小言コウベイN

日々感じた風刺等について書いています。

おばさんH

2015-06-04 20:50:58 | 日記

       27.06. 05         お ば さ ん H          NO.817                       

 妹尾河童作の「少年H」は本で読んでよし、映画で見てよしの秀作でしたが、わたしには恩人の「おばさん

H」がいました。    10歳(とお)で神童・15で天才・20歳(はたち)過ぎればただの人、という例(たとえ)

のようなひとでした。(らしい)   でも、生活力というかバイタリテーはすごい人でした。

敗戦で老若男女とも打ちひしがれて茫然自失となっていた時代、女ひとりで米軍キャンプに行き、米兵から

禁制のタバコを買ってきて(ヤミ)で転売して生活費を稼いでいました。

キャンプには兵隊崩れやヤクザ者などが寄ってきて、おばさんに嫌がらせをしたそうですが、その時には片

言の英語も話せないのに、米兵に向かって「この男はかよわい女のわたしをイジめる」と訴えて保護され、難

を免れことなきを得ていました。 小金をためて「烏金(からすがね)貸」をして日銭を稼いでもいました。

挿絵画きの亭主を「頼りない男」と言って放り出す猛女でもありました。

人間は敗戦なんてパニックに陥ると、男よりも女の方が強いという見本のようなおばさんでした。

*烏金・・・その日暮らしの職人さんや小売業者に、朝にお金を貸して夕方に回収する金貸し業。 

  利息は1日1割です。

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