiromiだってうっとりだ。

そして目指す『布部岳』は間近だ。

やはり融雪が進んでおり、地形図上の頂上には立てそうもない。

そこでHiromiが「右のピークなら登れるんじゃない!?」。

なかなかわかってきたじゃないか。

『布部岳』は東から見ると、『夕張岳』のような形をしている。

頂上部が馬の背状で、ピークが南北に二つ存在する。

私の目では北側のピークが高く見えるのだが、地形図では南側のピークに標高点と点名が記されている。

  Hiromiの提案に従って北側のピークを目指し、急斜面に取り付いた。

雪がある程度締まっており、アイゼンを用意していないHiromiの下降が気がかりになった。

9時15分、『布部岳』北のピーク。

このピークからの高度感が圧巻だ。

そしてこのピークは私にとって4度目、Hiromiも3度目となる。

気に入った山の一つだ。

記念撮影をして下山開始。

心配した急斜面の下降は問題なかった。

それから二人して時折「暑い」と口にしながら、淡々と下る。

『富良野西岳』の直下からは4線川に下れば速いのだが、

この日はどうも私の疲労が激しかったので、忠実に往路を辿り、

10時55分、リフト終点。

ここで昼食にした。私は途中で摘んできた一握りのギョウジャニンを入れて「ネギラーメン」。

それができたところでHiromiに「ギョウジャニンニク食べてみるか?」と尋ねると、「いらな~い」。

なんでもニンニク系の臭いが嫌いなんだそうだ。

へぇ~、知らなかった。

 

昼食後、その辺で少々ギョウジャニンニクを摘み、またスキー場を淡々と下って、

12時55分、駐車地。

下ると気温が更に上がって暑い。

その分、屋根に上げて干した濡れザック、登山靴、スパッツ等の乾きが早い!

一旦「ハイランド富良野」まで走って汗を流し、

また同じ車中泊地に戻って、カンパーイ!

うっ、うめーっ!!

この日の“喉ごし生”は、また格別だった。!

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2017.1.29 『老根別山』(911m)

 昨日の朝「LARCH」を後にし、帰途で金山峠に寄り、『老根別山』に登った。

『老根別山』は道々の金山市街地を抜けて金山峠に向かうと、

間もなく正面に特徴ある大きな山体を現わす。

馬の背状の長い頂稜を持ったこの山を見ると、夕張の『鳩ノ巣山』を思い浮かべる。

我々としては帰り道に位置する誠に重宝する山だ。

しかもアプローチがなく、駐車地からそのまま入山できる。

 

 8時50分、駐車地をスタート。

西に登ってゆく尾根に取り付く。

ここで私はちょいと用足し。

その間に「この尾根をまっすぐ登って行ってくれ」とToshiとHiromiの二人に伝えた。

その後二人を追いかけることになるのだが、ここで誤算が生じた。

尾根を伝って行くと、間もなく古い林道と交差する地点がある。

私のルートはこの林道をまたいで、尾根筋に沿って上部へ進むのだが、

二人のトレースは林道に入り、そのまま林道を登って行く。

目の前に林道が現れると、ついそれを進んでしまうというのは、

いかにも素人っぽい行動だが、今回はそれが功を奏した。

見るととりあえずは林道が私の目指す方向と一致していたので、

どこかで修正して尾根の頭に上がれば良いと結論づけて後を追った。

ところがその後も林道は、忠実に尾根に沿って続く。

「これはもしや・・・」と、期待した通り通過予定点の「744mP」基部をかすめて更に上へと続く。

そこで二人に追いついて、間もなく「744mP」への急な斜面に取り付いた。

雪が深い上、傾斜がきついので辛い登行となる。

おまけにこの日は前夜の酒が残っており・・・

 

 9時50分、「744mP」。

ここから『老根別山』の迫力ある姿を目にすることになる。

そしてまた天気が良い。

今月は土曜日に晴れ模様となることが多かったが、

この週末はその土曜日が荒れ模様。

しかしこうして翌日曜には晴天となってくれるので感謝だ。

土日のいずれかこうして晴れて楽しませてくれるのは、本当に助かる。

 「744mP」からは遮るもののない世界が広がり、

雄大な景色を楽しみながら歩を進める。

 

