エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

発達トラウマ障害(DTD)という診断名は、子ども達の幸せのためにこそある

2016-07-01 06:57:14 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

  「発達トラウマ障害愛着障害」という診断名は、アメリカでも、日本でも、大いに使えることが分かりました。

 今朝も、今から7年前、311(2011)を遡って2年前、ヴァン・デ・コーク教授が、2009年に出した、発達トラウマ障害(DTD : developmental trauma disorder)をDSM-にハッキリと入れてね、という提案書(http://www.traumacenter.org/announcements/DTD_papers_Oct_09.pdf) の76日目。

  今朝は、妥当性と信頼性の章の47日目。今日は発達トラウマ障害(DTD)という診断名は、妥当性あるの? という課題です。

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)という診断基準は、簡明にして、行動面で特定できて、臨床的に意義深いものになるように考えられています。発達トラウマ障害(DTD)の妥当性も、今後さらに経験的にテストされる予定です。

 

 

 

 

 

 このように、発達トラウマ障害(DTD)は臨床で、簡単に、しかも、子ども達の幸せに役立つように考えられている診断名だ、ということです。

 私も、サイコセラピストとしての仕事のほとんどが、発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の解説と、それに基づくセラピーです。そして、キチンとアセスメント=診断したうえでセラピーすることがとても大事だ、ということを実感する毎日なんですよ。

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

インターメッツォ : ≪見る≫不思議  見る=話し言葉=出来事

2016-07-01 03:56:25 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 

 

 今宵は、雨宮慧先生の言葉から学びたいと思います。『福音書のことば  上 旧約聖書から読み解く』(NHK出版)から。

 

 

 

 

 

 「マルコ福音書」の1章16-20節には、二組の兄弟(シモンとアンデレ、ヤコブとヨハネ)の召命が…描かれている。…

 14そして通りがかりに、アルファイの子レビが酒税所に座っていのるのを見かけて、「わたしに従いなさい」と言われた。彼らは立ち上がって、イエスに従った。

 …逐語的に訳すと…

 そして通り過ぎていて                              ⓐ

 彼(=イエス)は見た レビが アルファイの子が 座っているのを 収税所に    ⓑ

 そして 彼は言った 彼に 「従いなさい 私に」と。               ⓒ

 そして、立ち上がった。                             ⓓ

 彼(=レビ)は従った 彼に                           ⓔ

 …2番目の要素ⓑでは、「見る」という動詞が使われる。

 3番目の要素ⓒでは、「言った」という動詞が使われて…

 イエスの「見る」には、アモスを羊の群れから離れさせた神の言葉と同質の力があり、人を引き寄せることができる。

 

 

 

 

 

 ≪見る≫という言葉は不思議ですね。眼の前の状況を「見る」という意味と、将来を「見通す」という展望を示す意味の両方がありますでしょ。イエスの≪見る≫はこの展望の意味が強いでしょ。イエスは≪見る≫、すなわち、その展望を≪話し言葉≫にします。すると、すぐに、あるいは、まもなく、その≪話し言葉≫は≪出来事≫になります

 実は、≪話し言葉≫にする前に、ヴィジョンとしての≪見る≫が、イエスの場合ありますね。そのヴィジョンは、必ず実現するわけですね。

 でもね、これはイエスの専売特許じゃないのか嬉しいことですね。ピグマリオン(教師期待)効果があるからですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ビクビク、ドキドキが、○○したいに変わる時 夢の続き

2016-07-01 03:16:52 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害(DTD)の子ども。演劇トラウマ治療でも、気持ちを言葉にすることによって、自分の気持ちが分かるようになります。

 The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 『虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.346のブランク下の第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 リハーサルが始まると、子ども達はまっすぐに立って、気取らずに舞台を歩けるようにならなくてはなりません。子ども達はまた、劇場の端から端まで届く様な声で、セリフを言わなくてはなりません。それ自体が大きなチャレンジなのです。本番は、地元の人たちと向き合うことにもなります。子ども達は舞台に歩み出る時、それぞれのレベルで、脆さ、危険、あるいは、安全を経験し、どれくらい自分自身を信頼しているのかも分かります次第に、「上手くやりたい、自分はやれるんだ」という、熱心な気持ちが優ってきます

 

 

 

 

 素晴らしいですね。ビクビク、ドキドキだった気持ちが、「上手くやりたい、自分はやれるんだ」、という熱心な気持ちに変わるんですからね。何故なんでしょう?

 それは、夢中になる、ということかもしれませんね。ここでも「」が大事なのかもね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、無理難題が課されがち

2016-07-01 02:17:26 | ブルース・ペリー教授の『犬』

 

 

 

 

 

 発達トラウマ障害DTD愛着障害の子どもコナーくん、精神科薬の飲み過ぎで、精神病患者らくしなってしまっていたのです。

 ブルース・ペリー教授の The boy who was raised as a dog の第6章、本のタイトルにもなっている「犬として育てられた少年」のp.135の7行目途中から。

 

 

 

 

 

 

 コナーは、椅子に座れば、前後にロッキングをよくしていましたが、それは、ジャスティンが犬小屋に入れられているのを始めてみた時のジャスティンにそっくりでした。コナーには友達もいなければ、レオンみたいにガキ大将でもありません。むしろ、コナーは、格好のいじめられっ子でした。コナーは、ソーシャル・スキル訓練のクラスに入れられて、独りぼっちにならないように、下手くそな対人関係が良くなるようにと取り組もうとしていました。それでも、それまでは、全くの失敗でした。すぐに分かったことですが、そのクラスは、まるで赤ちゃんに微積を教えようとするクラスだったんです。

 

 

 

 

 

  発達トラウマ障害(DTD)の子どもは、無理難題を押し付けられることも、珍しいことではないのですね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする