acc-j茨城 山岳会日記

acc-j茨城
山でのあれこれ、便りにのせて


ただいま、acc-jでは新しい山の仲間を募集中です。

甲斐駒ケ岳-鋸岳

2015年08月04日 08時34分32秒 | 山行速報(登山・ハイキング)

2015/7/14-15 甲斐駒ケ岳-鋸岳


中央道から見るたびに、いやぁ、いいねぇ。
そう唸る。

行ってみたいねぇ。
そう思う。

そこで、思い出す。
チリチリ痛む胸の傷跡に効くクスリはどこにあるのだろうか?
もしかしたら、あそこにあるのかもしれない。


---戸台・仙流荘前---

北沢峠へのバスは8:10
ハイシ-ズン直前の平日。山屋としてはちょっと遅めだが致し方ない。
早朝バスを期待してきた人は、仕方ないから帰るという。
お疲れ様でございます。

このたびのメンバ-はkei2さん。
待ち時間は二度寝したり、柔軟体操したり。あとは適当にブラブラして過ごす。


---北沢峠---

バスから降りた面々は各々のル-ト目指して行く。
砂利道をそぞろ歩いてテント場を横目に見る。
長衛小屋をすぎるとようやく登山道らしくなってくる。


---仙水峠---

ゴロ石がそこらじゅうを埋め尽くす。なんか、いいなぁ。
仰ぎ見る摩利支天。すごく、いいなぁ。

さすがアルプスだなぁ、などと唸っていると荷揚げだろうか?
頭上をヘリコプタ-が飛んで行った。


そこで思い出す。

ヘリコプタ-のロ-タ-回転数より
扇風機の羽根の回転のほうが速いんだよ。


【歩程に想う小噺-sakの場合-】


じゃあ、扇風機も飛ぶのかい?

いやいや、それはないだろ。事実、飛んで行かないじゃないか。

どうしてだろうね?

いろいろ「理由」ってものがあるんだと思うよ。

えーと、それはさ、扇風機とヘリコプタ-の力関係で、とか、
扇風機が「俺が飛んじゃまずいだろ」ってヘリコプタ-に遠慮してる、みたいなこと?

そういう叙情的なものではないと思うよ。絶対に。

じゃあ、やっぱり・・・。

ん?

自分が自分じゃない。

お?深いねぇ。

扇風機が飛んじゃったら、それはもう飛行機だろ。ってことか。


【歩程に想う小噺-sakの場合-】-おしまい-


---駒津峰---

仰ぎ見る甲斐駒。
突き出た石灰岩と砂礫の峰は夏の青空が似合う。


---摩利支天---

ココから見る甲斐駒がまたいい。
このリッジを登ってみたいなぁ。


---甲斐駒ケ岳---

いやぁ、やっぱりいいねぇ。
そう唸る。

そしてその先の縦走路。

行ってみたいねぇ。
そう思う。

そして今日、一歩踏み出してみる。


---六合目石室---

この日の宿泊は我々だけ。
念のためと持ってきたテントは無駄となってしまったが、やはり小屋泊は快適だ。

つまみを作ってみたりしながら一杯。
途端に酔いが回り、ひと寝入り。

頭が痛い。
高山病の症状か。

そこで思い出す。

山のレシピは登山経験の化学反応。
如何に安く美味しく、そして意外性が感動を呼ぶんだよね。


【山仲間との対話】

山のご飯って、山仲間のレシピに刺激、受けるよね。
みんなのアイデアとか発想とか。

そうそう。

買い出しに行くとス-パ-でずいぶん時間をかけちゃう(笑)。

前に山にケ-キを持っていったことがあって。

え?ええっ。ケ-キ?

うん。

それはすごいよ。感動ものだよ。

でも、なんか邪道だといわれた記憶が。。。

いやいやいや。聞いただけで素直にカンド-したよ。
ちなみに、その方の正道というのは?

コッヘルを洗った汁は棄てないで、飲む。・・・らしいです。

あぁ、エコ、、、ですか。

そうそう。地球にやさしい。

それで、自分に厳しく、と。
山の世界は刺激的だなぁ。


【山仲間との対話】-おしまい-

 

---第二高点---

石室を夜明けとともに出発。


踏み跡をトレ-スしていき、中ノ川乗越。
ガレザレの斜面を行くが、上部が悪い。

登りきるとそこが第二高点。
眺望がすばらしい。


---鹿窓---

第二高点から稜線を外れ、信州側へと高度を下げる。


踏み跡を下っていくとキレットから落ちるガレ沢を渡る。
渡った先を少し下るとガレのバンド。
ガレのバンドを進み、岩のバンドへとつなげる。
ここで落ちると、とても痛そうなので、慎重に。

岩のバンドから草付へ
そこから見上げると、鹿窓。

ぽっかりと空いた小さな岩穴。
こころに空いた針孔のよう。
小さな胸の傷跡が疼く。

適当に登っていくと、鎖がある。
それより、不安定なガレ場なので慎重に。
ひと登りで鹿窓を潜る。


---第一高点---

小キレットは鎖もあり問題ない。

緩い傾斜を鎖のある脇、草付を下り、最後だけ鎖を使う。
登り返しは傾斜があるが、足がかりも多く鎖もあるので問題ない。

ぼちぼち行くと小ピ-クを過ぎ、二つ目が第一高点、鋸岳のピ-ク。

南アルプス林道を走るバスを眺めたりしながら大休止。
遠く御嶽山に噴煙を見る。


---角兵衛沢---

不安定なガレ場が続く。
ガレ場好きにはたまらない場所だが、生憎そういう趣味はない。


---大岩下ノ岩小屋---

まさにオアシス。
染み出る石清水がまさに沁みたっス。


---戸台川---

角兵衛沢出合から対岸に石伝いで行く。
しばらくは左岸の河原をいく。
二つ目の堰堤を左岸から下ったが、ここは右岸。しっかりとした砂利道がある。
しかし次第にその砂利道も河原と化してしまう。

あわよくば、靴をぬらさぬようにと、時に悪いヘツリなどしてみるが、だんだん面倒になってきて、靴のまま渡渉。
そのほうが、早いし安全。
どうやら、右岸の道は流失し、寸断しているようだ。

沢としては何の変哲もないが、渡渉を嫌ってずいぶん苦労してしまった。


---戸台大橋---

駐車場について、戸台大橋への舗装路をボトボト行く。
ここから、バスに乗ろうと思ったが、次のバスまで2時間ほど。
仕方ないので、空身で車を取りに行く。

時にRUN。
木陰で蝉時雨に打たれながらも心地よい。

そこで思い出す。

中央道から見るたびに、いやぁ、いいねぇ。
甲斐駒、行ってみたいねぇ。

-想うにありき遠い場所-

本当は決して遠くはないのです。
煩雑な日々を言い訳に省みる。
自分が自分じゃない。
チリチリと胸が痛むのはそういう時。
「どうにかなる」どちらかと言えば、そっちの範疇だと、行ってしまえばすぐわかる。

もっと、自分に優しくて。
エコじゃないけど、いいんじゃない?


sak