西上州・毛無岩烏帽子岩直上ル-ト
ひとことで言うなれば、「渇き」である。
この秋晴れは、この日のために。
しかしながら、手にとる岩が陽光に焼けて、やけに暑い。
そこに限っては、陽炎さえ立ち上っているように。
緊張感もあってか、喉の渇きが印象に残る。
毛無岩
西上州、毛無岩。
味わいある道場集落から遠く望むそれは際立つ。
なぜかといえば、「毛が無い」から。
ちょっとドキッとした殿方は多かろうが、かくいうsakもその一人だ。
ここでいう「毛」というのは、山に生える樹木のこと。
つまり、毛無しというのは樹木のないことだ。
頂直下の南壁はスラリと岩肌が露出する。
そんな様から毛無岩と呼ばれることになったのであろう。
その岩壁目指して道場から沢を渡り、尾根道を行く。
このたびのメンバ-は、ガストンさん、GRさん、sakの茨城隊にARさん夫妻の東京隊。
平日にしては賑やかな編成だ。
取つき
程よく色づき始めた木々を堪能しながら、二時間ほどで岩壁の基部。
取付きは滑り台ルンゼが正面にあり、見違うことはない。
ここからロ-プを出す。
1P
枯れ葉で埋まるルンゼを少し上がって、左の尾根に上がる木登りピッチ。
支点はないが、灌木で取れる。できるだけ上の立木まで。
2P
木登りを少しすると、3mほどの垂壁。右のクラック沿いに上がって灌木頼りで強引に行く。
立ち込んだ岩突起が不意に剥がれて、松木に左手だけでぶら下がる。絵にかいたようなピンチ。B級映画のワンシ-ンみたい。
そこを越えると、またしばらく木登りピッチ。
3P
ちょっとした岩場もあるが、おおむね木登りに終始。
コルへ出ると上部岩壁がよく見える。迫力の眺めだ。
上部岩壁
コルを振り返る
4P
ここからようやく岩登りらしくなる。
クラックに生えた灌木沿いに直上。小ハングから左上。キャメ#0.75使用。
終了点にリングボルト2つあり。
4P登攀中の茨城隊
5P
小ハングを人工で越える。このあたりから支点が充実。リングとRCCが随所に現れる。
スラブを右斜上。終了点はリングとRCCが2つ。
4Pの東京隊と5Pの茨城隊
6P
スラブ状を直上。細かいところが多く、人工で行ったり、イワヒバをつかんだり。
バンドに上がったらバンド沿いに右へ。ここに終了点があったものの、ロ-プはまだ半分ほどなので、これを見送り左上する。
薮もあり簡単だが、岩が陽光に焼けてやけに暑い。脆い岩の緊張感もあってか、喉の渇きを極めた。
終了点にリング、アングルハ-ケン。
ラストピッチのsak。人工でリ-ド中
ラストピッチのガストンさん
7P
最終ピッチは、クラックを直上する。しかし、その手前、一段上がるところで逡巡。
クラックもフリ-で抜ける元気なく、人工で行く。左に右にリングが豊富だが、途中キャメ#0.3、#3を使用。
抜けきったところが岩屑多く落石注意。終了点は灌木で。5mわきに登山道。
ラストを迎える
ラストを迎えたころ、日は傾きはじめていた。
山頂から見る西上州の山々は錦繍の色づきに黄金色の斜陽が美しい。西上州の山には、秋の夕陽がよく似合う。
そんな風に感じるのは私だけではないはずだ。
終了点での斜陽
ひとことで言うなれば、「渇き」である。
得られないものへの心理的な欲求の高まり。
決して快適とは言い難い。
しかし一廉の登攀は、渇きとともにいつかきっとの想いで心の奥底に眠っていた。
今日の労を振り返りつつ、闇夜の路を行く。
だからだろう。月夜に気分は高揚し、印象に残る一本となる。
sak
ひとことで言うなれば、「渇き」である。
この秋晴れは、この日のために。
しかしながら、手にとる岩が陽光に焼けて、やけに暑い。
そこに限っては、陽炎さえ立ち上っているように。
緊張感もあってか、喉の渇きが印象に残る。
毛無岩
西上州、毛無岩。
味わいある道場集落から遠く望むそれは際立つ。
なぜかといえば、「毛が無い」から。
ちょっとドキッとした殿方は多かろうが、かくいうsakもその一人だ。
ここでいう「毛」というのは、山に生える樹木のこと。
つまり、毛無しというのは樹木のないことだ。
頂直下の南壁はスラリと岩肌が露出する。
そんな様から毛無岩と呼ばれることになったのであろう。
その岩壁目指して道場から沢を渡り、尾根道を行く。
このたびのメンバ-は、ガストンさん、GRさん、sakの茨城隊にARさん夫妻の東京隊。
平日にしては賑やかな編成だ。
取つき
程よく色づき始めた木々を堪能しながら、二時間ほどで岩壁の基部。
取付きは滑り台ルンゼが正面にあり、見違うことはない。
ここからロ-プを出す。
1P
枯れ葉で埋まるルンゼを少し上がって、左の尾根に上がる木登りピッチ。
支点はないが、灌木で取れる。できるだけ上の立木まで。
2P
木登りを少しすると、3mほどの垂壁。右のクラック沿いに上がって灌木頼りで強引に行く。
立ち込んだ岩突起が不意に剥がれて、松木に左手だけでぶら下がる。絵にかいたようなピンチ。B級映画のワンシ-ンみたい。
そこを越えると、またしばらく木登りピッチ。
3P
ちょっとした岩場もあるが、おおむね木登りに終始。
コルへ出ると上部岩壁がよく見える。迫力の眺めだ。
上部岩壁
コルを振り返る
4P
ここからようやく岩登りらしくなる。
クラックに生えた灌木沿いに直上。小ハングから左上。キャメ#0.75使用。
終了点にリングボルト2つあり。
4P登攀中の茨城隊
5P
小ハングを人工で越える。このあたりから支点が充実。リングとRCCが随所に現れる。
スラブを右斜上。終了点はリングとRCCが2つ。
4Pの東京隊と5Pの茨城隊
6P
スラブ状を直上。細かいところが多く、人工で行ったり、イワヒバをつかんだり。
バンドに上がったらバンド沿いに右へ。ここに終了点があったものの、ロ-プはまだ半分ほどなので、これを見送り左上する。
薮もあり簡単だが、岩が陽光に焼けてやけに暑い。脆い岩の緊張感もあってか、喉の渇きを極めた。
終了点にリング、アングルハ-ケン。
ラストピッチのsak。人工でリ-ド中
ラストピッチのガストンさん
7P
最終ピッチは、クラックを直上する。しかし、その手前、一段上がるところで逡巡。
クラックもフリ-で抜ける元気なく、人工で行く。左に右にリングが豊富だが、途中キャメ#0.3、#3を使用。
抜けきったところが岩屑多く落石注意。終了点は灌木で。5mわきに登山道。
ラストを迎える
ラストを迎えたころ、日は傾きはじめていた。
山頂から見る西上州の山々は錦繍の色づきに黄金色の斜陽が美しい。西上州の山には、秋の夕陽がよく似合う。
そんな風に感じるのは私だけではないはずだ。
終了点での斜陽
ひとことで言うなれば、「渇き」である。
得られないものへの心理的な欲求の高まり。
決して快適とは言い難い。
しかし一廉の登攀は、渇きとともにいつかきっとの想いで心の奥底に眠っていた。
今日の労を振り返りつつ、闇夜の路を行く。
だからだろう。月夜に気分は高揚し、印象に残る一本となる。
sak