朝日新聞 秋田
あらまあ、文句言ってたら、朝日新聞が記事にしてくれたわ。
ただね、
最近気になるんだけど、
ブラッドパッチしても、症状が残った、っていう記事、
最近多いんだよね。
「治療しても後遺症が残った」と患者が言いたいのはわかるし、
それをそのまま記事にした記者さんの気持ちもわかるんだけど。
ブラッドパッチの効果が、
誤解されかねないなって危惧するんだよね。
つまり、
私に言わせれば、
そんな治療歴浅いんだから、
「症状がまだ残っているの、当たり前だろ」って言いたくなっちゃうんだよね。
新米の患者さんには、
どうせ、ブラッドパッチすれば、たちろどこに、すべての症状がきれいさっぱり治ると
思いこんでいるんだろうね。
それは、誤解だよ。
ブラッドパッチしても、それ以前よりは症状が良くなっても、
治療から数年未満なら、記憶障害が残ったり、シビレや頭痛や違和感が残ってしまうのは、
私からみたら、あたりまえって感じ。
でも、それらの残存症状は、時間はかかるけど、髄液漏れさえ止まっていれば、
時間をかけて、出たり消えたり、低気圧でまた悪化したりしながらも、
だんだん、年々、薄皮を剥ぐように治っていくんだよね、
私の経験なんだけど。
だから、すぐさま、すべての症状が今すぐすべて消えないからって、
あまり大騒ぎしないでほしいんだよね。
気長に構えてほしいの。
だって、何も知らない患者や、何もしらない医師からみたら、
まるでブラッドパッチが治療法として、あまり効果が期待できないみたいじゃない?
そう誤解されかねないと思うの。
これから医学が進んで、もっと早く、きれいさっぱり、一度の治療で、
症状のすべてがたちどころに一度の治療で治ってしまうような新しい治療法が見つかるまでは、
根気強く、検査をしたり、漏れが見つかるたびに、またブラッドパッチをしたり、していくしかないと思う。
大切なのは、根気強く脳脊髄液減少症と向いあうこと。
検査や治療を怖がらないこと。
気長に構えて、一度のブラッドパッチで治らないからと、別の病名を提唱する医師に流れたりして、
治療を中断しないこと。
もちろんセカンドオピニオンは構わないけど、
自分の症状は脳脊髄液減少症だと自分で確信したなら、
その後揺らがず、根気強く治療に取り組むこと。
その上で、
医師だけになんとかしてもらいたい、
治してもらいたい、という考えだけではなく、
自分自身も治療者のひとりだと自覚すること。
日常生活で、患者自らできる治るための努力をして、
時間とともに、症状が改善するのを待つしかないんだと、経験からも感じてる。
まして、専門医が少なく、一部の医師に、全国の患者が殺到しているような現状ではね。
医師の数も豊富で、
日本のどこに住んでいても、脳脊髄液減少症に詳しい医師が身近にいて、
治療後の闘病中の症状の緩和も、症状悪化時の対症療法も、完璧に医療体制が整っていて、
健康保険適用の入院リハビリまでついているような状況が理想だけど、
脳脊髄液減少症の置かれている現状は、そんな恵まれたもんじゃないから。
そんな、一般的な脳疾患患者に与えられる医療やリハビリみたいな、完璧な医療フォロー体制は
脳脊髄液減少症には一切ないんだから。
なにしろ、髄液漏れを止める唯一の治療法ですら、健康保険適用にさえ、なっていない過酷な現状なんだから。
専門医には最低限の治療と数ヵ月後ごとの経過観察や検査を受けながら、ゆっくり治療が受けられればよしとして、
あとの日々は、自分で闘っていくしかない部分があるのも事実。
しかも、身近に相談に載ってくれる、脳脊髄液減少症に理解ある医師もいないような
ものすごく孤独な中で。
回復には、精神力も必要だよ。
その精神力さえ、髄液圧減った脳では、失われるというのにさ。
過酷で、孤独な戦いだよ。マジで。
今までほとんど医学の歴史の中で、手つかずだった脳脊髄液の役割や、その産生と吸収の仕組みに世界中の医師が研究に取り組みはじめれば、
病態ももっと解明され、
脳脊髄液減少症の研究も進んで、
もっと早く、誰でも、確実に、時間短縮で症状が消える治療法も見つかってくると思う。
でもね、
現状の治療法でもね、
脳脊髄液減少症は治りますよ。
かなりいい線までね。
こんなに長く放置された私が言うんだから、信じてよ。
えっ?
あんた、治ってないくせにだって?
まあ、8割がた治ったね。
あと2割に苦戦しているけど、医師だけに頼り切ってないから、
ありとあらゆるいいと思うことをしているよ。
もうすぐ、完治してみせるよ。
今に見てろ。
でも、悪戦苦闘のおかげて、
患者が自分でできる治るための努力の内容が、わかってきたよ。
医師が治すんじゃない、
医師や、医師の行う治療は、
自分の体が自分で治そうとする、助けでしかないんだよ。
だったら、
自分も自分の体が治ろうとする力を最大限引き出す努力をしなきや。
根性論ではどうにもならないつらさが脳脊髄液減少症の特徴だけど、
根性ゼロでも、脳脊髄液減少症に負けてしまうし、殺されてしまうよ。
それだけは忘れないで。
とりあえず、生きることだよ。
何があっても、どんなにつらくても。
石にかじりついても生き延びるつもりで。
最低限、自分を殺さないで生き続けることだよ。
その上で、できることはやる。
それに、生きていさえすれば、医学も進歩してくる。
IPS細胞を使った治療法も未来には実用化するだろうし、
脳脊髄液減少症の研究だって、今よりもっともっと進んでくるだろう。
脳脊髄液減少症や、ブラッドパッチがうさんくさい病だと言っていた輩が大繁殖していた時代は、
終わりつつあるんだから。