蘇州公園は蘇州市の中心部、旧市街にあたる場所にある公共の公園です。
地元の人はこの公園のことを大公園と呼びます。
公園は、草橋弄、公園路、民治路、五州路に囲まれています。
地下鉄の最寄り駅は、1号線と4号線の楽橋駅、または臨頓路駅になります。
そんなに数は多くありませんが、季節ごとに花が植え替えられています。
今月はチューリップなどが植えられました。
休日は、小さな子供連れの人達やお年寄り達に加えて若い人達も多く、賑やかになります。
公園を散歩していると、お年寄りたちが集まってトランプなどに興じている場所、
子供たちの歓声が賑やかな場所、若い人が集まって何をするでもなくスマホを眺めている場所、
SNS用の動画や写真を撮る人たちが集まっている場所など、うまく居場所が分かれているようにも見えます。
子供たちに人気なのは、ミニ遊園地と池の金魚釣り。
ミニ遊園地の乗り物は1回10元~20元、だいたいどの乗り物も2人で乗ることができます。
金魚釣りは、釣り竿や餌もついて1時間30元、釣った金魚は持ち帰りできます。
蘇州公園はとても大きな公園というわけもなく、緑と池と子供用の遊び場がある、ごく一般的な中国の公園です。
ただ結構歴史のある公園らしいので、いつからある公園なのか気になって調べてみました。
公園の建設が始まったのは1925年、開園は1927年で、
蘇州の中にある公園の中ではかなり古くからある公園です。
蘇州で一番古い近代的な公園なのだそうです。
この場所は大昔から、時代によって様々な使われ方をしていました。
春秋時代には城が、漢代、唐代、宋代には時の政府の役所と庭園がありました。
元代末期にも城のようなものが造られたようですが後に焼き払れ、
清代末期まで荒れ地のままで、処刑場や墓地として使われていたようです。
公園の設計はフランスの園芸家、Jaussaumeさん(読み方が分かりません)が監修しました。
当初は、図書館、映画館、商業施設も園内にあったそうです。
また、蘇州園林のような高い壁の向こう側に庭園があるような造りではなく、
レンガの土台の上に鉄柵がある、外からでもよく見える開放的な設計でした。
蘇州の芸術家、顔文梁(滄浪亭の隣にある顔文梁記念館のお人)も池や噴水の設計に関わったようです。
当時の蘇州には水道がなかったので、噴水を作るためにはかなり大掛かりな設備と工事が必要でした。
公園の南半分が、欧風、北半分が中華風の造りになっています。
知識が乏しくて正しいかどうか自信がありませんが、今でも公園の南半分はフランス式庭園の特徴である、
「起伏がなく左右対称で幾何学的な形をした花壇や植木」になっているかと。
北側は、中国らしい池や山や堂が造られています。
このような構成の公園はたぶん少ないのではないかと思います。(これも自信がありませんけど)
蘇州公園は以前とほとんど変わっていませんが、周りの道はずいぶん奇麗になりました。
五州路には新しい商業施設のような場所や小さなお店も増えています。
干将路の五州路との交差点近くに新しい奇麗なワンタン屋さんができていたので入ってみました。
店の内装はちょっと高めの値段設定を感じさせますが、ごく普通の値段でした。
荠菜(ナズナ)のワンタンが18元。ワンタン以外の料理もあるようでした。
この辺りの飲食店の価格で考えると高くはないです。
きっと頼んだものは店で一番安いと思うのですが、別に可愛らしい小鉢も出てきました。
テーブルには控えめな感じで小さな花が飾られていたりと、なんとなくオーナーは女性なのかなと思えます。
蘇州公園のあるエリアは観光客の多い観前街の干将路をはさんだ南側になります。
昔はニセモノ屋街として賑わっていた場所です。
一掃されてからは観光客の姿を見ることはなかったのですが、最近は五州路も人通りが少し多くなりました。
最近は定番の観光地でお金を使うような旅行ではなく、
お金を使わずに楽しむ若い人が増えている影響なのかもしれません。