中国でのいろいろ

中国での生活、出来事をぼちぼち綴っていければと思っています。

浙江省 嘉興市嘉善県 西塘古鎮(庭園と博物館巡り)

2024-08-22 00:08:22 | <浙江省>

西塘古鎮の中には、明清代~中華民国代の邸宅や庭園、

歴史文化や地場産業などを紹介する展示、博物館などもあります。

 

 

それぞれの料金は全て西塘古鎮の入園料に含まれています。

ただし、入る時にチケットのQRコードを使用しますので、スクショしておくと便利です。

 

 

暑くて全て回り切るのは断念しましたが、2/3ぐらいは行ったかと思います。

 

 

護国随糧王廟は、七老爺廟とも呼ばれます。

明代に金という食料を輸送する役人が飢饉で苦しむ西塘の人々に対して法を犯して食料を分配したものの、

その処罰から逃れることができずに自害しました。

 

 

後に助けられた人々がお金を出し合って寺を建立し祀ったといわれています。

 

 

酔園は明代に創建された邸宅で、元々は五進だったそうなので昔はもっと大きなお屋敷だったのでしょう。

酔経堂は、清代の著名な書家、画家の王志熙が建てました。

 

 

現在の持ち主の王さんも書画家で室内には書や版画の作品が展示されています。

小さな庭にあるレンガ造りの橋は江南の庭園では珍しいものなのだそうです。

 

 

酒文化体験館には、黄酒の醸造工程の紹介や、お酒を入れるカメや盃が展示されています。

体験館となっていますが、何が体験できるのかはよく分かりません。

何かに挑戦して達成すると記念品がもらえるようなことが書かれた看板はありましたが。。

 

 

今でもあるのかは分かりませんが、西塘では梅花三白という銘柄のお酒が醸造されていたのだそうです。

清代にはその香りが百里まで届いたとも言われています。

 

 

瓦当文化体験館には、煉瓦彫刻、古煉瓦など様々な瓦が展示されています。

展示されている300余りの瓦は西塘古鎮の董紀法さんが収集したものです。

 

 

宋代の宮殿に使用されたとされる龍紋瑠璃瓦当など希少価値の高いものもあります。

 

 

紐釦博物館(ボタン博物館)

西塘にはボタンの製造企業が500社ほどあり、中国全体の中で占める生産高の割合は50%なのだそうです。

 

 

漢代から現代までの様々なボタンが1000点以上展示されています。

また、ボタンの生産工程の解説などもあります。

 

 

西園は明代に造られた富豪の個人邸宅で、西塘古鎮の中では最も大きな庭園があります。

庭園には、小さな池や築山、亭が築かれています。

 

 

辛亥革命当時に発足した近代文学史上最大の、南社という文学団体のメンバーが、

1920年にここで集会を開いたのだそうです。当時の写真などが展示されています。

 

 

西園の2階からは細い路地(蘇家弄?)を見下ろすことができます。

他の庭園や博物館でも建物の2階部分から水路や通りの景色が見えるところもあります。

 

 

王宅も明代の個人邸宅です。

門の両側ギリギリのところまで店があるので油断すると通り過ぎそうです。

 

 

ネットで王宅を検索してみると、今でもここに一族が暮らしていると書かれている記事もありましたが、

公開されている場所は歴史や文化の展示室になっているので分かりません。

西塘の最も細い路地、石皮弄の奥にある建物には実際に人が暮らしているらしいです。

 

 

他にも倪宅、聖堂、明清木彫館、張正根彫(木根の彫刻)芸術館などがあります。

夜になっても古鎮の通りなどは賑やかで、ライトアップされた風景も楽しめます。

今年の江南地方は、日本と同じように猛暑で、最高気温が39℃以上、夜も30℃以上の日が続きました。

西塘には日差しを遮る廊棚があるとはいえ、やっぱり暑いのは暑いです。。

 

 

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浙江省 嘉興市嘉善県 西塘古鎮(街歩き篇)

2024-08-15 00:08:15 | <浙江省>

西塘は浙江省、上海市、江蘇省の境界近くにある水郷古鎮です。

1000年以上の歴史がある場所です。

 

 

春秋戦国時代には呉と越の境界でもありました。

そのため様々な争いがあり、”呉根越角”や”越角人家”とも呼ばれていたそうです。

 

 

唐宋代にはすでに村ができ、元代、明代と工業や商業で栄えてきました。

今は昼も夜も大勢の観光客で賑わっています。

 

 

西塘の入り口付近には観光案内所や公園、商店が並ぶ新しい通りが作られていてローソンもありました。

入り口の前にある駐車場は早々に満車になったようで、少し離れた臨時駐車場に車を停めました。

 

