27.03.21 ス ト ロ ー 現 象 NO.741
兼好法師は良き友の条件にひとつに「ものくれる者」と言っていますが、今時それは違うと思います。
わけもなく人が「モノ」をくれるわけがない。
近所でささやかな小さな店を経営していたKさんが、当時年商数十億円の売り上げを誇るF工務店
の社長に寵愛されて、京は祇園・大阪は北新地としばしば遊興の相伴をしていました。
おそらくFはそのために遣った金銭は百万単位だっただろうと考えられます。
でも、結局Kさんは親戚筋から託された3億円の資金をその社長に使い込まれてしまって、不遇の
うちに死んでしまいました。 その理由は、Kさんには天外孤独のおじさんが居て、そのオジさんは
地方で功成り名を成し遂げてかなりの蓄財をしていましたが、後継者がいないために、Kさんに3億
円託すから「男らしい仕事をやってみよ!」と言って3億円を託していたのでした。
Fは最初の内は「ちょっと手形を割り引いてくれ」と言っては少額の手形を持ってきて、期限にはちゃ
んと予想外の高額な利息をつけて返してきたのですが、Kさんが味を占めたことから次第に手形の
金額が次第に増え、割引額が3億円になった時点で、Fがどこへともなく蒸発してしまったのです。
勿論預かった手形は不渡りになって紙切れ。
親戚のおじさんにとってこの3億円はそんなに痛手になるような額ではなかったのかも知れませんが、
Kさんは心労のあまり病気なって、ついに帰らぬ人になってしまいました。 人は分相応の人との付
き合いが大切です。 なまじ、お金持ちと付き合うとロクなことはありません。
何もかもストローで吸い取るように吸い取られるのが「オチ」