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2018.4.22 『徳富岳』(929m) また鈴に助けられた!

 相変わらず仕事が忙しく、かなり疲労が蓄積しているが、

週一のチャンスを活かすべく、

土曜の終業後Hiromiと新十津川町に向かった。

 

 『徳富岳』は増毛山地の東端に位置するなかなか存在感のある山だ。

その『徳富岳』の存在を知ったのは遥か昔で、

私が中学2年の時だった。

小学生時代を栗山町で過ごし、

中学1年のとき父親の転勤で滝川市へ転校した。

その滝川市で市立明苑中学校に転入した。

そして1年の時には気付かなかったこの山が、

2年生になって教室が2階になったことで遠望が利き、

その廊下から残雪に輝く『徳富岳』の姿を目にし、

感動と同時に「いつかあそこに登ってみたい」という夢が膨らんだ。

しかしなんの術もないまま長い時が経ち、

初めてその頂に立ったのはそれから30数年を経てのことだった。

それも簡単には行かず、2度の偵察行を経ての初登だった。

その後回を重ねて登り、今回が7度目になる。

ただ、今回同行したHiromiもこの山は3度目だ。

 

 日曜の朝6時、

新十津川町南幌加の「徳富ダム」に続く町道の駐車スペースをスタート。

ここからまず広い田園を北に進路をとって進む。

正面右手には『富士形山』(638m)がドーンと鎮座している。

田園を歩ききると林道が現れる。

この林道は『富士形山』方面に一旦下り、

山腹を縫って我々が進む方向に向かうのだが、

ここは当然ショートカットでルークシュベツ川

いに進む。

そんな川に沿って歩いいていると、

突然ヒグマの大きな足跡に遭遇した。

しかも今つけられたばかりの足跡だ。

我々とは反対の川上からやってきて突然Uターンをし、

我々と同じく川上に向かっている。

これは我々の鈴の音を耳にし、急に体を翻したに違いない。

私は過去にも同様の経験が何度もある。

積雪期に前方から向かってきたヒグマの足跡が、

突然戻って行ったり90度に曲って行ったりと。

今回も先を行くHiromiが鈴をつけていなかったなら、

沢の水音に気配を消されて突然出くわしたヒグマに、

命を奪われていたかもしれない。

「備えあれば憂いなし」の実例である。

 

 その後しばらくこちらがヒグマの後を追うようなことになってしまった。

それでより我々の存在を強調すべく、

ホイッスルを機械的に吹き鳴らして進んだ。

そして間もなくヒグマの足跡は沢沿いから山肌を登っていった。

しかしこの後この他に6頭、計7頭のヒグマの足跡に遭遇した。

長い山歴の中で一日に7頭もの痕跡を見たのは初めてだ。

ヒグマの影の濃い山域だと再認識した次第だ。

 

 ルークシュベツ川も源頭近くになると林道と合流し、

ここからはしばらく林道を歩くことになる。

もうスノーシューも必要なくなり、

ツボ足で歩ける良い季節となった。

Hiromiは快調に歩を進め、

スピードの遅い私の後ろを歩くのが歯がゆそうで、度々前に出て行く。

私は疲れている。

この日はスタート直後からふくらはぎに違和感を感じ、

ストレッチで念入りに伸ばしたものの、

どうも肉離れを起こしそうな感触だった。

林道ははCO.500で西側(左手)に作業道が出合う。

そしてこれに入る。

以前はこの作業道を忠実に進んで稜線に上がり、

それをたどって『徳富岳』を目指した。

しかし最近は作業道に入るとすぐにまた進行方向をほぼ北に捉え、

ワッカウエンベツ川の支流の沢床を目指して樹林帯を下る。

そし沢床に下りきって一気に稜線まで登る。

この登りがきつい。

急登の連続だ。

それもHiromiは黙々と登っていく。

まるで「私の体力を見よ!」と誇示しているようだ。

私は遅れまいと着いていくのがやっと。

この急登に耐えるとようやく稜線上だ。

稜線に上がると、あとは淡々と緩斜面を登る。

そして9時20分、南峰(914m)。

この山は二つのピークから成っている。

本峰(頂上929m)は南峰の700mほど北にあり、
頂上の面積が広く展望が良くない。

それでこの日は私の疲労も含め、「南峰」を最終地とした。

頂上は薄曇りで無風。

いつもながら見慣れた風景ではあるが、

増毛山地の美しい山並みが見事だ。

まだ到着時刻が早く、私の手製卵サンドで満たされた我々に空腹感はなく、

そのまま下山することにした。

こういう天候に恵まれると、

先週の一日だけ集中的に雨という忌まわしい不運も忘れてしまいそうだ。

 

 下山と言ってもまた一旦沢床まで下り、

登り返さなければならないので、

けっこう時間がかかる。

私の疲れきった身体は、

ふくらはぎの違和感が痛みに変わり、

脚の付け根まで痛み出した。

それに引き換えHiromiの元気なこと。

常に数十メートル先を歩き、

時折気遣うように振り返る。

あ~あ、なさけねえ~っ!

 

 12時25分、駐車地。

久しぶりに長い距離を歩き、ヘロヘロになった。

しかしこんなことも克服していかなくては先には進めない。

そんな意味ではよい山行であった。

そしてHiromiも大満足。

帰宅していつもの「サイゼリヤ」で かんぱ~い!

 

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