 

ネットで買った古鎮の入園チケットは95元でした。

前日までに買えば少し安くなるようです。

 

 

西塘は世界ふれあい街歩きでも紹介されたことがあります。

世界文化遺産への登録申請も行われているようです。

 

 

ミッション:インポッシブル3のロケに使われた場所としても有名です。

2006年の映画なので、トム・クルーズもまだもう少し若かった時です。

 

 

水路沿いの通りには、廊棚と呼ばれる屋根の付いた長廊が続いています。

廊棚の全長は1km以上あるそうです。

 

 

今まで行ったことのある江南の水郷古鎮の中で、こんなに長い廊棚は見たことがありません。

もともと廊棚は日よけや雨よけに設けられたものです。

 

 

現在もしっかり本来の役目を果たしてくれているおかけで、

暑い日でも多くの観光客が訪れている。というのはちょっと大げさかもしれませんが、

この屋根がなければ真夏に西塘へ行く気にはなれません。。

 

 

古鎮の中には、明清代の建物や古橋も数多く残されています。

安仁橋、安境橋、安善橋、五福橋、清寧橋、臥竜橋など大小合わせて104基あります。

 

 

橋の形の多くはアーチ形で1つ穴が多いようです(たぶん)。

安善橋などの3つ穴の橋やもっと簡素な橋もみかけます。

 

 

ちょっと変わった形で2つの通りと屋根のある送子来鳳橋は、明代以降、幾度も修復されています。

現在は落書きだらけのコンクリートの橋になってしまいました。

新婚さんがこの橋を渡ると子宝に恵まれるのだそうです。

 

 

休憩を兼ねたお昼ご飯は込み合う時間を少し外して、

2階から水郷の景色が楽しめそうな店を探してみました。

 

 

ただ暑くて食欲もなく、脂っこくなくてビールに合いそうなものをと考えていたら、

蟹粉豆腐にピータン豆腐と豆腐ばかり頼んでしまいました。。

 

 

せっかく水郷古鎮にきたので菱の実も。毛豆菱肉は江南水郷の名物料理のひとつです。

毛豆の日本語は枝豆、味付けは塩だけのさっぱり味です。

 

 

水郷古鎮には細い路地もたくさん。路地好きにはもうたまりません。

さすがに全ての路地を探検するのは無理なので、ほとんど通りから眺めるだけですが。

 

 

西塘で最も細い路地が石皮弄です。

最も広い場所で道幅1.1m、狭いところは80cmほどしかありません。

 

 

西塘は、蘇州からでも上海からでもそう遠くはないとはいえ、次にいつ来られるかも分からないので、

観光案内図に観光スポットと書かれている博物館や庭園などもできるだけ巡ってみました。

博物館と庭園巡り篇に続きます。

 

 

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浙江省 嘉興市桐郷 濮院時尚古鎮(Pu Yuan Fashion Resort)

2024-08-08 00:08:08 | <浙江省>

濮院時尚古鎮は、嘉興市桐郷市に新しくできた古鎮のテーマパークです。

もともとこの辺りは、南宋時代からの古い街だったようです。

 

 

嘉興にある有名な水郷古鎮といえば鳥鎮や西塘ですが、

ここの建物のほんとんどが新しく造ったものなので歴史的な価値はありません。

 

 

いくつかの橋は古くからあるものがそのまま残されており、

浙江省の文化財に指定されています。

 

 

すごく広い敷地に古い街並みが再現されています。

無錫の拈花湾など、最近は同じようなテーマパークや商業街が中国各地にできています。

 

 

夜になると古鎮はライトアップされます。

昼の景色と夜の景色を両方楽しむために日が暮れる少し前に行きました。

 

 

場所が田舎すぎるのか、有名な本物の水郷古鎮の鳥鎮が近くにあるせいなのか、

今のところ人気の観光地という訳ではなさそうです。

入り口の巨大なチケット売り場に並んでいる人はいませんでした。

 

 

余談ですが。。

清池温泉から車で15分ほどの場所なのですが、風呂上りに飲んじゃったので車を呼びました。

これが本当に正解で、濮院時尚古鎮までナビで案内される田舎道は工事中で、

気付かずに突っ込んだら車が大破しそうな深い溝が道を横切るように何十本と掘られているし、

なんとか通り抜けた先には、少し大きい車だと通り抜け不可能なコンクリートの塊が道をふさいでいるし。。

 

 

濮院は、元代、明清代とシルク交易で栄えていました。

たぶんテーマパークができる前はここに人が住んでいたのでしょう。

 

 

