桂林の両江四湖とは、市内を流れる漓江と桃花江の2つの川と、
杉湖、榕湖、桂湖、木龍湖の4つの湖のことを指します。
両江四湖を巡る観光船はいくつか種類があるようです。
今回は杉湖、榕湖、桂湖、木龍湖の夜景や鵜飼いとレーザー光線のショーなどを見ることができる、
夜遊四湖というナイトクルーズを楽しんできました。
夜遊四湖の出航場所は杉湖の日月湾埠頭です。
杉湖の日月双塔は夜になると美しくライトアップされます。
日中は人の少ない船着き場にも灯りがともされ、
日月双塔の写真を撮りに来る人や、船に乗る人など大勢の人が集まってきます。
両江四湖の全長は7.33km、靖江王府や独秀峰などがある中心市街を囲んでいます。
もともとの四湖は宋代に造られた水運や城下を守るための堀でした。
両江四湖の公式HP、”桂林两江四湖•象山景区官方网站”に分かりやすい地図があったので拝借しました。
夜游四湖の観光船は漓江と桃花江へは出ずに四湖を往復します。
杉湖を出発した船は、すぐに陽橋の下をくぐって榕湖に入ります。
榕湖に入ってまず見えてくるのが湖心島と玻璃橋(ガラス橋)です。
湖岸にはたくさんのガジュマルの木があり榕湖の名前の由来になっています。
また榕樹門とも呼ばれる宋代に造られた城門の古南門の前には、
樹齢1000年ほどの大きなガジュマルがあります。
地図を見ると榕湖と桃花江が繋がっているようです。
また、北斗七星をかたどった北斗橋、北京の頤和園にある玉帯橋を参考に造られた古榕双橋、
凱旋門のような迎賓橋、趙州橋という有名な石造のアーチ橋を模倣した榕渓橋など、
四湖の中で榕湖に架かっている橋が最も多いように見えます。
大きな吊り橋の麗澤橋を過ぎると桂湖に入ります。
桂湖は長さ1700m、幅110mで宋代に城の西側部分を守る堀として造られました。
明の軍隊が桂林に攻め込んだ際、この堀のおかげで3ヶ月間侵攻を食い止めたと言われています。
堀が造られた当時から多くの船が行き来し大変な賑わいを見せていたそうで、
そのころから既に両江四湖の観光船のようなものもあったようです。
しかし長い歴史の間に四湖を繋ぐ堀や、湖の一部は埋め立てられ、
近年にはかつての賑わいは失われていました。
観漪橋を過ぎた所にたくさんの筏が泊まっています。
観光船が停まると鵜飼いのショーが始まります。
それぞれの筏の鵜たちが魚をくわえて上がってくるのを
船の上から目の前で見ることができます。
鵜飼いが終わると橋をいくつか通り抜けながら、観光船は木龍湖へ向かいます。
桂湖以外の湖も含めて橋の形はアーチ橋や吊り橋など様々で、ライトアップの色なども変わります。
宝積山が見えてると船は右に曲がります。
宋代の城壁遺跡を模して造られた宝積橋には3万年前に暮らしていたとされる原始人、
宝積岩人の暮らしが彫刻で描かれています。
木龍湖には宋代に建設された城壁と東鎮門が残っています。
ここは軍の最大の駐屯地でもあったそうです。
同時期に造られた18の城門のうち現在まで残っているのは2つだけです。
木龍湖の湖岸には宋代の雰囲気を再現した建物や木龍塔があります。
木龍塔は8角7層で高さ37m、こちらも宋代の建物を参考にして建てられました。
塔の対面にそびえる岩山は仙鶴峰、水面からの高さは101mあります。
木龍湖では踊りやレーザー光線のショーが行われます。
湖の周囲は有料の木龍湖風景区になっており、ここで下船する人もいました。
木龍湖までの四湖を巡った船はまた同じ経路で杉湖へ帰るだけなので、
確かにここで下船して周辺を観光するという手もありかと思います。
夜遊四湖は漓江観光船で見るような自然のままの山水とは違って、
ライトアップされた橋や建物、岩山などの夜景を楽しむクルーズです。
1999年から埋め立てられた堀や湖を復活させる工事が始まり、
2002年には両江四湖を巡るの観光船も運行されるようになったそうです。
杉湖へ戻る時にはもうほとんどの人が船室へ入ってしまうので、
空いた展望デッキでゆっくり写真を撮るのもよいかと思います。