協和菜館(协和菜馆)は、鳳凰街にある老舗の蘇州料理店です。
高級レストランではなく、蘇州料理の食堂といった感じのお店です。
場所は鳳凰街と十全街の交差点近く、交差点から少し北側にあります。
以前、ここで食べたのはもう10年以上前、どんな味だったかも忘れていました。
伝統的な蘇州料理が味わえるレストランで最も有名なのは得月楼と松鶴楼。
どちらもちょっとした高級店で、結婚式の披露宴などにも利用されますが、
協和菜館はとても庶民的な雰囲気のお店です。
10年前の値段はもう覚えていませんが、メニューを見るとそこそこいい値段。
きっと昔よりは値上がりしているのでしょう。
蘇州料理の代表といえば、松鼠桂魚、大きな豚もも肉の煮込み、田鰻の醤油炒めなどがありますが、
人数が多くないと食べきれないし、田鰻はあまり好きではないので名物は全てパス。
一応、肉、魚、野菜、スープ、主食のご飯ものと一通り頼んでみました。(とビールも)
まずはビールのお供にもいける椒塩排条(48元)、細切り豚肉の塩胡椒揚げです。
ほどよい塩加減で、ニンニクと一緒に揚げています。
古老肉(酢豚)も同じ値段だったのでどちらにするかちょっと迷いました。
メニューを見ただけでは日本人には何か分からない、炒二笋(38元)。
筍の中国語(簡体字)は笋。
筍と日本にはない中国野菜の莴笋(wo sun)の2つの笋を炒めたものでした。
味付けは塩だけでちょっと薄味。ツヤツヤ感が食欲をそそります。
蟹粉獅子頭、肉団子にほぐした蟹肉と蟹味噌を和えたものがのっています。
油がかなり多いですが、そんなにしつこい味ではありません。
紹興酒か白ご飯に合う感じ、でもこれ1個で28元とは結構なお値段。
田鰻はあまり好きではないので、代わりに似たような味付けの帯魚(太刀魚)を頼んでみました。
糖醋帯魚(68元)、甘酸っぱいような名前ですが酸っぱさはなく、いかにも蘇州らしい甘い味付けです。
中国のごく一般的な家庭料理、トマトと卵とザーサイのスープ、番茄搾菜肉絲蛋湯(20元)。
確かに細切りの豚肉も少し入っていますが、肉はあってもなくてもいいかも。
軽く酸味があってさっぱりしているので、脂っこい食事にはよく合います。
主食はお米を使った料理で。中華あんかけおこげ、什錦鍋巴(38元)。
日本でも中国でもおこげは四角のものがほとんどですが、協和菜館のおこげは原形バージョン。
もともとのおこげは、鍋や釜の底についたものなので、この丸い形が原形なのです。
もちろん、テーブルの上でカリカリおこげにあんをジュ―っとかけてくれます。
什錦鍋巴は肉(豚モツ)系のあんですが、海老あんかけの虾仁鍋巴(58元)もあります。
食事を終えて、腹ごなしに協和菜館から徒歩5分ぐらい網師園へ。
労働節の連休が終わって、観光客も一段落したようです。
蘇州にある世界遺産の園林の中では最も小さい網師園。
もともと宋代に造られた庭園を清代に再建したものです。
小さいといってもこんな立派な庭園と建物が個人の持ち物だったのですから。。
夜のなると、昆曲や評弾などの古典芸能や、楽器の演奏などを楽しむことができます。
まだ一度も夜の網師園には行ったことはありませんが、
今年からは他にも夜専用のイベントなどが増えているそうです。
久しぶりに訪れた協和菜館、当然食べきれるわけもなく半分以上お持ち帰り(打包)しました。
そもそも、スープ以外、注文時点で打包しやすそうな料理しか選んでいません。
お昼で最も混む時間帯より少し後に行ったせいもあるのでしょうが、
思ったほどお客さんはいませんでした。
前に来た時は同じような時間でも満席だったような記憶があります。
今は10年前とは違い、食事の店の種類も数も様変わりしていくらでも選択肢がありますので、
昔ながらの料理店もそんなに混むことはなくなったのかもしれません。
そういえば、ビールを注文すると冷たいのがいいか常温がいいか聞いてくれました。
これは以前できなかったかもです。