一旦下降してまた登り返すのだが、

この後は歩を進めるごとに先のことが不安になる。

それは眼前に広がる急斜面だ。

足元の雪は表面に薄い新雪が降り積もっているものの、

その下にはよく締まった固い層がある。

ただ、それが急傾斜となると状態は変わる。

斜面の斜度が増すほどに積雪の圧力が加わりにくくなり、平地ほどは締まらない。

 

そんな心配をしながら進んで行き、いよいよ最後の登りの基部に達した。

するとそれまでビデオ撮影のため、常に最後尾にいて体力を温存してきたToshiが、

猛然と急傾斜に挑み始めた。

MSRの長所を存分に発揮して、ガンガン登って行く。

ここはひとつ様子を見ることとし、

Hiromiには先頭を行くToshiとの間隔を大きく空けるよう指示し、私は最後尾に着いた。

いずれも不測の事態に対応しやすくするためだ。

しばらくは直登を続けたToshiだが、降雪に隠れたクレバスを越えてから右手の樹林帯に入った。

樹林帯の中は雪崩が発生しにくいが、日陰となるため雪が締まらずアリ地獄のようになる。

案の定苦労するToshi。

そしてその小さな棚に上がれば頂上が見えようという地点で、

「まずい、雪崩そうだ」と言う。

すかさず50mほど下にいた私が、「無理すんなよ!」と言うと、

「やめます、下りよう」。

10時40分、撤退決定。

下降をHiromiがスノーシューでは無理なので、ツボ足で下降させることにし、

私も同じくスノーシューを背負って急斜面の下部までツボ足で下った。

やはり厳冬期にこの山は難しい。

登れないことはない。

しかし無理をする必要もない。

2年前にこの頂上に立っているが、それは積雪が締まって安定した3月下旬だった。

そんな頃にまた登ってみよう。

 

 あとわずかという地点で撤退を決めたが、3人揃って全く悔いはなし。

それどころか晴天の下、素晴らしい山風景を堪能できたことに大満足し、

11時45分、駐車地。

直近の「湯ノ沢温泉」で汗を流して帰途に着いた。

楽しい二日間だったねえ~

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2016.10.2 『中天狗』(1,317m)

 この週末は日、月曜と休み。

昨日の朝Hiromiを拾って富良野方面に車を走らせた。

  夕張山地『芦別岳』の北に位置する『中天狗』を、長い間「なかてんぐ」と読んできた。

ところがそれは「ちゅうてんぐ」と読むらしい。

何で?

どうしてそんな読み方をしなきゃならないのか?

素直に「なかてんぐ」と読みゃあいいじゃないか。

私の中では今後も「なかてんぐ」でいい。

 

 『中天狗』にはこれまで3度登っている。

そしてそのいずれもが尻岸馬内林道からで、積雪期に6kmの長い林道歩きを経て頂上に立った。

Hiromiも今年5月に登っている。

そんな『中天狗』の頂上から毎度尻岸馬内川を見下ろし、

いつか無積雪期に沢から登ってみたいと思ってきた。

それでHiromiを連れ出したのだが・・・

 

