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2018.8.13 『摩周岳(カムイヌプリ)』(857m) 《盆休山旅⑤ー②》

 13日(火)の朝、摩周林道奥の車中泊地で目覚めると、

空はどんよりと鉛色の分厚い雲をたたえ、

なんとも重苦しい雰囲気だった。

しかし、雨に降られないだけマシ、

と淡々と準備を進めた。

車でわずかばかりの距離を移動し、

「摩周湖展望台」駐車場へ。

 そこはもう濃いガスの中にあった。

登山者専用駐車場の一番奥に車を停めた。

知らないうちにこの駐車場は有料(500円)となっていたが、

まだ時間が早かったので、係員は不在だった。

従って駐車料金の支払いは下山後とした。

 

 7時ちょうど、駐車場脇の登山口をスタート。

濃いガスのため何も見えない。

ここを歩くのが初めてのHiromiに対し、私は二度目だ。

ただ、一度目にこのルートを利用してから14年の時を経た。

 

 ガスで何も見えない中を黙々と歩く。

そして歩き始めて3kmを経過する標識が現れてすぐに、

突然ガスが晴れ始めた。

北側に見える摩周湖の濃いブルーの水面が陽の光に照らし出される。

美しい!

二人して急に気持ちが明るくなった。

と同時に、進行方向に広がる風景が露になる。

それは美しく雄大で、うっとり見とれてしまう光景だ。

長くアップダウンが続く登山道を目にして思ったこと、

それは14年前にここを歩いたときのことだ。

その時は我が愛する女房と一緒で、

7月の気温が30℃を超える日だった。

そんな日に女房は小さな体で、

きついアップダウンに耐えながら、

この往復14kmのルートを踏破した。

女房もまだ若く元気だったんだなあ・・・

 

 前日養老牛温泉で入浴できていたなら、

今日の素晴らしい光景は目にできなかった。

アンラッキーがラッキーに転じた場面だ。

初めてのこのルートを歩くHiromiも、

素晴らしい風景に大満足だ。

雄大な風景を楽しみながら楽しく歩いて、

8時55分、「西別岳分岐」。

この分岐から『摩周岳』までは1.6kmを残すのみだ。

ただ、きつい最後の急登が待っている。

美しい白樺並木の登山道をゆっくり登って行く。

そして歩を進めるごとに傾斜が増してくる。

元気なHiromiも、

この日は急登が堪えるようで、

ガックリとスピードが落ちた。

最後のきついきつい急登に耐えて、

9時05分、『摩周岳』。

私にとっては6度目の頂上だ。

4度は『西別岳』経由で登ってきた。

この日は血を吸うアブがうるさく、

特にふくらはぎを随分刺された。

肌に付着して血を吸うアブを、

この日はいったい何匹叩き潰しただろう?

『摩周岳』頂上でもその吸血アブがうるさくつきまとうので、

数分滞在しただけで下山を開始した。

私はアブに刺されながらでもいられるが、

Hiromiはいてもたってもいられない様子だ。

 

 危険な急下降を慎重にクリアし、白樺の美しい登山道を下って、

9時40分、「西別岳分岐」。

その後は再び長いが雄大で美しい世界を歩く。

途中で数パーティーとすれ違ったが、

その多くが外国人だった。

出で立ちからして観光客だ。

同じ観光客でも外国人の方が活動的なのかな?

 10時55分、「摩周湖展望台」登山口。

あとかたずけをして駐車料金を支払い、

インスタントラーメンの昼食を済ませた。

そしてまだ時間が早いので、

屈斜路湖の『藻琴山』に向かった。

 

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2018.8.12 『武佐岳』(1,005m) 《盆休山旅⑤ー①》

 

 11日(土)の午後家を出て途中でHiromiを拾い、いざ道東へ。

高速自動車道は混雑していると予測し、

一般道路をひた走る。

そして足寄を過ぎて18時過ぎ、

霧雨の中で車中泊とした。

翌朝日曜日(12日)、5時に起床するとまだ霧雨が降っていた。

それで走り続けることとし、

阿寒横断道路を一気に走り抜けて弟子屈へ。

更に走り続け『武佐岳』登山口へ。

この朝スタートしてから2時間半が経過していた。

そして車のメーターを見ると江別から470km。

やはり道東は遠い。

そんな長い距離を運転することが、

たまらなくおっくうになった。

 

 今回はHiromiが未踏のローカルな山々を巡る旅を計画した。

その中で『武佐岳』が最も遠い。

『武佐岳』登山口に到着すると、

先行者3台の車が停まっていた。

この朝は少々二日酔いの私、

疲れてしばし目を閉じ車内でグダグタして過ごす。

 

 9時ちょうど、登山口をスタート。

『武佐岳』に登るのはこれが3度目だ。

しかし、最後に登ってから既に10年は経過しているだろう。

気温が低くて心地よい。

コースは直線的な長い林道を歩いて登山道に入るが、

しばらくは古い作業道を歩くので、道幅が広い。

一ヶ所林道と交差するところがあるが、

以前はなかった林道だ。

登山道には明確に合目標識が付設されている。

ありがたいことだ。

また、一貫して草刈りがなされていることにも、

関係方面の方々に感謝申し上げたい。 

 樹林帯の登山道を登っていくと、

6合目手前で一旦視界が開け、

西から南にかけての風景を目にすることができる。

この日はガスで何も見えないと覚悟していたので、

ホッとする場面を得た。

 

 登山道は徐々に高度を上げ、

8合目の標識を過ぎるとこのコース最大の難所が訪れる。

一気に標高差150mを稼ぐ急登だ。

正直この不調な時期の私は辛い。

しかし、一歩一歩歩を出せば、

いつかそれを脱することができる。

急登を終え、ブッシュ帯の細道を歩いて、

10時50分、『武佐岳』。

そこには先行者数名の休息する姿があった。

辺りはガスに包まれて何も見えない。

我々は空腹感もなく、

またうるさいアブを払うのにうんざり顔のHiromiが、

いくらもたたないうちに「下りよう」。

即下山開始。

スタスタ下るが、

私は次第に大腿の筋肉が疲労し、

やがて痛みを感じるようになった。

情けねぇ~

今の仕事を続ける限り、

この時期のこの状況は避けられない。

また自分を造り直さねば。

 

 12時15分、登山口。

そこで昼食を摂り、登山靴やザックを屋根に上げて干す間、昼寝をすることにした。

幸いにも涼しくて、

エンジンをかけてエアコンを効かせる必要がない。

気持ちよかったあ~

目覚めると15時近くになっていた。

車を走らせ、最寄りの養老牛温泉へ。

温泉で汗を流す前に、

翌日登る予定の『標津岳』の登山口を確認するため、林道に入った。

これが間違いだった。

なかなかつかない。

私は『標津岳』にも10数年前に登っている。

そしてその記憶では、

登山口が養老牛温泉のすぐそばだった。

ところが今回走ってみると、温泉から5kmも奥にあった。

登山口を確認後、養老牛温泉に戻って入浴しようとすると、なんだか様子がおかしい。

そんな雰囲気を察知した私は、

Hiromiに温泉旅館の玄関に貼られている紙を確認してくるように指示。

すると盆の期間中の日帰り入浴は19時以降とのこと。

ガックリ・・・

急ぎ弟子屈まで戻り、ようやく汗を流した。

弟子屈まで戻ってしまうと、もう引き返す気にはなれず、「摩周湖」展望台近くで車中泊。

なんだかなあ・・・

 

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