今はマンションの大規模再開発も行われています。

このようなテーマパークはマンションや別荘を売るための役目も担っているのかと思います。

 

 

濮院時尚古鎮の中では、ちょっとした表演(楽器の演奏や、劇、パレードなど)も楽しめます。

季節ごとのイベントもあるようです。

 

 

古鎮の中心にあるのが、福善寺と福善塔。

こういう場所は個人的にはライトアップされる夜の方が好きです。

 

 

食事のできる店はたくさんあります。お酒を楽しむような店や、パン屋さんもありました。

ただし、人が暮らしている街ではないので、古鎮の営業時間が終わる前に全て閉まってしまいます。

 

 

「DINING BAR」と横文字で書かれているお店があったので、

何が食べられるのだろうと思って入ってみました。

 

 

でもメニューは普通に江南料理。

安くもなく高くもなく、お味の方もごく普通という感じです。

 

 

盛り付けが奇麗な料理もあれば、街の小さな食堂と同じレベルのものも。

20時半頃にはもう客の姿も店員の姿もなくなりました。

 

 

別に粘っていたわけではなく、キャンセルしようかと思うぐらい、

料理が出てくるのが遅かったので。。

 

 

福善塔の周りは営業終了時刻の22時近くまでそれなりに人がいますが、

他の場所は20時を過ぎると人影もまばらです。

 

 

中国にも”火の用心”があるのですね。

もちろんこれは観光客向けのものなのですが、夜回りのおじさんが声を出しながら歩いています。

 

 

濮院時尚古鎮の入園料は120元です。

園内の清掃はこまめに行われているようでトイレも奇麗です。

古鎮の中にあるホテルや民宿に泊まるなら割引があるような感じでした。

 

帰り道もナビは行きと同じ穴だらけの道を案内しました。

運転手さんにこの道は危険だと説明したのですが理解してもらえずでした。

ただ、道路工事の仕事は早かったようで、穴の数は1/3ぐらいに減っていましたが、

運転手さん、かなり苦労していました。

 

 

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浙江省 嘉興 清池温泉(嘉興清池温泉酒店)

2024-08-01 00:08:01 | <浙江省>

清池温泉は浙江省嘉興市の郊外にある天然温泉です。

車だと蘇州市内から約1時間半、もし時間を気にしないなら公共交通を乗り継げば10元ちょっとで行けます。

 

 

そうは言ってもやはり時間は気にするので車で行きました。。

常台高速の秀洲(嘉興西)インターから嘉湖公路をまっすぐ西に進めば着くので分かりやすいです。

 

 

温泉はホテル(嘉興清池温泉酒店)になっていますが、日帰り入浴もできます。

ホテルの値段は混んでいない時なら温泉施設利用と朝食付きで500元ぐらいです。

 

 

2010年から掘削調査を開始し、2012年に地下2000mの温泉を掘りあてたようです。

温泉施設の開業は2014年、ホテルの開業が2019年なので新しい温泉です。

 

 

日本なら64℃と言われても、ふーんそうなの、そんなに熱くないねとなりますが、

火山もない江南地域では、こんなはっきりお湯と言える温泉が湧いている場所はとても少ないのです。

 

 

風呂の大半は露天風呂になっています。

屋内施設には子供用のプールもあります。

 

 

露天風呂の多くは日当たりが良すぎて、夏場の昼間はちょっときついかも。。

日陰のあるお風呂を探してのんびり。

 

 

22時ごろまで営業しているようなので日が落ちてから入りに来る人が多いのでしょう。

温泉の温度は30℃ぐらいから、上は43℃までありました。

 

 

湯量は豊富で、浙江省内では最も熱いお湯が湧いている温泉です。

64℃アピールを敷地内のあちこちで見かけます。

 

 

温泉はフッ素の含有量が多く、関節炎、皮膚病、心血管疾患に対して効能があり、

疲労緩和、老化防止などにも効くのだそうです。

 

 

清池温泉の敷地内には、ホテル、レストラン、売店、バーベキューのできる広場やミニ動物園もあります。

小さな子供さんのいる家族連れが多かったです。

 

 

ホテルの建物は数棟に分かれていて、コテージ風の建物もありました。

ここは大きな温泉リゾート施設になっているようです。

 

 

また、中国では珍しくホテルは温泉付きの部屋を選ぶことができます。

チェックインの際に温泉用のカードが渡されるので、そのカードを機器に差し込めばお湯が出ます。

(日本語の説明もあります)

 

 

温泉の周囲で歩いて行けそうな距離には畑以外に何もありません。

夜は食事も兼ねて、清池温泉から車で15分ほどの場所にある濮院時尚古鎮という観光施設に行きました。

 

 