 7時30分、尻岸馬内林道ゲートをMTBでスタート。

ここも連続台風の影響で林道がずたずたかな? と心配したが、中間点あたりまでは問題がなかった。

ほぼ中間点でピンクテープによる通行止めとなっており、その先で二箇所決壊箇所があった。

しかしMTBでは問題なし。

ただ、林道は進むにつれ次第に荒れ、草が生い茂っている。

Hiromiは立派な筋肉をもった脚をしているが、ペダルを踏む脚力となると力不足でなかなかこげない。

MTBというのは、ローギアに落としても、歩くスピードよりは速い。

ところがそれを押して歩くとなると、当然ただ歩くスピードよりは遅くなる。

Hiromiは6kmの林道の大部分を押して歩いた。

従って時間もかかり、

8時40分、林道終点。

草や木々の葉が生い茂った風景は、積雪期とはまるで別世界であった。

  8時50分、尻岸馬内川入渓。

水量はさほど多くない。

このブログで何度か触れてきたが、私は足や体を濡らして登ることを好まない。

どうも気持ち悪くて性格に合わない。

従って必要に迫られない限り沢登りはしない。

そんな私とHiromiにとって、この沢は水量がちようどいい。

入渓した途端、Hiromiが叫んだ。

「カメラ落とした!」

林道のどこかでカメラケースの隙間から落としてしまったようだ。

帰路で拾うことにしたが、「忘れ物、落とし物兄妹」の妹は、本当に兄Toshiによく似ている。

「忘れ物、落とし物キング」のToshiだって、当然デジカメくらい落としたことがあるさ!

 

 沢を淡々と登って行くと、左岸に目指す枝沢が見える辺りで小規模な函が現れた。

水が透き通って美しい。

Hiromiは水が苦手で怖がる。

しかし沢靴での高巻きは斜度がきつすぎるのでへつって突破。

「突破」なんて大げさだが、Hiromiにとってはドキドキもの。

見ているこちらは不安と真剣さが入り混じった表情を見ていると、おかしくてたまらない。

問題なくクリアしたあとは斜度のある枝沢だ。

9時55分、直登沢取り付き点。

『中天狗』へ突き上げる直登沢だが、ここは予想より水量が多い。

Hiromiが登れるようにと、水量の少ない時期を狙って登ったつもりだったが・・・

そして斜度がきつく、小滝が連続する。

しかもよく滑る。

私一人なら問題なく登るのだが、人を連れて登ることの難しさを再認識させられる場面だった。

Hiromiはこの直登沢に取り付いて間もなく「撤退、撤退」を口にしているが、

私は試行錯誤し、なんとか登らせようとした。

いや、登ることはできる。

しかし下山のことを考えると、いろいろな情景が目に浮かぶ。

そして何よりも、一旦恐怖心を抱いてしまうと、それを払拭するのは難しい。

その「恐怖心」が怖い。

岩にがっしりしがみついて、それでもずり落ちてしまう姿を見ていると、もう前には進めない。

10時50分、撤退。

慎重に下り、尻岸馬内川に戻るとHiromiの表情は明るさを取り戻した。

林道終点まで戻って昼食。

あとは楽しいMTBでの林道走行だ。

ペダルを踏む必要は殆どなく快調に走って、

13時10分、林道ゲート着。

途中の思い当たるところでHiromiが落としたデジカメを探してみたが見つからなかった。

 

 久しぶりに「敗退」となったが、それでもHiromiは

「楽しかったなあ! また挑戦したい」。

 

 この後車中泊をして他の山に登るつもりで出かけたが、翌日の天気予報が悪いため帰宅。

夜『ミニ山の会』の宴会とした。

場所はもちろん「サイゼリヤ新札幌店」。

たらふく飲んでよく覚えていない。

そして今日はHiromiと雨の中のトレーニング登山。

札幌市内の山4山に登ってきた。

雨はいやだねえ・・・

 

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2016.5.22 『北の峰』(1,084m)

  日曜の朝は富良野市の、とある新緑の中で目覚めた。

朝日が眩しい。

 

 広いスキー場を登るのが大好きな我々は、この日富良野スキー場から『北の峰』に登ることにしていた。

先日のGWの折にも登ったが、その時は新富良野スキー場から登った。

この両スキー場から登れる『北の峰』は頂上を経て往来できる。

更に『北の峰』から登山道は『富良野西岳』まで続いている。

 

 この日も晴天で、前日までとは違い、空気が澄んで透明感を増した。

そしてそれは山々を美しく際立たせる。

若々しい新緑も一段と美しさを増した印象だ。

  先週の土日に続き、二週連続で土日とも晴れ模様。

かつてこんなことがあっただろうか?

