1999/9 三陸沖・金華山
栗駒山ファミリ-ハイクが悪天の為中止になり、
かねてから心の片隅にあった金華山に行ってみたくなった。
私、妻、1歳児の3人で会議の結果、
初めてのファミリ-ハイクだし、まずは「行ってみよう!」
この日、私は栗駒山に続いて2山目の登山と相成る。
金華山へのアプロ-チはまず、鮎川港からの船である。連絡船(25分/900円)と高速船(15分/1000円)がある。
時間も山に行くには遅い時間だったので高速船を利用。この辺りは天気が良く 海も穏やか、ソ-ダ水のような色の海を快適に飛ばす。
これだけ取っても 一大イベントである。
それもつかの間、金華山港に着岸。
さあ、まずは情報収集から始まる。何しろ地図もコ-スタイムもわからない。
港の売店脇にある「島内案内図」でル-トとタイムを確認、連絡船最終4:20に どうやら間に合いそうだ。
黄金山神社と登山道入口
舗装道路を黄金山神社へ向かいかなり キツイ道を登る。
この辺りから鹿、猿といった野生動物が我者顔で往来している。
黄金山神社は「金運・開運の神」三年続けてお参りすると 一生お金に不自由しないとか・・・
神社脇の未舗装道が登山道入り口である。沢水が流れ滑りやすいので要注意。
この先の貯水場で沢コ-スと尾根コ-スに分岐する。
尾根コ-スは10分ほどで尾根に取り付く事ができ、
景色が良く穏やかな陽気の日には最高の山行を約束してくれる。
しかし、油断は禁物、樹林の中にも岩ありヤブあり。
444.9mとは言え0mから登る事を考えれば、ただの低山とは言えないのである。
八合目は芝と岩の混合の頂である。
はじめはここが山頂かと思ったが、ここに立つとその先いくつかのピ-クがある。
しかし、叫びたくなるほどの絶景、気持ち良さである。
今回、栗駒山の”おまけ”と考えていたけれど、
天気のいい分むしろこちらが メインになりつつある。
八合目からの素晴らしい景観
山頂の様子
山頂は4つ目のピ-クである。
ここは樹林に囲まれ、展望はあまり効かない。
黄金山神社の奥院がある。
ここを中心に島全体に登山道が伸びている。時間があれば島一周も面白そうだ。
しかし、このたびは残念ながら時間がない。
連絡船の最終が4:20なのだ。
そして今、3:20、おおよそ予定どうりに下山開始。
最初は良かった下山路
ちょっと待てよこのヤブはどっちだっけ?
ル-トの不明瞭なヤブの尾根がいくつか派生している。
登りは目指すピ-クがある為迷う事はなかったが、下りはどの尾根なのか? しばし、右往左往。
まずい、時間が・・・
どうやら下山ル-トを正常に回復したが、熱い汗と共に冷や汗も流れ始める。
間に合った!手を振り喜ぶ
下り足の早い私であるが、このたびは 幼児を背負ったブランク2年半の妻がいる。
急がせるわけには行かない。転倒でもしたら船どころではないからだ。
猿や鹿の見守る中、冷や汗をかきかき、ようやく神社。もう危ない道はない ここで4:10。
妻に先行の意志を告げ、一人、港まで突っ走る。
ザックが左右上下に揺れて走りにくい。
乗船券売り場に滑り込むと今まさに売り子さんが帰り支度を済ませた所。
荒い息を整えるまもなく「大人2枚」。
どうやら間に合ったようだ。
波間に浮かぶ金華山
連絡船が島を離れる。
ウミネコが船をおってくる。乗船客がえびせんを空高く放り投げる。
ウミネコはそれを上手にくわえ、またも真剣な眼差しで追いかける。
しばらくすると金華山島と同様ウミネコ達の姿も小さくなってしまった。
船上でゆっくりと傾いてくる太陽をぼけっと眺めながら
今日一日、なんと永く、充実したものか。
これ以上、充実する事は願って止まないが、
帰宅の事を考えると、永くならない事も願って止まない。
追伸:帰宅、翌日AM3:30。8:00から「お勤め」。(涙っ!)
sak