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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマの 新しい治療法は、事例研究から

2016-03-25 09:21:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の書評から、もう1つ。

 

 

 

 

 

 「交戦地帯は、皆さんが想像する以上のものではないかもしれません。それは、アルコール依存症の身内がいる中で育った、アメリカの市民の25%が、証言しています。精神科医のヴァン・デ・コーク教授が論じているのは、重度のトラウマは、『はらわたに沁み入る』ものですし、ひとりびとりに合わせた関わりが必要だ、ということです。そのような関わりがあって初めて、重度のトラウマの人は、激しい怒りからも、どうすることもできない無力感からも、心深く解き放たれることが出来ます。何十年にもわたる研鑽の末に見出した知見と事例研究とセットになったこの物語1つを紡ぐ中で、ヴァン・デ・コーク教授は、様々な治療法の進歩を辿ります。発達トラウマの治療法は、1970年代の「鎮静薬」から、ニューロフィードバック、マインドフルネス、その他の微妙に異なる技法へと進歩しつつあります。」

                               ネイチャー

 

 

 

 アメリカでは、発達トラウマの治療が、セラピーと事例研究の積み重ねの中から、進歩していることが分かりますね。

 

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人間らしさのための、時間と叡智

2016-03-25 08:01:34 | エリクソンの発達臨床心理

 

 年寄りに住みよい社会は、人類にとっても住みよい社会。

 The lie cycle completed 『人生の巡り合わせ、完成版』の、p.115の、下から5行目途中から。

 

 

 

 

年寄りが、もっと良い眼の治療が出来たり、もっと良い眼鏡を手に入れたり、もっと良い補聴器が手に入れられたり、大きな活字の雑誌や新聞が、大きな字の本に加えて、手に入るとすれば、どうなりますでしょうか。健康アドバイザーたちは、健康で歩き続けるためには、「運動してくださいね」、「散歩くらいは毎日してください」などと、薦めます。でもね、街や都市で、年寄りがゆっくりと安全に歩けるところは少ないですからね。ところどころにベンチがあって、年寄りの買い物客が、買い物かごや買い物袋を家に持ち帰る途中で、一息ついたり、しばらくゆっくりできてように整備された街って、この国にあるんでしょうか?

 

 

 

 

 

 町を作り変えるのには時間がかかります。

 風景を人間的にし続けるのにも、時間がかかります。

 人間らしい社会を作るには、それだけの時間と、何よりも叡智が必要です。

 

 

 

 

 

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発達トラウマを抱えた愛着障害の子どもの癒しに役立つこと

2016-03-25 07:09:28 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 
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 発達トラウマを抱えた愛着障害の子どもの身近な人が、やり取りのある関係になって、発達トラウマを抱えた愛着障害の子どもの居場所になってくれたら、どんなに素敵でしょう。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第11章、「癒しのやり取り」に入りますp.232、後半あたりから。

 

 

 

 

 

 傷つけられ、トラウマを負わされた子どもたちが一番必要としていることって、それまで負わされたトラウマが原因の痛み、悲しみ、ホッタラカシにされた感じを和らげてくれる、温もりと絆を感じる仲間なんですね。発達トラウマを抱えた愛着障害の子どもたちを癒すのに役立つものは、その子どものやり取りのある関係が、量と質ともに、良くなることでしょうね。助けになるのは、言ってることとやってることが一致した、我慢強い、大事にその子どもの相手になることの繰り返しです。ついでに申し上げれば、役に立たないのは、「正しいこと」をやってるつもりで、その実、勉強不足の、その道の「専門家」です。その「専門家」に限って、トラウマになっている出来事に土足で踏み込んだり、子どもたちに「トラウマになった出来事を話してね」だとか、「怒りを発散しなさいな」などと強制すんですね。

 

 

 

 

 アメリカにも、日本にも、役に立たない「専門家」がいることがハッキリ分かりますね。ブルース・ペリー教授も、役に立たない「専門家」の事をあいまいにすることが、発達トラウマを抱えた愛着障害の子どものためにならないばかりか、有害であることをよくご存知ですね。

 


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スウィチング

2016-03-25 02:56:20 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 
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 気持ちが変われば、それにつれて、いろんなものも変わります。

 ヴァン・デ・コーク教授のThe body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』の第14章 Languare : Miracle and Tyranny「言葉 :奇跡も残虐も(、もたらすもの)」p.243の、最後のパラグラフから。

 

 

 

 

 

 このような変化は、臨床では「スウィチング」と言います。このようなことは、トラウマを負わされている人によく見られます。患者さんたちは、話題が変わるたびに、気持ちも体調も変わってしまいます。このスウィチングがハッキリ示していることは、声紋がハッキリと変わることだけじゃなくて、表情や仕草まで変わっちゃう、ということです。患者さんの中には、人格まで変わってしまうこともいるくらいです。臆病者から、力強い攻撃的な人物になったり、心配性の「くれない族」から、眼が覚めるほど魅力的な人になったり。患者さんたちは一番深い怖れを文字にしたら、その書いた文字は、子どもの字みたいに、幼稚なことが実に多いんですね。

 

 

 

 

 これは、解離ではないにしろ、人格のまとまりが悪いことを示していると感じられますね。その場その場に合わせて、自分の多様な一面を示している、と言うよりも、自分の感情に無自覚に、無意識に態度や人格まで変わっている、ということでしょう。

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