きっとあったのだろうが記憶にない。

ただ今日は暑かった。

富良野盆地の予想最高気温が30℃。

そうなるともう短パンだ。 

 7時25分、ゆっくりスタートした。

私はこの日も絶不調で、歩き始めから辛くてしょうがない。

下半身が重くて重くて・・・

終始前を行くHiromiについて行けず、段々距離が広がる。

調子が悪いと水をがぶ飲みすることを初めて知った。

朝起きた時に牛乳を約1ℓ飲み、歩き始めてから飲料水を2ℓ飲んだ。

こんなことも初めてだ。

とにかく辛くて辛くて・・・

それでも一歩一歩歩を進めれば、いつか頂上に達する。

9時15分、頂上着。

時折涼しい風が吹くものの、一貫して暑い。

それが不調に拍車をかける。

スキー客用ゴンドラの終点駅まで下って日陰で休憩。

ほとほと疲れて座り込んだ。

それからゆっくり下山。

そしてこの日のもうひとつの目的であるワラビ採りだ。

このスキー場は広範囲に渡ってワラビが自生する。

それをいつも遅い時期に確認し、いつか早い時期に収穫したいと思い続けてきた。

それがようやくかない、大きなレジ袋にびっしり採った。

そんな女房への土産を提げて下山。

Hiromiは山菜採りなんかには全く興味がないので、早々に下山してカーエアコンで涼んでいた。

それから前日と同じく「ハイランド富良野」で汗を流して帰途に着いた。

今週も天候を心配することなく過ごした二日間は、二人して満足の山旅であった。

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2016.5.14 『御茶々岳』(1,331m)

  この週末は随分久しぶりに土日を通しての好天予報だ。

天候を心配せずに予定を立てられるのは大変ありがたい。

 

 土曜の早朝、Toshi、Hiromiと富良野へ向かった。

3人で出かけるのは、前述の土日好天予報同様、久しぶりのことだ。

いや、出発時点から一緒というのは今年初めてのことだ。

 

 この日は夕張山地の『御茶々岳』~『松籟山』を周遊することにしていた。

しかし心配していた通り、『御茶々岳』の登路で『松籟山』から下降尾根を伝ったあと、

林道に下るまでの斜面の雪がすっかり消えてしまったことを確認。

汚い笹が立ち上がった中の藪こぎは避けたいので、『御茶々岳』のみの行程とした。

 

 6時40分、18線林道入口付近を駐車地としてスタート。

少し歩くと林道ゲートが有り、しっかりと施錠されていた。

但し、上川南森林管理署に申し出れば、鍵のナンバーを教えてくれるらしい。

私は過去にこの林道をMTBで走ったことがある。

しかし短いので、歩きもそう気にはならない。

 

 7時20分、林道終点。

この辺りは、ここを訪れるたびに風景が変わっている。

大雨や雪融け水で、常にその姿が変化しているようだ。

18線川を一度だけ渡渉しなければならないが、水量が多くてとても水中は突破できない。

しかしどうしようかと思案する間もなく、うってつけの倒木が橋を成しているのを見つけた。

渡渉後川から離れて斜面に取り付くのだが下部は融雪が進み、笹がかなり立ち上がっている。

この山域を攻めるのは今回がラストチャンスだったかもしれない。

 

 急登が始まる前の適当なところでアイゼン装着。

その後の急登の連続ではアイゼンがなくても十分登れるが、アイゼンを装着した方がスリップすることなく楽に登れる。

多少腐りかけた雪の急斜面を一歩一歩登って行く。

とにかく長い急登だ。 

前方左手に見上げるようにそそり立つ『槙柏山』(1,184m)の頂きがだんだん迫ってくる。

しかしルートは右手を目指す。

そして『御茶々岳』から東に伸びる尾根に乗ると頂上は近い。

最後は富良野盆地とその背後の十勝連峰を背に、

9時55分、頂上に至る。

 

