蘇州では麺が食べられるお寺もいくつかあります。
もちろん肉類を使わない精進料理の蘇州麺ですが、お寺ごとに味は変わります。
最も有名なのは西園寺でしょうか。
いかにも蘇州麺という感じの甘くて色の濃い醤油スープに甘い味付けの具材が乗っています。
境内に麺館があったり、隣接する場所に麺館があったりとお寺によって様々です。
西園寺は境内にあって、時間帯に関わらずいつも大混雑です。
唐代に創建されたといわれる太湖東山にある紫金庵。
お寺の羅漢像は国の重要文化財に指定されています。
そんなに大きい寺ではないのですが、小さな庭園の中に麺館があります。
客も多くなく、14時を過ぎると店のおばあちゃん達が帰ってしまうこともあるので要注意。
お寺の麺の基本的な具材は、しいたけ、蘑菇(マッシュルーム)、タケノコ、きくらげ、にんじん、お揚げ。
これに青梗菜や高菜が加わる感じになります。
紫金庵の麺は甘さ控えめ、さっぱり系の醤油スープです。
日本でも馴染みのある寒山寺にも麺があります。
境内にあるのですが、あまり有名ではなく私自身も食べたのは最近になってからです。
種類はいくつかあるようです。
具材は他のお寺とちょっと違っていて、セロリが入っていました。
セロリが入っていたのは寒山寺だけ、でもメニューの写真にはセロリの姿はなかった気も。
山の中のお寺にも麺館があります。
天池山 寂鑑寺は山の麓近くにあるので、ほんの少し登るだけで麺にありつけます。
ここの麺は少し甘めのスープ。
以前は精進料理以外のメニューが書かれていた時もありましたが、今はこの麵だけです。
また、麺の種類も1種類のみになって、具材が別のお皿に入って出てくるようになりました。
花山 翠岩寺は山の中腹あたりにあります。
天池山と花山はひとつの山で位置によって呼び名が変わります。
麺だけでなく、お茶も売っているので、季節の良い時は外でのんびりお茶することもできます。
麺のスープはほんのり甘い系ですが具材は甘く煮込んでいないので混ぜるとほどよい味になります。
(と、自分で勝手に思っています)
いかにも精進料理を連想させる菩薩麺という名なのですが、ゆで卵が入っています。
お寺の麺で卵があるのはきっとここだけだと思います。
山の上まで登ってから頂けるのは、霊岩山の霊岩寺。
距離はそんなにないのですが、それなりの斜度と最後の階段がちょっときつい。。
霊岩寺の麺は人気があって時間帯によっては席がなくなるほど混んでいます。
霊岩寺の麺はちょっと太めで日本のラーメンに近い感じです。
数あるお寺の麺の中で、麺もスープも個人的に一番好きなのが霊岩寺の麺。
この麺を食べるためなら少し頑張って山を登る気になります。
私の知る範囲で蘇州麺を頂くまでに最も体力を要するのが穹隆山。
麓から道なりで1km以上登ったところにお寺の麺館があります。
(お寺の麺にこだわらなければ、途中にもお店はあります)
ここの麺は質素な感じで味も濃くないです。(お寺の麺は素麺ともいいます)
食べたのがもうずいぶん前なのではっきり覚えていませんが値段も安かったと思います。
その時は携帯の電波が届かないからとのことで支払いは現金のみでした。
蘇州では至る所に麺の店があって、どこでも蘇州麺が食べられます。
基本的に麺自体はどこでもほぼ同じ、細い柔らかい麺です。
スープは紅湯と白湯が選べますが、お寺の麺は基本的に紅湯でスープを選ぶことはできません。
罰当たりな話ですが、麺を食べるのが目的でお寺に行ってます。