エリクソンの小部屋

エリクソンの著作の私訳を載せたいと思います。また、心理学やカウンセリングをベースに、社会や世相なども話題にします。

聖書の言葉:ϕανερώσει τῆς ἀληθείας,ファネロセイ・テス・アレセイアス,真理の明るさ

2017-05-22 08:04:17 | 聖書の言葉から

 

 

 

 
三流以下の「懲りない人々」
   現代の「礼拝」   「くれない族」、あるいは、≪与える恵み≫  「真」はイキイキ、ピチピチ生きること。「真」は、自由であって初...>続きを読......
 

 今朝の聖書の言葉は,ϕανερώσει τῆς ἀληθείας,ファネロセイ・テス・アレセイアス,真理の明るさ,です。

 この言葉は,『新約聖書』のパウロさんの手紙,4つのイエス・キリスト物語が終わったあたりにある「コリント人への第2の手紙」第4章2節に出てきます。

宣教の務め

4章 1それゆえ、われらは(神に)あわれまれてこの務めを持つので、心を落とさず、2恥ずべき隠しごとを捨て、悪巧みに歩まず、神のことばを曲げず真理の明らかさによって、神のみ前に自らをすべての人の良心に対して推薦しています。

 前田護郎先生は「真理の明らかさ」と正確に訳しています。このアレセイアスは属格ですから,「~の」とやるのが正確だからです。主格的な属格と,対角的な属格になる場合があります。主格的な属格で訳すと,「真理が明らかになっていく」となりますが,対角的に採ると「(誰かが)真理を明らかにする」と言う感じになります。新共同訳は,対角的に取っています。前田先生は,真理の力,神の力の主権性を認めていますから,主格的に翻訳していると考えられます。

 宣教,伝道と言うと,宣教師,伝道師らが頑張っていく感じに受け取られる場合が多いと思います。特に熱心な方はそうだと思います。私もどちらかと言うと,そういう風に受け取る傾向が強いんですね。ついつい自分が前のめりになりがちなんです。
そうすると,いつの間にか,真理よりも自分が大事,という人間の罪深さが出てしまいます

 でも,前田護郎先生が正確に翻訳している様に,真理の力はダイナマイトの力ですから,岡本太郎さんではないですが,「真理は爆発だぁ」なのです。

 神様のなし給うことには,すべてに時がありますから,真理も爆発する時があります花火みたいに,真理はバンバン,次から次へと爆発しているんじゃぁない

 最近そのことに改めて心至りましたので,ご報告です。

 誰に? 

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エリクソンの叡智: 赤ちゃんの楽園と呪い

2017-05-22 02:21:18 | エリクソンの発達臨床心理

 

 

 

 
インターメッツォ : 本当の優しさが生まれるところ
   努力に努力を重ねた果てにあるもの  「天にも昇る悦び」から生まれる学問・真理だけが本物の学問・真理で、それ以外はゴミです。現在の日本の大学(院)は......
 

 今宵のエリクソンも,Toys and reasons. から,P.54 赤ちゃんの時の,記憶に残らない体験について,エリクソンの叡智が光る所です。

 

 

 

 

 

 赤ちゃんの頃を調べるだけだと,楽園喪失だの,治療しなくちゃならないほどの隠れた呪いだのとが,心密かにあるのが解かるばかりなりです。そのいずれも,人間の避けがたい運命みたいなもんなんですからね。

 

 

 

 

 

 エリクソンと言う人は,実に人の心の深みをよくよく知っている人だと,驚かされますね。

 ここでエリクソンが言う,運命の「呪い」が,計り知れない祝福の基になることに気付いたものは,7億円が当たるよりもラッキーですね

 発達トラウマ障害(DTD)治療も,それに近いですね。

 

 

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ジャネさんの予見性 #発達トラウマ障害(DTD) の #解離 も善くご存知

2017-05-22 01:39:19 | ヴァン・デ・コーク教授の「トラウマからの

 

 

  発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に変換してください。

 
本物の臨床家の息遣い
   希望を毎日味わいたい人は、是非是非。  身近な関係が一番なのですから、お母さんは赤ちゃんが生まれたら、1歳半までは仕事を休んで、赤ちゃんのそばにい......
 