 『御茶々岳』の最大の魅力は、頂上からの景観にある。

南に『芦別岳』の迫力ある姿を目にしたかと思うと、その西には鋭い鋭鋒『中岳』の端整な姿。

振り返ると『中天狗』から『布部岳』~『富良野西岳』~『松籟山』の美しい山並みが続く。

ちょっと早い昼食を摂りながら、そんな景観をゆっくり楽しんだ。

 

 下山はほどよく融けかかった雪面を淡々と下って

11時45分林道へ。

また林道をトコトコ歩き、

12時15分、駐車地着。

 

 思いがけず短い山行となったので、「ハイランド富良野」にてゆっくり汗を流し、

『富良野岳』原始ヶ原登山口へ移動した。

そして3時20分、

 早々と「かんぱーいっ!!」

日が長くなったこの時期の遅い夕暮れを、ゆっくりと楽しんだ。

 

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2016.5.4 『北の峰』(1,084m)

 

  GW中間の2~3日は家族旅行。

女房と札幌で一人暮らしをする娘を乗せて、まずは滝川へ。

滝川市は私と女房の出身地。

娘が小学校一年まで滝川にいた。

滝川で私が高校時代にお世話になった陸上部の顧問を訪ね、楽しいひと時を過ごした。

続いて私と女房の実家があった辺りに行ってみたが、女房の方は近所の様子がまるで変わってしまい、

どこに実家があったのかさえわからない状態だった。

その後私の家の墓参り。

こんな時でもなかったら、決して墓参りなぞしないバチあたりな私だ。

  それから一路富良野へと向かった。

富良野市はその昔女房が社会に出たときの初任地だ。

結婚する前の富良野市を歩いていると、『北の国から』のロケ現場に出くわしたことがあった。

そしてそれから一年後、テレビをつけるとさだまさしの「あ~あ~♪ あああああ~♫」という今ではお馴染みの歌声が。

二人して、「あーっ! これだーっ!!」と、一年前のロケを思い出して感動したものだ。

そんな富良野の街中や駅に行った後、宿泊予定の「新富良野のプリンスホテル」へ。

「新富良野プリンスホテル」は女房が富良野に着任した頃にオープンした。

もう40年も前の話しになってしまった。

そんな「新富良野プリンスホテル」に、今回初めて宿泊した。

なかなか良い雰囲気。

中でも気に入ったのが、ワインだ。

富良野ワインはどこでも置いていて、1本3,500円で提供している。

で、それがワインの最低価格。

私の場合2本飲まなきゃ気がすまないので、宿泊代の他にえらい出費となってしまう。

ところがここは他にチリ産ワインを提供していて、1本2,000円なり!

ありがたいし、味も辛口で食事によく合うのよ。

娘と久しぶりに1本ずつ飲んで部屋に戻り、また別のワインを1本ずつ飲んで寝た。

 

 今朝5時に起きて車に戻って着替え。

スキー場から『北の峰』に登った。

スキー場上部にはまだかなりの積雪が有り、リフト運転をしていた。

これは毎年のことで、GWまでは何とかかんとか圧雪車で雪をかき集めて営業している。

外は雨模様で、ゴンドラの終点駅から稜線に上がると強風にあおられたガスが一気に頂上を覆って視界不良。

  7時半過ぎに部屋に戻ると、まだカーテンも開けずに寝ていた。

それを起こして朝食へ。

今まで寝ていたのに、「腹減った~」と第一声を発した娘に対し、このオヤジは一山登ってきたものの、なんか空腹感がないのよねえ・・・

最近はこの空腹感をなかなか感じられなくなってしまった。

食べる量を減らしているのに。

  外は雨模様なので、そのまま札幌まで走り、女房と娘の買い物意欲を満たして、今回の小旅行は終了。

みんな楽しかったとまんぞくぅ~

 

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2016.5.1 『中天狗』(1,317m)

 私にとって、長いトンネルのような4月が終わった。

 

土曜日の夕方終業後、いつものようにHirnmiを拾って富良野へ向かった。

ただ富良野までは行かず、道道三笠~富良野線の富芦トンネルを抜けて間もなく現れる「尻岸馬内林道」入り口付近で車中泊。

 土曜休みがない月を終えたことにホッとして、うまい酒を飲んだ。

 

『中天狗』には「山」も「岳」もついていない。

こんな山は道内にどれだけあるのだろうか?

