シャングリラ(香格里拉)にある、普達措国家公園は、
2007年に開園した、中国で初めて国家公園に指定された公園です。
シャングリラの市街地から東に20kmほど離れた場所にあり、
世界自然遺産の三江併流地域に含まれています。
普達措の”普達”は梵語の音訳で、”船”の意味、
“措”はチベット語の“湖、海”を表す言葉で、合わせて「舟の湖」の意味だそうです。
公園の主な見どころは、属都湖、草原観景台、碧塔海などがありますが、
2017年9月から碧塔海と弥里塘亜高山牧場は観光客の立ち入りが禁止されていると聞いています。
公園の入り口から専用バスに乗り換えて属都湖へ向かいます。
途中にはヤクの放牧地もありますので、緑の季節になると移動中の景色ももっと楽しめそうです。
バスでの移動時間は30分ほど、バスを降りると湖に向かう木道が続いています。
この辺りの標高は3500mちょっと、無理せずゆっくり歩きます。
普達措国家公園には珍しい高山植物や、
オグロヅル、オオヤマネコ、ウンピョウなどの希少動物も生息しています。
属都とは、チベット語でチーズが石のように硬くて頑丈という意味です。
湖畔にある牧場で、托鉢に訪れた僧侶に美味しい硬いチーズを捧げたことから、
属都湖と名付けられたという伝説があるそうです。
属都湖の遊歩道に沿って歩いて景色を楽しむ方法と、
船に乗って湖上から景色を楽しむ方法が選べます。
木道を歩くだけだと湖全体を見渡すことが難しいので船に乗ってみました。
乗客も少ないのでほぼ貸切状態、ちょっと寒かったので展望デッキに出る人もなく。
天気はいまいちでしたが、遠くに高い雪山も見えます。
白馬雪山(5640m)か梅里雪山(6740m)でしょうか、間違っていたらごめんなさい。。
この日は氷の粒がパラパラと空から落ちてきました。
湖には属都裂腹魚という金色で腹部にひびが入ってるコイ科の魚が、
また碧塔海には碧塔重唇魚という氷河期から生息している考えられている珍しい魚がいます。
どちらの魚も非常に美味しいそうですが、
チベット族にとって湖は神聖な場所、宗教上の理由で魚を食べません。
属都湖の出水口にあたる当曲卡。
当曲卡は、”棒で魚を打つ場所”という意味で、
木の棒で水面を叩くだけで魚が取れるほど魚が多く生息しいるそうです。
湖の周りは原始林に覆われています。
標高3500mラインにはツツジや高山柳(杯腺柳)という中国固有種の柳の木が、
3500m~3700mには、日本でも建材としてよく使われるマツ科のスプルースや白樺、
3700mを越える場所にはもみの木の林になっています。
4月~5月は麗江に行く航空券もシャングリラへのツアー料金かなり安いです。
安いということは。。やっぱり高地の新緑を楽しむには季節がちょっと早すぎました。
でも本当に人が少ないので景色は余裕で独り占めできますが。。
訪れた時にはシャングリラから普達措国家公園に向かう道路、東環線が大工事中で、
未舗装のでこぼこ道を進むため到着まで結構時間がかかりました。
5月にはまだ新緑はありませんでしたが、普達措国家公園の景色が美しくなるのは下界の夏、
ちょうど今頃から最も綺麗な高原の景色が楽しめると思います。
冬には雪山と湖の美しいコントラストが楽しめるそうです。