 発達トラウマ障害(DTD)=愛着障害の子ども。ヴァン・デ・コーク教授の  The body keeps the score : brain, mind, body in the healing of trauma 虐待されたら、意識できなくても、身体は覚えてますよ : 脳と心と身体がトラウマを治療する時どうなるか?』p.182,第3パラグラフから。

 

 

 

 

 

 「解離」と言う言葉を作ったのはジャネなんですね。それは,ジャネが患者さんたちの中に見出した記憶の分裂と孤立を言うためだったんです。しかも,ジャネは,トラウマ記憶をホッタラカシにすることは,大きな重荷になることも予見してたんですね。ジャネは後年書いています「患者さんたちがトラウマ経験を解離したままにしておくと,『克服できない困難に付きまとわれる』様になります」「自分のトラウマ記憶と折り合いがつけられないと,新しい経験も消化できないみたいです」と。それはまるで,患者さんたちの人格が,ある時点で例外なく,立ち止まってしまって,新しい要素を付け加えたり,消化したりして,パーソナリティーを豊かにすることができずにいるかのようです。」と。ジャネはまた見通していたことは,患者さんたちが,自分には折り合いがついていない記憶があるんだ,ということに気付かずにいて,過去に起きて今は終わっていることを物語にまとめることができなければ,パーソナリティーも仕事も,ゆっくりと退化してくるだろう,ということでした。この現象は,現在進行形の研究でも,頻繁に記録されることなんです。

 

 

 

 

 

 解離と解離の症状を,ジャネは100年も前に,実によく予見していましたねジャネさんは患者さんをよく観察し,話をよく聞いたからだろうと想像できます。虚心坦懐,患者さんに眼と耳を傾けたわけですね。本当に患者さんのためになる研究は,患者さんから学ぶ,腰の据わった真摯な態度があって,初めて可能です。

 NHKの「発達障害」特集みたいに,上滑りの番組は,番組の作り手に,その真摯さが残念ながら,ない,のです。

 

 

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現世考: NHK発達障害特集には,また困った困った

2017-05-22 00:12:45 | 間奏曲

 

    発達トラウマ障害(DTD)のご相談は,こちらへ。agape☆gmail.com  但し,全て半角にしてから,☆→1430777@に 変換してください。

 

 
いまこそ、人を大切にする社会の実現を!
   現代の「礼拝」   「くれない族」、あるいは、≪与える恵み≫  「真」はイキイキ、ピチピチ生きること。「真」は、自由であって初...>続きを読......
 

 今宵のNHK発達障害特集は,本当に困った番組になりました。番組の初めに,精神科に患者が殺到し,10年前の2倍になっている,ということが伝えられました。発達障害急増だ,という訳です。でも,軽度発達障害が急増して精神科に殺到しているのは,日本にだけある,奇妙な現象だ,ということには触れられていませんでした。発達トラウマ障害(DTD),と言う視点その背景には,日本が死ぬほど働かされている「病んで不毛な社会」(impoverished society)だ,と言う懐の深い視点に欠けているからです。その視点を欠いたまま,発達障害,自閉症,学習障害,注意欠陥多動性障害の,感覚過敏や感覚鈍麻など,目新しい症状だけが,取り上げられたのでした。当事者が登場しなければ,「興味本位」と批判されても仕方がない,という程度の番組になっていたことでしょう。

 軽度発達障害が急増して精神科に殺到しているのは,日本にだけある,奇妙な現象なのは,なぜでしょうか? それは,日本の精神科教育では,トラウマのことはほとんど習いませんし,現行の診断マニュアルには,発達トラウマ障害(DTD)が載っていないからなんです。ですから,児童精神科医さえ,発達トラウマ障害(DTD)を知らないので,発達トラウマ障害(DTD)を発達障害と誤診し,間違った投薬治療をしていることが非常に多いからなんです。番組に出ていた,信州大学病院部長,本田秀夫さんも,発達トラウマ障害(DTD)のことを知らないから,あんな恥知らずのコメントを,はにかみながら,コメントしていたんでしょう

 また,発達トラウマ障害(DTD)の子どもも大人も,幼い頃に眼を覆うような虐待やネグレクトが原因だ,という誤解があります。このブログでは繰り返し申し上げていることですが,日本で発達トラウマ障害(DTD)が,隠れたパンデミック多くの人がパンデミックであることに気付いていないことを,こういいます。)になっているのは,母親が低賃金・長時間労働のために,赤ちゃんが0歳,1歳の時に,温もりとやり取りのある関わりを,「ご馳走様」,と言えるほど味わっておらず,むしろ,その温もりとやりとりのある関わりが極端に不足しているからです。母親が,保育園に子どもを通わせ,それだけでは足りないので,おばあちゃんやベビーシッターなどに延長保育の後も,赤ちゃんを託す第3の保育をやっていても赤ちゃんが発達トラウマ障害(DTD)になっているのです。このケースが,日本の発達トラウマ障害(DTD)の一番多いケースなんです。母親が出来得ることを精いっぱいやっても,子どもが発達トラウマ障害(DTD)になるのですから,「病んで不毛な社会」(impoverished society)なんですね。

 NHKは,取材と勉強が足りないから,こんな無責任な番組になったんですから,1から勉強をし直し,取材をやり直して,「私どもは勉強不足でした」「間違いを放送しました」という検証番組を,次回に期待したいと思います。

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