懐遠楼は2008年に世界遺産に登録された福建土楼です。
1905年~1909年にかけて、簡氏一族によって建築されました。
土楼には、夫々名前が付けられており、その名前には意味があります。
懐遠楼の場合は、楼主は河南省の懐という地から来たことを表し、
一族の子孫が遠大な志を持ち続け、さらなる発展を促す戒めの意味を持つそうです。
敷地面積は1384平米、高さは14.5mの4階建てで、各階に34部屋あります。
今でも人が暮らしており、井戸もたぶん現役で活躍しているのだと思います。
円形の土楼の中庭には、同じく円形の斯是室と呼ばれる立派な建物があります。
ここは子供たちが勉強や読書をする場所だったそうです。
南靖の福建土楼群の中でおそらく最も人気のある懐遠楼は観光客で溢れかえっていました。
1階部分のほとんどが、土産物屋になっており、日差しを遮るテントが張られているので、
残念ながら連休中に壮大な建物を内側からゆっくり堪能するのは不可能。。かもです。
世界遺産には登録されていませんが、落ち着いて土楼の全容を眺めたり、
上の階まで上ってみたりしたいなら、雲水謡古鎮と懐遠楼の間にある土楼之光文化園がお勧めです。
和貴楼~雲水謡古鎮~土楼之光文化園~懐遠楼は少し距離はありますが、全て歩いて巡られます。
小腹が空いたら露店に南国産の果物も売っています。試しに10元で4本の台湾バナナを買ってみました。
太いバナナなので、1本でも十分小腹を満たすことができます。
鐘興楼は、1933年~1935年にかけて建築された方形の土楼です。
現在、人は住んでおらず博物館になっています。
鐘興楼の敷地面積は1386平米、建築面積は2732平米です。
4階建てで、各階の部屋数は34、部屋の総数は136あります。
階段は4隅にそれぞれ設けられています。
上の階まで自由に上がることができるので、土楼の全体像がよく分かります。
和貴楼や懐遠楼と違って、人の数もそう多くないのでじっくりと見学できます。
4階にはテラスがあり、外の景色を見ることができます。
争いの多い地域だったようなので、きっと昔は見張り台として使われていたのでしょう。
1階と2階の部屋には外向きの窓はありません。
土楼が住居だけの役割ではなく、砦としての構造になっているのがよく分かります。
土楼文化や、陶器、磁器などが展示されている部屋があったのですが、
建物を見るのに夢中で、内容はあまりよく見ていません。。
でも、中庭にある四角錐の祠?なのでしょうか、
そこにびっしりとおかれた、様々な表情、形の瓦猫はしっかり見てきました。
瓦猫は家を守り、邪気を払い、福を招くとされる魔よけです。
土楼の外を間近でみると、土台の部分に大きな石が使われているのがよく分かります。
外壁の部分は土やレンガを使用しており、厚さは1m以上あります。
外側から見ただけでは、土壁の大きな建物にしか見えず、
何も知らなければ、内部があんな木造建築になっているとは思えないです。
今回参加したの日帰りツアーは、和貴楼、懐遠楼、雲水謡古鎮、土楼之光文化園を見学した後に、
世界遺産の土楼も多く、土楼王とも呼ばれる承啓楼などがある竜岩市永定区へ行く(歴史・文化コース)か、
山々に囲まれた自然の中にある田螺坑土楼群を見に行く(景観コース)を選ぶことができました。
もともと、選んだツアーの目的地と日程は午前中に田螺坑土楼群、午後から和貴楼、懐遠楼、雲水謡古鎮でしたが、
実際は行く順番も違うし、おそらく人数合わせで2つのツアーを混ぜたのだと思います。(中国あるあるです)
どちらも見たいので結構悩みました。。結局どのコースを選んだかは次の記事で紹介します。