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エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

トラウマ治療は、ジャネに遡るんですか

2016-07-19 07:11:43 | トラウマを負う≪本当の自分≫を取り戻す

 

 

 

 
最深欲求から生まれたライフサイクル論
  人が困難にもかかわらが希望を抱けるのは、子どもの頃に繰り返し、お母さんから大事にされたからであり、あるいはまた、「ありのままの自分」を大事な人から繰り返し価値あるものと......
 

 

 2年前(2014年)、心理臨床学会の招聘講演で、発達トラウマ障害(DTD)について講演した、Ruth Lanius ルース・ラニウスさんらが昨年出した本、Paul Frewen , Ruth Lanius (2015) , Healing the Traumatized Self   consciousness, neuroscience, treatmet 『トラウマを負わされた自分に対する囚われから自由になること  意識、脳科学、治療』の翻訳。 最終章の第7章、p.276の第2パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私どもは結論としては、この本では、トラウマを治療する心理療法の文脈で治療がどのようになるのか、ということに関して、様々な考え方や臨床ケースについて皆さんにお知らせしたいと思います。TRASCは、心理療法で治ると言うのが私どもの信念です。TRASCが、トラウマ治療に効果のあるセラピーでどのように治るかを示しています。このトラウマ治療に効果的なセラピーは、ピエール・ジャネがヒステリーに効くとして始めたトラウマ治療の一般的な方法に倣って、その後、複雑なPTSD(ハーマン、1992b)や、解離障害(バンナム、1989,クラフト、1990)を治療するために改良されたものです。

 

 

 

 

 

 トラウマ治療が、ジャネに遡るとは知りませんでしたね。

 

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傷ついた親(教員、施設職員、医師…)が子どもを傷付けている

2016-07-19 05:13:06 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 
ルターが見っけた、≪ひとりびとりを確かにしてくれる人≫
  ルターは自分自身に忠実になることによって、クリスチャンの信頼を新しい次元に引き上げてくれました。 Young Man Luther 『青年ルター』p213の3行目か......
 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども公衆衛生上でも、社会福祉の上でも、学校教育の上でも、最大の問題だ、と見なされていますが、ニッポンでは、まだ、発達トラウマ障害(DTD)の存在すら認識されていないのが、悲しき現状です

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.350の第4パラグラフから。

 

 

 

 

 

 私がトラウマとトラウマ治療についてお話する時、聴衆の中には政治の話は止めて、脳科学とセラピーの話に話を絞ったら、という人もいます。私は、トラウマは政治と切り離したいのは山々なのですが、トラウマと政治を切り離して生き続けて、トラウマだけをその原因を無視して治療しても、結果は芳しいものになるはずもありません。今日の世の中では、皆さんの郵便番号(居住区)が、遺伝子情報にも増して、安全で健康な暮らしにものを言うのです。人々の年収、家族の形、居住形態、雇用、教育の機会は、発達トラウマ・ストレスが増大する危険に影響を及ぼすだけではなくて、発達トラウマ・ストレスを治療する効果的な支援に繋がるか否かにも影響します。貧困、失業、二流の学校、社会的孤立、銃の蔓延、劣悪な居住環境はすべて、トラウマを増大させる温床です。トラウマがトラウマを再生させるんですね。傷ついた人が人を傷つけるんですね。

 

 

 

 

 

 ゴールデンルールの否定的循環です。人によくすれば、人も良くしてくれる。これでしたら、ゴールデンルールも肯定的に循環します。

 しかし、発達トラウマは、ゴールデンルールが否定的に循環するものです。傷ついた人が人を傷つける=傷ついた親(教員、施設職員、医師…)が子どもを傷付けているんですね。日本の場合、労働環境が奴隷化しているせいですね、一日7時間働いたら、贅沢はできなくても、人間らしい衣食住が保障されて、文化的なゆとりのある時間が持てる…。そういう暮らしとは真逆で、一日10時間くらい働かされて、年収も300万円にもならない。そんな暮らしの人が4割を超えているのですから、これは政治的無策のせいです。

 ニッポンの発達トラウマ障害(DTD)の温床の大きな部分が、人間らしい暮らしを保証する労働政策を実現するだけで、劇的に改善します

 

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ブルース・ペリー教授の合理的セラピー:脳の発達に見合ったセラピー

2016-07-19 03:55:53 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 

 
最深欲求から生まれたライフサイクル論
  人が困難にもかかわらが希望を抱けるのは、子どもの頃に繰り返し、お母さんから大事にされたからであり、あるいはまた、「ありのままの自分」を大事な人から繰り返し価値あるものと......
 

 

  発達トラウマ障害DTD愛着障害の子ども。その子どものセラピーだけではなく、教育も福祉も、発達段階の評価ができませんと、適切なサービスができません。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.139の第3パラグラフの5行目途中から。

 

 

 

 

 

そこで私どもは、ネグレクトやトラウマの為に(ですから、セラピーの名前が「脳の発達に見合ったセラピー」、になっています)悪影響のあった脳を治療するために、集中的な経験とハッキリとした狙いのあるセラピーを用います。もしも、私どもが最初のセラピーをして上達した機能を記録することが出来れば、次の順番の脳と発達段階に見合ったセラピーを始めます。そして、出来得ることならば、実際の年齢や発達年齢に見合うまで、コナーが成長するようにするのです。

 

 

 

 

 

 ブルース・ペリー教授のセラピーのやり方は、脳の発達に見合ったセラピー」、「脳連続的モデルセラピー」(Neurosequential Model of Therapeutics )と呼ばれているようですね。

 しかし、キチンと発達評価をして、狙いをハッキリとしたセラピーをしている点で、極めて合理的なセラピーと言えるでしょう。

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遊びは、私どもの本音、不足をよく知っている

2016-07-19 02:57:40 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
永久革命としての民主主義
   最も人間らしく 私どもの選択  最も人間らしいこととは? 負けさえ気持ちよく楽しめる技術 : 非暴力  動物たちが、争いを回避する...>続き......
 

 

 エリクソンは、デンマークから、ドイツへ、ドイツからアメリカへの、引っ越しました。言葉もデンマーク語からドイツ語へ、ドイツ語から英語へと学習し直さなくてはなりませんでした。エリクソンがアメリカへ引っ越した時には、英語はあまり話せなかったみたい。なんせ、ナチスに追われて逃げたユダヤ人の1人でしたからね。ですから、その英語で最初の本を出すのは、48歳になった時でした。今宵からしばらく、エリクソンの処女作、Childhood and Society 『子どもの頃と社会』の至言をご紹介します。今宵は、まずは、P211-2.

 

 

 

 

 

 遊びは、自我の働きの1つでが、身体と対人関係とを、≪本当の自分≫の音色と一致させようとする試みの1つです。…私が強調したいと思うのは、自我は、様々な暮らしのなかにある体験の主人公にならなくちゃいけないという点です、特に、≪本当の自分≫、身体、自分の社会的な役割にとつて、足りないから、喉から手が出る程体験したいと思っている体験の主人公にならなくちゃいけない、という点です。

 

 

 

 

 

 子どもの遊んでますとね、どの子どもも、自分が足りないから、喉から手が出る程の思いでいる体験をしようとします。今どきの子どもが一番足りなくて、喉からほど欲しい一番の体験は、触れられること、タッチです。ですから、遊んでいる時に、やたらに触ってきますし、1人を抱っこしようものなら、3人4人とおんぶされたくて、背中に乗ってきますよ。

 今の学校も、社会も、遊びのこの値打ちにあまりにも盲目です。

 ですから、遊びの社会的な再生が必要な時代です。

 

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