調べるつもりもないが。

ちなみに『中天狗』から北に続く稜線をたどると、『笠森』(865m)という、これまた「山」も「岳」つかないピークがある。

そんな山々もあれば、名峰、秀峰揃いの夕張山地は、誠に魅力ある山域だ。

 

7時15分、尻岸馬内林道ゲートをスタート。

積雪期にこの林道から『中天狗』を目指すのは、今回が3度目。

終点まで6kmの林道歩きを経て、稜線への斜面に取り付く。

長い林道は思いの外融雪が進んでいない上、二日前の降雪が予想以上に多い。

歩を進めるほどに新たな積雪が増えてゆき、稜線から先の積雪量が不安になる。

私はこの時期になると、もうツボ足で登る。

 

9時5分、林道終点。ここから西への斜面に取り付いて稜線を目指すのだが、これがなかなかの急斜面だ。

そしてみるみる高度を稼ぎ、『中天狗』~『笠森』間の稜線上、「951m」ピークへ。

10時10分、稜線上「951m」ピーク。

ここから望む『中天狗』が、実に美しい。

今年も恒例の黄砂で、ずいぶん汚れた北海道の山々だが、この度の降雪で、すっかり雪化粧され、純白!

ここからは稜線上のアップダウンを繰り返して南に進む。

と、ここでHiromiのザックに装備されていたピッケルがないことに気付いた。

そう、「忘れ物、落とし物兄妹」の妹は、どこかにピッケルを落としてきたのである。

そんなことあり得るぅ~っ!?

二度も車外にストックを突き立てたまま帰ってしまう兄が兄なら、この日の重要な装備を簡単に落としてしまう妹だ。

「兄」って、みなさんご存知のこととは思いますが、「Toshi」のことですから。

ひとりで少し戻って探したものの見つからず、後を追ってきた。

その後どんどん雪が深くなる。

多いところでは膝上に達する。

サラサラな雪が膝上まででも辛いのに、湿って重い雪に一歩一歩足を取られるのは本当にきつい。

何度リタイアしようと思ったことか。

それが頂上直下の急登に入ると、傾斜もきつくなる。

新雪底部の古い雪面が氷化していてスリップの危険が生じたので、アイゼンを装着。

Hiromiはアイゼン装着後、そのままストックで登行する。

それにしても雪が深い。

ラッセルばかりでさっぱり進まない。

それでも一歩一歩、牛歩以下の歩みでも、歩を進めることを諦めなければ、いつかピークに立てる。

 

12時30分、頂上に立つ。

辛い登行だったが、そこにはその労苦をいっぺんに吹き飛ばす360度の絶景が広がっていた。

私はこのところのトレーニング不足、体重増で、もうヘロヘロ。

61歳の肉体は、ちょっと手を抜くと、すぐに体力、筋力が減退してしまうことを思い知らされた。

 

登りより下山に不安を抱くHiromiに配慮し、頂上には長居せず、下山を開始するも、やはり「苦手」なわけで、おっかなびっくり。

何のためにアイゼンを装着しているのかわからない状態だ。

しかし、登ったんだから、必ず下りられる。

滑落の危険が皆無となった稜線まで下って、ようやく遅い昼食とした。

 

昼食後は登ってきたトレースを忠実にたどって下山。

登路でHiromi落としたピッケルを回収しなければならない。

そのピッケルは、林道終点から少し上がったところで回収した。

それからまた6kmの林道を、ただただ淡々と歩いて、

15時55分、林道ゲート。

 新雪のおかげで、久しぶりにきつい山行だったが、美しい風景を堪能できた、癒しの山行でもあったなあ・・・

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