エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

セルゲイ・ナルイシキン さん

2014-11-07 13:48:51 | エリクソンの発達臨床心理

 

 セルゲイ・ナルイシキン さん 。ご存じですか? 私は知りませんでしたね。

 昨日の「クローズアップ現代」で、国谷裕子キャスターがインタヴューしていました。笑みを湛えて、インタヴューに応えているところに、この人の第一級の知性を感じました。その内容が、クリミア統合など極めて「政治的」で、対立感情を刺激するはずのものなのに、その受け答えが極めて冷静で、しかも、笑みを湛えるゆとりさえ見せる。只者ではないでしょう。

 しかし、それだけではないんですね。クリミア併合後、アメリカはじめ、各国がロシアに対して経済制裁を行いました。日本もロシアに対する経済制裁を今も継続しています。セルゲイさん、クリミアの併合を、ドイツの統合と比較してこう言います。「ドイツの統合にロシアは賛成しました。しかし、あれは西ドイツによる東ドイツの併合でしかありませんでした。東ドイツでは、住民投票もなく、併合されたのです。今回のクリミア併合は、住民投票を実施していますから、ドイツ統合よりも、国連憲章と国際法を順守したものです。」と。なるほどなぁ、と思います

 また、クリミア併合後、「多くの学びをしました」とも言います。それはこういうことです。「世界的に見て、どの国が独立しているのか? また、どの国が誠実で、どの国がそうでないのか? さらに、どの国が外からの圧力に屈して、政治的な操り人形になっているのか? こうした見極めができただけでも、私たちにとっては収穫でした」「ロシアにとって、日本は重要なパートナーです。力のある国なのですから、もう少し自立できるのではないかと思います。」「ロシアの制裁に加わっている国は、こうした圧力を拒否して、今こそ対話すべきなのです」と。

 真に第一級の知性というものは、素晴らしいものだと感じ入りましたね。日本はアメリカの政治圧力に屈して、その操り人形になっていることを見事に指摘していますから。それに加えて、圧力に屈せず、対話の道を開いてもらいたい、とエールまで送って下すっているのですから。

 こういう人が国のリーダーになっているロシアは、信用できますね。わが安倍晋三首相はといえば、アメリカのポチだけじゃなくて、駄々っ子以下でしょ。勝負はもう、やる前から決まってます。もちろん、ロシアの、セルゲイさんの、圧倒的勝利です。

 私どもは、セルゲイさんのエールにも励まされつつ、わが安倍晋三首相には、一刻も早くご退場いただき、ロシアと誠実な対話ができる人を、第一級の知性がくなくても、せめて二級くらいの知性のある人を、我がリーダーになってもらいたい、と切に願う次第です。

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市場取引 誰も損をしないようで、みんなが損する?

2014-11-07 10:52:38 | エーリッヒ・フロムの真まこと(の行い)

 

 資本主義社会では、「してもらった分をして差し上げる」、ギブ・アンド・テイク、「公平の原理」が物を言う、といいます。そのお話の続き。

 p120冒頭から。

 

 

 

 

 

 なぜこうなっちゃってるのか? それは資本主義社会の性質そのものに訳があります。資本主義前夜の社会では、商品の交換は決めたのは、直接的な暴力、伝統、人を大事にする気持ちや友情などの個人的な絆でした。資本主義では、すべてを決定する要因は、市場における交換です。商品市場を扱うのでも、労働市場を扱うのでも、サービス市場を扱うのでも、それぞれの人は、自分が売れるものを、暴力や先を使わずに、市場という条件で自分が欲しいものと交換します。

 

 

 

 

 公平の原理は、商品取引がモデルらしい。それは、市場原理でもある。市場が示す条件で、「商品」を交換するからですね。

 ですから、公平の原理はあくまで市場取引です。自分が損するようなことなど、決してしないんですね。

 

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