安徽省の寧国市は、宣城市に属する県級市です。
天目山や黄山山脈に接しており、山に囲まれた町です。
この日の宣城観光は水東老街のみ。
水東老街を散策した後は、宿を予約した寧国市に向かったのでした。
寧国も歴史のある場所です。
後漢代の208年には既に寧国県があったそうです。
初めて来た場所なのでホテルにチェックインした後に散歩に出かけてみました。
蘇州のように園林や、歴史的な建造物があるわけでもないごく普通の田舎町です。
市内には水東鎮を流れていた水陽江の支流になる西津河が流れています。
西津河沿いには翠竹公園、濱河公園があり、市民の憩いの場になっているようです。
西津河の東側が昔からある街のようで、低層の住宅が多く、商店、飲食店が並ぶ通りがいくつかあります。
西側には新しく開発された感じの高層マンション群があります。
また、街の東の端には鉄道の寧国駅があります。
翠竹公園を歩いている時に汽笛の音が遠くで何度も鳴っているのを聞いたので、駅の方にも行ってみることに。
きっと駅の方にも商店街があるのだろうと思って、西津河から1kmほどの距離を歩いてみると。。
予想に反して、どんどん寂しい感じになっていきます。
駅までの道は広くて大きな建物もあるのですが、どれも政府系のもののようで通りを歩く人もいません。
あとから調べて分かったのですが、現在、寧国駅に停車する旅客列車はありません。
駅はすでに閉鎖されているようです。汽笛はどこで鳴っていたのでしょう?
観光用の何かがあるのでしょうか、夜遅くまで汽笛の音は聞こえていました。
寧国の宿泊は駅に近いホテルにするか、繁華街の中にあるホテルにするか迷ったのですが、
繁華街のホテルにしたのは本当に正解でした。。駅の近くだったら周りに何もなかったです。
気を取り直して、食事ができそうな店を求めて人民路を歩いて戻ることに。
人民路という名の道は、どこでもたいてい街の中心にあるはず、という思い込みは見事に外れました。
世紀広場という名の広場はどこでもたいていショッピングモールがある、という思い込みも見事に外れました。
結局、また西津河の近くまで戻ってから、食堂で簡単に食事を済ませたのでした。
食事以外に果物を買ったのとケンタッキーでコーヒーを買った程度ですが、
物価は蘇州の2/3ぐらいでしょうか。(Mサイズのコーヒーが10元、果物は半額ぐらいでした)
夕暮れになると食事を済ませた人達が散歩したり、踊ったりと昼間より賑やかな感じになっていました。
繁華街も大勢の人達で賑わっていましたし、決して便利とは言えないですが、
何となく住みやすそうな気がする街でした。
発表されている寧国市の経済指標は、第一次産業から第三次産業まですべて増長しているとなっていますが、
大きな産業基盤のなさそうな寧国市の人口は減少傾向のようです。
間もなく宣城から黄山方面に向かう高速鉄道が開業し、寧国には寧国南駅という高速鉄道駅ができます。
これからどのようになっていくのでしょう。
胡桃を扱う専門店をいくつか見かけたので珍しいなと思っていたら、胡桃は寧国の特産品でした。
そのことに気付いたのは帰ってから。。買って帰ればよかったと後悔したのでした。