ホテルの朝食は基本的に中華系で和食風のものはありません。パンとコーヒーはあります。

テラス席もあるので暑くない時は外で食べるのもよさそうです。

 

 

清池温泉のある場所は、唐代から雲泉郷や霊宿郷と呼ばれていたのだそうです。

久しぶりに温泉らしい温泉でのんびりできました。

もちろん、部屋の温泉も最大限活用させてもらいました。

蘇州から車で行くならドライブを兼ねてちょうどよい感じの距離なので、また行ってみようかと思っています。

 

 

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浙江省 千島湖(淳安県浪川郷) 芹川古村

2023-12-28 00:12:28 | <浙江省>

千島湖旅行の最後に湖をぐるっと一周してから蘇州へ帰ることにして、

千島湖から少し離れた山の中にある芹川古村にも行ってみました。

 

 

観光案内で見つけた場所だったので、あまり期待していなかったのですが、

結果的にこの考えは正解で、今回の旅行の中で最も景色が楽しめることになりました。

 

 

芹川古村は、浙江省の淳安県浪川郷芹川村の中にあります。

芹川村は千島湖に沈まずに残った場所なので、そもそも人が訪れることも少ないのでしょう。

千島湖の観光地からまっすぐ行けるような公共交通はありません。

 

 

ナビが案内した道(たぶんショートカット)も湖岸から離れると集落の中を通る細い道でした。

車で芹川古村の中へ入って行けるような道幅の道路はありません。

古村の近くに駐車場(無料でした)があるので、そこから歩いて村に入ります。

 

 

村の入り口にある大きな楠は、800年以上の樹齢だそうです。

駐車場には車がたくさん駐まっていたので、観光客が多いのかと思いながら村の中へ。

 

 

芹川古村も700年以上の歴史があります。

明清代と民国時代の建物が60棟以上残っており、村の中を澄んだ川が流れています。

 

 

川を挟んだ両側の道が村のメインストリートになっています。

川には魚が群れていて、あちこちにアヒルが放し飼いされています。

 

 

一応観光地なのですが、蘇州近郊の水郷古鎮のように土産物屋や飲食店が立ち並んでいるわけでもありません。

観光客向けっぽくなっている感じの商店は1軒だけ。

 

 

観光客向けに他にあるのは数軒の農家料理のお店と村の入り口近くの酒屋さんぐらい。

それ以外は、村人が普段買い物するような小さな雑貨店や食料品店で、

お菓子や土産物も扱っているぐらいです。

 

 

村の中は人々が普通に暮らしているだけで、休日でしたが観光客の姿はほとんどありません。

駐車していた車の多くはきっと村人のものなのでしょう。

 

 

川沿いの家には、それぞれ自分の橋があるのかと思えるほど、とにかく橋の数が多いです。

明清代の石橋や板橋、新しいセメント造りの橋など、様々な橋があります。

 

 

小さな村の中には38の橋があるそうです。

橋の下をよく見てみると、洗い物をしている人の姿があちらこちらに。

橋は各家の炊事場にもなっているように見えます。

 

 

村を散策していると、一匹の黒い犬が道案内をしてくれました。

後ろからずっとついてくるわけではなく、先に立って歩いていきます。

写真を撮ったりして立ち止まると、自分で遊びながら終わるのを待っています。

仕草がとても可愛くて撫でてあげたくなるのですが、海外でやっちゃいけないことのひとつなので我慢。

 

 

そんなに目立つ行動はしていないつもりでしたが、

犬と一緒に村の奥まで散歩していたせいなのか、村人に声をかけられてちょっと緊張。。

たぶん、標準語が話せない奥地から出てきた人だと思われたに違いありません。

 

 

芹川古村は一応観光地にはなっていて、千島湖の観光マップに載ってはいるものの、

今のところは交通の便が悪すぎて、観光客で賑わうことはなさそうです。

 

 

車がないと行きにくい場所なのですが、こんな素朴で長閑な風景を楽しみたいと思われる方にはお勧めです。

村の中には若い人や子供の姿も見かけましたし、過疎化が進んで人がいないという雰囲気ではありません。

また、裕福ではないかもしれませんが、貧しい村という感じもありません。

 

 

蘇州の平江路もそうでしたが、観光地となって人気が出ると元の雰囲気はすっかり消えてしまうので、

景色や雰囲気が良くて普段の生活も見られる古村の姿は、なかなか見ることはできません。

私のような中国語が達者でもない外国人には、観光地になっていなければその場所を知ることはできませんし、

逆にそうでなければ、中まで入って行く勇気もありませんので。

まだ人気がない観光地の芹川古村を見つけられたのは運が良かったのかと思います。

 

 

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