エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

インターメッツォ : 毎日、陽気で楽しく生きたい人に

2016-07-08 08:43:36 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
ヨハネ23世とユーモア
  本田哲郎神父のことをお話したときに、ヨハネ23世のことに触れましたね。ヨハネ23世と言ったら、1962年に始まる第2バチカン公会議です。古めかしいカトリックを現代化した......
 

 

 今宵は、久しぶりにエリック・エリクソンの言葉に学びたいと思います。Toys and reasons: Stages in the ritualization of experience.から。

 

 

 

 

 

 礼拝(らいはい、ないしは、れいはい)という考え方がこれまで証明してきたのは、人間らしい、陽気で楽しい生き方を、1人の人が育てること(個体発生)と、人びとが共同で育てること(系統発生)を結び付ける上で、なくてはならないものですよ、ということなんです。この人間らしい陽気で楽しい生き方を私は、この本全体で、展開しましたからね。

 


 

 

 

 ちょっと難しい感じがするかもしれませんね。人間らしい、陽気で楽しい生き方は、人間らしい、陽気で楽しい関わりを通じて、人から人へと移るものです。人間らしい、陽気で楽しい生き方を一人の人が育てることは、比較的解かりやすいかもしれませんが、人間らしく、陽気で楽しい生き方を人びとが共同で育てる、って言われたら、?と思ってしまうのじゃぁないかしらね。

 でもね、難しく考える必要はありません。たとえば、日本のように法定労働時間が一日8時間と決まっていても、超過勤務を、ただ働きでさせられている日本の様な社会の在り方と、デンマークのように、法定労働時間が1日7時間で、超過勤務をしたら、他の失業中の労働者仲間が働くチャンス(労働時間)を奪うことになってしまうので、やらない社会とでは、どちらが人間らしい、陽気で楽しい生き方を実現しやすいか?を考えたらわかります。そして、人間らしい、陽気で楽しい生き方がどれくらい実現できるのかは、その文化、その社会の在り方に依存しながら、き方の習慣ができますね。それと同時に、ある社会、ある文化に共通する、その生き方の伝承のパターンができます。この生き方の伝承のパターンを、エリクソンは、キリスト教をベースにしながらも、特定の宗教を超えて、礼拝と呼んだのです。

 たとえば、日本の学校ですと、学校の決まりや学校の在り方は、子どもがいくら騒いでも変わりませんよ、諦めなさい、学校の決まりやその在り方に従いなさい、というような、隷属的な生き方、諦め人生が強調され、「子どもの意見は受け付けない」という大人の態度によって、その生き方が拡大再生産されますでしょ。このような破壊的な生き方の伝承は、エリクソンは礼拝とは呼ばずに、偽物の形式主義、あるいは、お役所仕事、と呼んだわけです。

 

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発達トラウマ障害(DTD)大量生産社会

2016-07-08 08:28:00 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 
人生に対する態度が決まるのは何時でしょうか?
  大人になったら、自分のことで精いっぱいを、是非とも卒業したい所。「でも、仕事だから…」を口実にしないことが大事でしょ。 The life cycle cpmplet......
 

 

   今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の83日目。

  今朝は、未来の方向性 の続き。

 

 

 

 

発達トラウマ障害(DTD)の診断が役立つのは、真面な養育がされていない場合に限られる、というよりも、むしろ、長期間にわたって、対人間暴力にされされている場合なのかもしれません。逆に言えば 、対人間暴力にされさてたことが、必ずしも不可欠ではないかもしれません。むしろ、長期にわたって、気持ちを踏みにじられたり、養育者から引き離されたり、ネグレクトされたり、対人間暴力にされされたことが、1つでもあれば、発達トラウマ障害(DTD)の診断には十分かもしれませんね

 

 

 

 

 

 私も、サイコセラピストとして、来る日も来る日も、発達トラウマ障害(DTD)の子ども達にあってますとね、長期にわたって、気持ちを踏みにじられたり、養育者から引き離されたり、ネグレクトされたり、対人間暴力にされされたことが、1つでもあれば、発達トラウマ障害(DTD)の診断に十分だということが、本当のことだと強く感じます。日本の場合、発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、ネグレクト、親が仕事に奪われて、子どもと関わる時間があまりない形のネグレクトが、最も多いケースになります。

 日本は、発達トラウマ障害(DTD)大量生産社会なのです。

 

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無知と虐待

2016-07-08 06:33:47 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
今どきの日本の家族は?
  人は、特に子どもは、人の心を見抜く直感力を持っています。ですから、相手の本音の態度に従って、やり取りを楽しむこともできれば、反抗することもできます。 Young M......
 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。エドワードは小さい時から、大変な目に遭ったみたいでしたね。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.347のブランク後の、第2パラグラフから。エドワードの昔語りの続きです。

 

 

 

 

 

 「ティナは、続け様に、私にいくつも質問したんです。私はだんだんイライラしてきて、苦痛なことのまわりを囲っている盾をティナがつつきまわすことに腹が立ったんです。するとティナは、「医者たちが、ぶすぶす刺して来れば、痛かったでしょう?」と言いました。

 

 

 

 

 

 ブルース・ペリー教授が取り上げたジェーンにしろ、ヴァン・デ・コーク教授が取り上げたティナにしろ、発達トラウマ障害(DTD)のみならず、子どもの発達について無知な人しか、発達トラウマ障害(DTD)の子どものまわりにいないことの方が、遥かに多いのです。

 その場合、その無知な大人がやることは、アメリカ虐待専門家協会などが、「してはならないこと」=禁忌とされることを平気でやる虐待をしている場合がほとんどです。

  

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反面教師の幼稚な勘違い

2016-07-08 04:14:08 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 
人生に対する態度が決まるのは何時でしょうか?
  大人になったら、自分のことで精いっぱいを、是非とも卒業したい所。「でも、仕事だから…」を口実にしないことが大事でしょ。 The life cycle cpmplet......
 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども、コナー君の乳母がどんな人か気になりますね。

 学校や児童施設や病院などで、税金でやってる「サービス」が、現実には、子どもの傷に塩を塗る虐待になっている、ということなんですね。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.137の第2パラグラフの4行目途中から。

 

 

 

 

 

「赤ちゃんは、満足してたわ」、ジェーンは私にそう言いました。ジェーンが「たまたま赤ちゃんを安全ピンで留めても、コナーはすすり泣き一つしませんでした」という訳です。「コナーは泣かない子なんです」と強い調子で言い張りました。ジェーンは、赤ちゃんが泣かないならば、その赤ちゃんは泣きすぎた印だ、っていうことも分からなかったんです。また、ジェーンは、子どもの発達の初歩も知らないものだから、息詰まったのでした。マリアみたいに、ジェーンも、泣かない赤ちゃんは幸せな赤ちゃんだと勘違いしてたんです。

 

 

 

 

 

 子どもの発達の初歩も、よく知らない、ということがいかに恐ろしいことか、いかに子どもを傷つけることになるのか。ジェーンのケースもその一つの反面教師の幼稚な勘違いですね。遠からず息詰まるでしょう。

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