今日から10月だ。
今回、台風が来ても、
症状はさほど悪化せず、寝込むこともなく、なんとか過ごせた。
図らずも、台風が、脳脊髄液減少症の回復を私に教えてくれた。
脳脊髄液減少症の回復はゆっくりで、
多彩な症状が、出たり消えたり、悪化したようになったり、また出なくなったりと、
症状にも波があるため、
その回復は患者本人でもなかなか気づけない。
でも、ふと気が付いたら、あの症状もこの症状も消えていた、
あるいは軽くなっていたというような治り方。
成果が気づきづらいし、見えずらい。
だから患者は、今残る苦しい症状ばかりに目がいく。
消えてしまった症状もあるのに、そのことにはなかなか気づけずに。
これでは、治療する先生も気の毒だ。
ネット上になかなか治らない患者、
ブラッドパッチしても、まだ症状が残る患者ばかりが残るのは、
そういう、この病気の特徴もあると思う。
人間はもともと苦しいことはなるべく忘れるようにできている生き物だと思う。
苦しかったことは、時間とともに薄れ、忘れるようにできている。
そうでなければ、女性はお産なんて繰り返すことは難しい。
猛暑の脱水で、症状悪化であれほど苦しんだはずの私でさえ、
10月になった今、
もう、あの夏の苦しみを忘れてかけているしまつだ。
書き残していなければ、どんどん苦しみなんて忘れてしまう。
脳が自然に苦しみを忘れるようにできていても、
今も覚えている過去の苦しみは、
自分にとっても、
よほど印象に残っている苦しみなんだろう。
脳脊髄液減少症患者も、
治れば治ったで、どんどん苦しかった時期のことなんて忘れていくから、
あえて、ネット上に、治ったことなんて書きこむ人は少なくなるのが当然だと思う。
だって、治れば、どんどん活動範囲が広がり、忙しくなってくるし、
過去の苦しみを思い出すより、
楽しいことがたくさんあるんだから、
あえて、治ったことを書く人がいなくなるわけさ。
ネット上に、ブラッドパッチしても回復しない患者がいるからと
治療を恐れている人がいたら、
私はいいたい。
あのね、
治った人はね、みんな勇気を出して検査や治療を受けた人たち、
そういう人たちはたくさんいるんだけど、
発見が早くて、苦しんだ期間が短くて、周囲の誤解に苦しんだ期間も短くて、
症状も軽くて、回復も早かった人ほど、
どんどん脳脊髄液減少症のことから離れていく。
そういう人たちはね、
きっと、
もう、社会復帰して忙しくて、
「私は治療を何度も重ねて、何年もかかってここまで治りました。
なんて、言う暇もないくらい、趣味に仕事に、恋に、家庭生活に、地域社会でのつながりに、忙しいんだよ。」と。
私も、回復につれ、
このまま、ブログで脳脊髄液減少症のことなんて、
書かなくなりそうだよ。
だって、他にやること、たくさんあるんだもん。
私が消えたら、
だれか後をついで、
脳脊髄液減少症の回復の過程を
後に続く人たちに伝えてあげてね。
この病態はとにかく情報が少なすぎるから。